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誰かと暮らすのは時間の使い方を決められないこと

3月の末から、ドイツでふたり暮らしを始めた。性被害にあったり、今までの恋愛も散々だったりした私が、まさか異国で恋愛をするとも、ふたり暮らしを始めるとも思わなかった。私が一番びっくりしていると思う。

正確には去年の夏頃からほぼずっと一緒にいたし、一時帰国をするのと重なり11月には家を引き払った。2月に戻ってきてからは恋人の家に身を寄せていたので、ふたりで暮らすということは、もう何か月か前から始まっている。

それでも、「仮住まいとして身を寄せている」のと「一緒に家賃を払って住んでいる」のとでは、私の心の持ちようはかなり違う。引っ越して1か月が経ったので、いまのところの気持ちを残しておこうと思う。


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恋人と私の時間のこと

私は100%家で仕事をするフリーランス。恋人は外で仕事をする半フリーランス(ドイツには半会社員半フリーランスのような制度があるそうです)。

お互いに「働く時間」のことは自由だけれど、「どれくらい働きたいか」「どれくらい家のことをやりたいか」で、時間をどう使うかに差が生まれるのだと感じる。

パートナーや子どもと暮らしている方たちって、なんてすごいのだろうと思う。私が社会人になって、「この疲労感で親は子育てしてたんか!?」と驚愕したときの感覚と似ている。

私の感覚からすると、日本人ってコミュニケーションの方法を知らなすぎると思っていて。コーチになろうと、コーチングを学んだ時にも驚愕した。

私たちって、こんなことも知らずに、コミュニケーションを試行錯誤していたのか。そりゃ、関係性も悪くなるわな。仕事もプライベートも。なんて、思っていた。方法を教えられる機会がないままに、それぞれが自分の解を見つけ出そうとしてたのすごいな、とすら思った。

それほどコミュニケーションの方法を持たないままで、体当たりで家事の分担や子育てなんかしてたら、そりゃ関係性は変わるし、こじれにこじれるだろうと、自分の親のことを想像したりもした。人が一緒に暮らすって難しすぎる。

でも、私たちカップルは、私の親と比べたら、もう少しコミュニケーションの取り方を知っていると思う。働き方も会社員じゃないから、比較的自由な時間が多いと思う。

でも、それでもだ。どっちがどれだけ家事をやって、あるいはスーパーでお金を使って、みたいなところが難しい。私が見えないところで、恋人はドイツ語が必要な何かをやってくれているのは頭ではわかるけれど、「家事は私がめちゃめちゃやってる!不公平!」みたいな感情が拭えない。

血の繋がった家族という単位で生きてきたのがほとんどだったから、元々は他人の誰かと一緒に住むことに、私はまだまだ経験値が足りないのだと思い知らされている。

▼私らしさのリスタートはここだったという記事を貼ってみる


恋人の家族と私のこと

今回の引っ越しでは、あえて恋人の家族の近くに引っ越した。この国では外国人の私と、この国に詳しくない恋人だから、恋人の家族にはこれからもたくさん頼るだろうと思ったし、私たちもたとえば物理的な何かで彼らを手伝うことがあるだろうと思ったからだ。

そんなわけで、車に乗って、恋人のお母さんがうちによく来てくれる。手伝いに来てくれるのだけど、たまに私はこんな風に思ってしまう。

ああ、この時間、仕事をしたかったんだけどな……。私の仕事は顔を合わせてするものだから、確かにそれ以外の時間は「仕事」と言いづらいのだけど、でもいまは作業とかやらないといけない時期なんだけどな……と。

彼女は私たちを助けようと思って来てくれるから、それがどうしても言いづらい。ドイツの人たちには、日本の場合よりは正直に伝えていいことはわかっているけれど、どうも私は急に京都で使うかのような建前で(もちろん私は京都人ではない)(住んだことはあるけれど)、周りくどく伝えてしまう。

そんなわけで、このあたりのこともまだまだ経験値が足りない。誰かと暮らし始めるとはこういうことか、弟の「恋人」が「妻」になり、うちの実家の近くに引っ越してきた時はこういう気持ちだったのだろうな……と、勝手に想像している。


誰かと暮らすと時間の使い方を決められない

今年33歳になる私。33年生きてきて、ついにこの現実に出会っている。

誰かと暮らすと、時間の使い方を決められない。これまでにも誰かと暮らしたり、暮らすではなくとも交際のなかでこんな現実はあったりしたけれど、ここまでしっかり根を下ろして体験するのは初めてのことだ。

この時間、家にいたら仕事したなぁとか、この時間、1人で住んでたら不要な家事の時間だなぁとか、正直思わないわけではない。でも、誰かと暮らすとこんなに豊かなんだと思うこともある。

ひとりだと、何も起きなくてプラスでもマイナスでもなかった時間が、誰かと一緒にいることで、ぐーんと嬉しい時間になったり、ズーンと悲しい時間になったりする。いまの私はこの体験をしたいみたいだから、しばらくはこの生活を続けることにしている。

時間の使い方で葛藤はあるけれど、それもいまの私が体験することのひとつなのだろう。さっと書いて終わるはずだった今日のnoteも、気づけば2000文字を超えていました。読んでくださってありがとうございます。

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