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『スリル・ミー』"彼"とは何者か…

ミュージカル『スリル・ミー』東京公演、まもなく千秋楽を迎えますが、私は2021年に、この作品と出会い、"彼"と"私"の森から抜け出せなくなり、CDも繰り返し聴き、今期は1ペアのみの観劇となりましたが、そんな中で、ふとした疑問や、それについて私なりに思うことなど、本記事では"彼"について、まとめてみたいと思います。
※ネタバレを含んでおります。
※私的感覚での解釈となります。
※シーンの順番は前後します。
※まぎらわしいので、”私”のことはレイと表記し、私は筆者を表します。


《 彼という人物 》

☆彼の思考「お前と違って俺には友達がたくさんいる」

公園で再会した時に、"彼"がレイに向かって言うセリフだけど、レイを見下し、蔑む様子が見て取れる。とっても失礼よね。でも、レイは、こう言われても、全然怯まず、自分は特別だと言い切れるんだから、メンタル鋼🤭そして、そんなひどいことを吐きかけても、レイは自分のことを嫌いにはならないという自信?過信?の表れでもあるかなと。
さて、会って、ひどい言葉を浴びせかけた挙句、すぐ立ち去ろうとするくらいなら、なぜ、"彼"は、レイに会いに来たのか…?
自分と会えなくて、さぞかし寂しがってるだろうと、その姿を確認しに来たのか?

私が思うに、"彼"は、大きく分けて、2通りのタイプがあるような気がする。

一つ目は、レイのことが、気になるし、少なからず好きなんだけど、わざと距離を取ったり、冷たく当たったりして、レイの反応を楽しんでるタイプ。

もう一つは、自分のことが好き過ぎるゆえに、なんでも言うことを聞いてくれる都合のいい存在として、レイを適当にあしらいつつ、必要な時は、優しくして、手懐けてるタイプ。

前者なら、"彼"にとっても、この再会は、ちょっと嬉しいのかな…態度は、いつものツンだけどね。

後者なら、黙って消えるなんてひどいことをしたけど、レイが自分をまだ好きでいるか?確認したかったのかな?「会いたかった」って言われて、ホッとしたかな?

私は、前者タイプ、所望🙂


☆父親に認めてもらえない"彼"のメンタル

弟ばかり可愛がる父親への憎悪と渇望の狭間で、壊れてしまったかのような"彼"のメンタル…自分は超人だと思うことで自尊心を保ち、壊れた心を隠しながら、何人もの遊び相手と過ごし、承認欲求を満たす……それでも、埋められない心の隙間……それを埋めてくれるのが犯罪のスリルであり、どんな自分でも慕ってくれて、犯罪の手伝いもしてくれるレイ。そりゃあもう、唯一無二の存在で、"彼"の方こそ、レイがいてくれないと困るんじゃないかな…。

プライドの高さゆえに、自分の弱いところ、見せたくないからね、素直になれないんだよね。そんな"彼"が、レイを引き留めるために口にした「お前がいなきゃ、ダメなんだ」←レイ、うまく引き出したね。聞けて良かったね😉

☆レイを縛り付けるはずが、自分自身が縛られることになる”契約書”

レイに「もう犯罪を犯すのをやめよう」と言われた時、レイを引き留めるために、契約書を作ることを提案する"彼"📃
まさか、自分の為に作った"契約書"が、自分の首を絞めることになるとは…。
「そんな気分じゃない」って言っているのに、レイは"契約書"を盾に、強引に自分の要求を突きつけてくる。応えなければ、レイは、もう犯罪に手を貸してくれなくなってしまう……「わかった、お前に従う」…あれ?立場が逆転だ…😮

事後、満たされた表情のレイに対して、”彼”は、屈辱的な思いだったに違いない。そして、このことで、"彼"の中のリミッターが外れ、レイの想像が及ばない凶悪犯罪を提示することで、一旦、劣勢に陥った自分を再び優位に立たせるための殺人計画……短絡的で稚拙な承認欲求😔
人を殺すことが、一生に一度のドデカイことなのかい?
後に護送車の中で言う、「俺がなりたかったのは、まさにああいう弁護士だ」…もう、めちゃくちゃだよね、言ってることが。レイも呆れ気味に「へえ、知らなかった」って、そりゃ、そうなるわ😓

☆レイに対する劣等感の裏返し

「そりゃそうだ、お前は自慢の息子だもんな」脅迫状を打ちながら、"彼"がレイに言うセリフ、その前にも(レイ)「金に困ってるわけじゃないだろ」("彼")「お前はな、うちは最近親父がケチで」とも言っていて、"彼"は、愛してくれる家族がいて、なんでも買ってもらえる境遇にいるレイを、羨ましく思いつつ、そう思うことは、自分がいかに寂しい存在かということを認めることになるから、その裏返しで、レイを見下すような態度を取っているんだろうな…🙁可哀想な人だ😔
挙句の果てに、レイが落としたメガネが高級品ときた👓
イライラMAXな"彼"、取り繕っていたものが、ポロポロと剥がれ落ち始め…。

☆「俺を巻き込むな」

「はぁ?」って、たぶん客席にいる全ての人が、思うとこよね?そもそも、あなたがレイを巻き込んだんでしょうよ😒って、総ツッコミしたくなるよね。………あ、いや、待って、最初から殺人計画までを見据えていたレイの場合は、確かに「俺を巻き込むな」って的を得てる発言ってことになるね🧐まぁ、でも、この時点で、"彼"は、そんなこと知らないわけだから、やっぱり、何言ってんだ?状態だわね。
レイの強めの「待てよ!」は、見てるこっちも、うんうん、言ったれ言ったれ😠と思う。
「お前は最低だ」っていうのも、どの口が言ってんだか😥と思うけど、レイは、少なからず傷ついたのかな?それともそのくらいのこと、想定内で、してやったり…なのかな?

☆「まだ遅くない、2人とも助かる道があるはずだ」からの「俺がついてる」

いやいやいや、自分が助けてもらう局面なのに、まだ自分が上に立とうとしてるって、もう、必死過ぎて、支離滅裂過ぎて、逆に"彼"が、可愛く見えてくる不思議🙄もう、超人でもなんでもない、全て剥がれ落ちた1人の青年…レイの手に落ちた瞬間だよね😔
そして、「お前の親父が、金で、最高の弁護士を雇ってくれるだろ。だから、強くなるんだ」レイに言っているようで、その実、自分に言い聞かせてるんだよね🥺可哀想な人だ💦
♪死にたくない…は、演者さんによって、表現はいろいろだけど、"彼"の心が剥き出しになった見せ場であり、難しい場面…私は、山崎大輝くん"彼"のこのシーンがお気に入りです。

☆護送車の中

全てはレイの計画の中の出来事だと、聞かされた時の"彼"の心中…

レイに好意を持ってるタイプの"彼"なら、たぶん、裏切られたって😨気持ちが強いんじゃないかな…レイはいつでも自分の味方だと信じまくってたと思うから。

レイを便利な存在として扱っていた"彼"なら、俺としたことが、してやられたって😵っていう感じかな?常に、絶対、自分の方が上だと自信があったと思うから。

「君を認めよう」この言い方(…歌い方かな)と表情、見逃せないポイントね🧐

☆「何もかもお前が」

レイに「99年、離れない、離さない…」と言われて、気づく「まさかお前、お前が仕組んだ」「何もかもお前が…」ここ、"彼"は、どこからどこまで、レイが計画していたと思ってるんだろう?
倉庫に火をつけるところから、殺人計画まで?
何度見てもわからないポイント🤔
※レイについてまとめた記事に、この部分について、詳しく書いてます。

☆"彼"という役どころ…

ここまで、分析してみた結果、"彼"という役どころ、前半と後半では、だいぶ違う様子になるところが、見所の一つだと思っていて、演者さんによって、その温度差は様々🧐

一応、設定としては、19歳なわけで、超人だなんだって言うのも、若さゆえの危なっかしさで、IQは高いけど、親の愛情不足や社会性の無さで、情緒が不安定だっていう部分が見え隠れしてほしいなぁ…と、私的には思ってる。
年齢の高い演者さんの場合、落ち着きと貫禄があり過ぎて、未成年であることが見えづらい場合もあるのでね…😉
私的には、"彼"というお役、青臭さ、結構大事😌


つらつらと思いつくままに、書きましたが、皆さんにとっての"彼"は、どんな存在ですか?
そして、どなたの"彼"が、お気に入りですか?


別記事で、"レイ"についても、まとめてあります💁🏻‍♀️

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