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エピソード#26 1回1回のお手伝いが大切と感じた出会い

前日の夕方依頼で 通院対応させていただいた方がいました。
ご高齢の方で 徐々に食事も食べれなくなり、歩行も不安定になり、お布団で過ごすことも多くなり、今まで ご家族とタクシーで通院等に行っていたが、ご家族では難しい、でも 救急車を要請するほどではない。
病院で介護保険の申請などの相談もあるため、通院対応をお願いしたいという内容。

状況を伺い、リクライニング車椅子を用意し、お布団から布担架などを使って抱え上げてリクライニング車椅子へという想定で当日に訪問。

ご本人は 意識はあり、挨拶にも頷いて答えてくださり、協力動作もありました。 ただ、手が 冷たく、いつもより 血圧も低めと伺い、慎重に介助をしました。
お部屋から玄関までの導線は 広かったので、リクライニング車椅子を布団の側に置き、大きめのバスタオルをお借りし、ご本人の背中の下に敷き、伊豆おはなスタッフ2名とご家族で 抱え上げ、リクライニング車椅子に移乗しました。

外に出ると、ちょっと離れた草むらに タヌキのようなキツネのような猫が数匹、ジーっとこちらの様子を不思議そうに見ていました。
ご利用者様に「タヌキみたいな猫ちゃんがいますね~」と言うと 少し表情が和らぎました。

病院に向かうまでの道中も 窓から外を見ておられるようでした。
病院に到着し、ご家族様も付き添いされるので、ナースに少し状況を説明し、引き継ぎました。

入院になるかな~、、と予測し、連絡を待ちましたが、3時間過ぎても連絡なく、一度 病院に様子を伺いに行き、受付の方とやりとりをしていると、ご家族様が慌てた様子で 公衆電話のほうに向かう姿が見えました。
こちらから声をかけると、「今 電話するとこでした。たった今、息を引き取りました」、、。

『えっ?(゜ロ゜)』。

病院にいる間に 呼吸が少しずつ、弱まり、医師からも ご家族に説明があり、ご家族、医師、ナースに静かに看取られ、穏やかに永眠されたと聞きました。ご家族と 関わってくださったナースが私たちのことを「ずっと この病院に通院していたので、連れてきてくださってありがとうございました」と労ってくださいました。

あの猫ちゃんたちは ご利用者様が 可愛がっていた よく遊びに来ていた猫ちゃんたちだそうで、あの時は、見送りに来てくれていたのでしょうか、、。

苦しまず、皆さんに看取られて旅立たれたご利用者様。
病院に着いて ホッとしたのでしょうか。
私たちは その旅立たれる少し前に関わらせていただきました。
外に出て、お日様の光を浴びて眩しそうにされ、可愛がっていた猫ちゃんを見て微笑まれ、ずっと通院していた病院の医師やナース、そしてご家族に看取られ、旅立たれた。
いろんな思いがありますが、出会いを大切に これからもがんばります。


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