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♯06 モラハラ夫との関係にテコ入れ。不妊治療を8年でやめた「そねちゃん」の話

「妊活しているときに、身体を整えなきゃと思ってダンススタジオに通い始めたの。自分では前向きに楽しくやっているつもりだったんだよね。 でもある日、レッスン中に『ねえ、どうしたの? 大丈夫?』って仲間に声をかけられて。 自分で気づいていなかったんだけど、私、踊りながら泣いてたんだよね……」

話を聞くために入ったカラオケボックス。ドア越しに流れてくる流行りのアニソンをバックににこやかに話すそねちゃんの横顔を見つめながら、私は、泣きながら踊る彼女の姿を思い浮かべ、言葉を失っていた。

小柄で小声の“そねちゃん”

そねちゃんは高校時代からの友人で、私と同世代のアラフィフだ。今回、この妊活をテーマに取材するにあたり、「さき」と共に真っ先に思い浮かんだのが彼女だった。年賀状はやりとりしていたけれど、会うのは十数年ぶりだった。

『実はうちも長く不妊治療頑張っています。もう7年、そろそろ終わりかも。』

そねちゃんからの年賀状に書かれたその一言が、ずっと心に引っかかっていた。


「十数年ぶりの再会がカラオケボックスだなんて笑えるね。」取材に快諾してくれたそねちゃんとメッセージのやり取りをしつつ、当日を迎えた。

学生時代のそねちゃんの印象は、小柄でいつもニコニコしていて、小さめの声でかわいく話す女の子だった。当時もそねちゃんと話す時は、半歩近づいて聞き漏れないように注意していたことを思い出す。どちらかというと、大人しめで控えめなキャラだったそねちゃんだが、体育会系の部活に所属していて、結構ストイックに部活も頑張っていた。仲の良いグループが違ったので、実はそこまで深く彼女の事を知らないのだけど、なんというか、見た目の雰囲気に反して、掘り甲斐のありそうな面白そうな子だなぁと感じていた。

久しぶりに会う彼女は、学生の時の空気感と変わらず“控えめで真面目そうな奥さん”な雰囲気だった。年甲斐もなく、キャッキャッと手を合わせて再会の挨拶をし、ドリンクを持って部屋に入った。

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