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2025年によせて

昨年は、1月に能登半島地震があり、落ち着かないザワザワした感覚のまま、2月に父が他界した。3月には、母も持病の手術を受け、東京にいる弟ともよく会い、これまでになく、自分の家族のことに出会い直す1年だった。
2024年は、「ケア」についてより考えたい、と思っていたが、私の母が、父の「ケア」に関わって人生の大半を過ごしてきたことを思うと、改めて気が遠くなるほどだった。病気の期間はともかく、互いに元気である時期も、母は妻として、常に「ケア」する立ち位置だったように思う。ただ、苦痛ばかりではなく、むしろ望んでそれを行い、自らのアイデンティティを形成していたところもある。これは、母に限らず、この年代(それまでの)の女性には多く見られる生き方とさえされている。この「ケア」にまつわる云々は、2025年も、カフェで探っていきたいことの1つだ。
さて…

からだのアトリエ バオバヴ活動の2024年

●バオバヴカフェ(療育にまつわる「からだ」へのまなざしを、言葉で探るオンラインカフェ 1回/月)

⚪︎美術手帖「ケアの思想とアート」
⚪︎「子ども虐待という第四の発達障害」杉山登志郎著(学研 2007)
⚪︎「愛の労働あるいは依存とケアの正義論」エヴァ、フェダー、キティ著 
 岡野八千代、牟田和恵訳(白澤社)
⚪︎「発達障害の子どもの「できる」を増やす 提案・交渉型アプローチ 叱らないけど譲らない支援」武田鉄郎著(Gakken)
⚪︎「ニューロマイノリティ」青山誠、横道誠、編著(北大路書房)
⚪︎「「ふつう」という檻」信濃毎日新聞社編集局 著 (岩波書店)

今年、カフェで扱った書籍たち。
長期に渡って読んだものもあれば、1回のみのものもある。このラインナップで、昨年のカフェのベクトルが見えてくる。現在も継続中の「ニューロマイノリティ」は、あと1章、2025年も皆と共に読み進めていく。
定期的に参加くださっている皆様はもちろん、その時々で参加してくださった皆様、改めて、ありがとうございました。今年もぜひ、ふらっとでも、ご参加いただければ幸いです。

●のびのびば(親子でからだを動かす時間→1回/月)
シェルボーンムーブメントという療育ムーブメントを軸に、毎月活動を行っているが、ここにきて、卒業生が生まれそうな状況だ。
来年の4月から、
⚪︎子ども主体で、親は必ずしも参加しなくてもよいとすること⚪︎
というスタンスで活動していくことを予定している。
小集団のムーブメントワーク。なかなか療育としては貴重な環境だと思うが、丁寧に、メンバーを整えていきたいと思う。

●のびのびばplus(療育ムーブメントを入口に、からだを動かす時間 1回/月)
実験的に、バオバヴカフェの実践版としてスタートしたが、回を重ねる中で、療育ムーブメントを切り口に「社会問題や社会課題?」的な領域に着地することが多くなり、個人的にはかなりスリリングな時間となっていっている。固定メンバーに加えて、学者など、専門家が時々参加してくださっていることも大きい。
2025年からは、発達障害当事者の書物を、「感覚」を入口に読み進める時間として、ますます予測不可能な時間を予定している。

以上、3本柱の活動とは別に、2023年から福祉の専門家と勉強会として続けていたことを、2024年末より「福祉と表現とコーヒー(仮題)」と称して、某カフェにて場として開きはじめることとした。
2025年は、この「バオバヴ」活動とこの場との結び目を、皆様の前に何だかの形で差しだしていきたいし、合わせてカフェやのびのびばplusで育んできたことを、規模を拡大して外部に仕掛けていきたいと考えている。「きょうかしょのきょうかしょ」(2021年実施:baobab-karada.com参照)という子ども対象のワークショップ企画から、コロナのこともあり4年。今は、子ども以上に、その周辺の大人たちの「からだ」が気になっている次第だ。

2025年も、「からだのアトリエ バオバヴ」を、どうぞ宜しくお願いします。




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