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Photo by
kajino
祈り〜Prayer X
眩しそうな寝顔
目の前にはいない「誰か」の姿が過ぎって、思い出そうとしても誰かわからず、なぜか胸が苦しくなる。
メガネをかけた少年が髪をかきあげる姿
その冷たい目を見て、同じ感情が湧き上がり、「誰か」を思い出した。
中学生の時、何度も何度も読み返した。この世界で生きることと、誰かを信じることを学んだ、Banana Fish 、アッシュ・リンクスだ。
もう十分大人になって、アニメ版を見た。原作を読んでいた頃の、生きることへの畏れと憧れは薄らいで、少しは世界を知った気になっていたけど、この曲を聴いて、ノイズと共にその確信が揺らいだ。
あの二人が出会えた奇跡と、築いた関係と、世界の残酷さと、幸せと儚さ。
祈りとは、くだらない願望をなすりつけることではなく、ただ誰かを痛いくらいまっすぐに思うこと。