イラストレーター・原あいみ

普段はイラストや漫画を描いています。 「不妊治療を産まずに終えた女性たち」をテーマに取…

イラストレーター・原あいみ

普段はイラストや漫画を描いています。 「不妊治療を産まずに終えた女性たち」をテーマに取材を行いお届けします。文章は素人ですが、苦しみ楽しみ書いていきます。音声配信も始めました。https://stand.fm/channels/651cb17b0bc9d6e1d62d5e69

最近の記事

♯09 モラハラ夫との関係にテコ入れ。不妊治療を8年でやめた「そねちゃん」の話

あの時耐えてよかったと 今は思ってる 泣き寝入りすることなく、周りの助けを使ってそねちゃんは、ストレスフルな生活にテコ入れをした。正直、初めて聞くケースだった。DVやモラハラを受けたという知人、友人は、自分の知る限りではほぼ全員が別れたり、離婚したりしている。驚いた。そんなそねちゃんは、こう言う。 「辛い思いもさせられたんだけど、救われたこともたくさんあるの。」 「私がバリバリ稼いでいた頃、持病が悪化して土日は寝てばかりって日々だった時にさ、『そんなに休みごとに寝てるだ

    • ♯08 モラハラ夫との関係にテコ入れ。不妊治療を8年でやめた「そねちゃん」の話

      モラハラ状態に気づけなかった 妊活の日々 そんな二人が、そろそろ子どもを……となったのは「家を買った」ことがきっかけだという。それまで住んでいた、賃貸マンションの更新料がもったいないねという事になり、中古マンションを購入し、フルリノベーションで理想のマイホームを手に入れたのだそう。これは、取材後の雑談で後から聞いたのだが、実はそねちゃんは若い頃から持病があり、そのために間取りなど、少し工夫が必要だった。それを叶えるためのリノベーションだった、ということだ。 「家を買ったら

      • ♯07 モラハラ夫との関係にテコ入れ。不妊治療を8年でやめた「そねちゃん」の話

        体外受精はシステム自体がおかしい! 「いつかの年賀状でも書いたけど、8年くらいやってやめたんだよね、うちは。 私は、体外受精で採卵したら結構卵はちゃんと採れる方で、受精も割とちゃんとする。でも、子宮に戻しても着床しなかったり、初期で流れちゃったりってその繰り返しだったの。当時、受精卵の染色体の状態をきちんと検査して、可能性が高いものだけを子宮に戻す(※)ってことをしている医院が神戸にしかなくて。それにチャレンジしたいとまで思ったのだけど、神戸に通うなんて、現実的に無理じゃな

        • ♯06 モラハラ夫との関係にテコ入れ。不妊治療を8年でやめた「そねちゃん」の話

          「妊活しているときに、身体を整えなきゃと思ってダンススタジオに通い始めたの。自分では前向きに楽しくやっているつもりだったんだよね。 でもある日、レッスン中に『ねえ、どうしたの? 大丈夫?』って仲間に声をかけられて。 自分で気づいていなかったんだけど、私、踊りながら泣いてたんだよね……」 話を聞くために入ったカラオケボックス。ドア越しに流れてくる流行りのアニソンをバックににこやかに話すそねちゃんの横顔を見つめながら、私は、泣きながら踊る彼女の姿を思い浮かべ、言葉を失っていた。

        ♯09 モラハラ夫との関係にテコ入れ。不妊治療を8年でやめた「そねちゃん」の話

          #05_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          私はふたりに謝りたい。 長い不妊治療から、トモキ君と家族になるまでの話を聞かせてもらい、 実は私は一つ、さきに謝りたいことがあった。 「私今日ね、なるほど!と腹に落ちたことがあるんだよね。」 「え?何??」さきが不思議そうな顔をした。 「さきが当時、不妊治療してた時にさ、白田さんが『体外受精』はいいけど『顕微授精』は嫌だって言ってるから、顕微はやらないっていうのを聞いて、なんでそんなことこだわってるの!?って、若干私、旦那さんにイラッとしたんだよね(笑)」 ああ、そ

          #05_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          #04_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          トモキには、本当のお母さんがいる という、真実告知。 トモキ君の実親は、何らかの事情で子どもを育てる事ができないと判断され、トモキ君は産まれてすぐに法的な機関(乳児院)に入った。その事情は個人情報であり、里親は知ることはできない。(知らない方がいいのかもしれない、とさきは言う。)でも、トモキ君には知る権利がある。知りたいと思う時が来たら、トモキ君だけは事実を聞く事ができ、実親に会いたいと申し出ることもできる。 「去年くらいに沖縄県で、実親が里親に対し、急に子どもを返して欲

          #04_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          #03_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          私42歳、夫52歳。 養子縁組は諦めた。 子どもを迎える方法は「特別養子縁組」と「里親制度」と二つある 「特別養子縁組」は民法に基づいて法的な親子関係を成立させる制度であり、養親が子の親権者となる。一方「里親制度」は、育てられない親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度で、里親と子どもに法的な親子関係はなく、親権者は実親のままである。また、里親には、里親手当てや養育費が自治体から支給される。 なぜ二人は「里親」を選んだのか、聞いてみた。 「養子縁組を希

          #03_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          #02_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          ある日、家の前に 赤ちゃんが捨ててあったらいいのに 「子ども自体はすごく欲しかったの?」 なぜそんなに苦労してまで子どもが欲しいのか。 自分自身にも問い続けた疑問を投げてみた。 「いや、子どもに対して正直そこまで興味はなかった。むしろちょっと怖いって思ってた。大人のように、空気を読むって感じがないでしょ、子どもって。公園とかでたまに子どもに触れることがあっても、怖くて。はっきり言って苦手。」 「わかる。私も同じ!」 「子どもと2人っきりにされたらさぁ、慣れてもないし

          #02_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          #01_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          私の緊張とは裏腹に、さきからはサクッとすぐに返事があった。  「私でよければいくらでも話します。ドラマティックでもないし、ウダウダした話な気もするので、とりあえず聞いてもらって採用するかどうか判断してもらえれば!」 よかった。早速翌月、2人で会う約束をした。 7月のとある水曜日、ランチ時間を避けての11時。 さきの住む街の最寄り駅で彼女を待った。 実は初めて降りた「赤羽駅」…が予想外に大きな駅で驚いた。埼玉県から、東京への入り口となるのが赤羽駅なのだが、勝手にもっと素

          #01_3歳の男の子を里子に迎えた、「さき」の話

          #0_赤富士を手に泣き崩れた友人への取材

          私が聴きたいこと。私だから聴けること。 漫画の仕事に行き詰まると、空気を変えるためによくこのカフェに来る。 今日はここで、とある講座の課題に取り組もうと思う。 開店と同時に入り、いつもの席を確保した。 オフィスビルと高層マンションとが混在する街にあるその店は、コンクリートむき出しのおしゃれな内装が心地よい。通りに面して開放的な窓があり、そこにカウンター席がある。(行き交う人を眺めながら漫画のネームを描くと、調子よく進むのだ!)平日のランチ時、店はあっという間に満席になった

          #0_赤富士を手に泣き崩れた友人への取材

          産まずに不妊治療を終えた女性に話を聴きたい。

          はじめまして。イラストレーターの原あいみと申します。 私は、3年半の不妊治療を経て、顕微受精で娘を授かりました。 タイミング指導、人工授精、体外受精・顕微授精と、 当時全ての方法を試して、 運良く、そう、本当に運良く、たまたま授かることができました。 私たち夫婦の不妊の原因は特に解らず。 夫も検査をしましたが、結構バリバリに合格点数でした。 ということは、私の方に原因があるのかなぁと……。 不妊治療を始めようと、最初に検査をした時点で、 私の「AMH値」がとても低く、 授か

          産まずに不妊治療を終えた女性に話を聴きたい。