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The Cosmic Bums 第1話

~あらすじ~
地球から約137光年先にモシーズ星という惑星が存在した。モシーズ星は、技術発展が進んでおり、1960年代アメリカと1980年代日本のような雰囲気。星の統治者から、数人だけに「星の寿命は残り50年」という発表がなされる。この星で何不自由なく過ごす農家のフラーだったが、その発表を聞かされると同時に、宇宙船造船・惑星探索の一員に抜擢される。個性豊かな仲間と共に、宇宙船を造船し、移住可能な惑星を探す旅を始める。 宇宙冒険ロマンと他の惑星での未知との遭遇の物語である。

231文字

補足説明
~世界観・テーマ・メッセージ~
モシーズ星のmosisとは今の地球を覆いつくす、○○主義を表すismの語源のギリシャ語のismósをもじったものである。この星では明確な主客が存在し、君主制を採用する西洋思想のような星。二元論を好む。
この星は技術的な発展もしており、神のような存在もいる。住人は、何不自由なく満たされた社会に生きており、深く絶望したことがないがどこか世界に冷めていて、この先に根拠のない外的な希望を信じて生きている。深く考えることもなく、この現状が一生続くものとして生活している。
そんな中、星の寿命を知った人たちは、宇宙船造船と移住先調査の役割を与えられる。星の外に飛び出すことで、何を見るのか、何も見ることは無いのか。新しい価値観を得ることで、絶望するのか、希望を持つのか、残りわずかな時間に対し、あなたはどのような選択肢を取るのか。
登場人物は1945年~1960年代のヒッピー文化のもとになったビートニクスを中心とした、新しい価値観を創造した人たちをモデルとしている。
全10話程度予定。
イメージ曲:No Suprises / Radiohead

465文字


第1話 no name planet 

この星では、不老不死の10人が生活している。全員は平均すると同じ能力値だが、それぞれが星にとって違う役割を持っている。

10人は好きな時間に起き、好きな時間に寝て、好きな時間に働き、好きな時間に好きなものを食べて暮らしていた。

この10人には、自分という認識もなく他人という認識もない。また、この星に住んでいるという認識もない。

この星ではしばしば災害が起こる。

災害の被害により、一人一人大変ではあるが、深く考えることもなく生活していた。

🔥ある時、10人の内5人が大怪我を負うほどの災害が起こった🔥

5人は大怪我を負い、死ぬことはないが治癒のために動くことができない。

5人が役割を果たせないことにより、だんだんと星は活力を失っていった。

10人は今まで、各々好き勝手に動いていても生活ができていたが、実はそれぞれがこの星には必要で、絶妙な均衡の上で成り立っていることに気が付いた。

自分と他人という認識がここに生まれた。

残り5人は生活に苦しんだ。徐々に星の均衡が保つことが難しくなっている。

ある無傷の1人が偶然大怪我を負ったやつを見つけ、心配し手を握った。

その瞬間に不思議なことが起こった。
手を握ることで、相手の過去の記憶が体に流れ込んできた。

その1人は残りの大怪我を負った4人を探し出し、記憶を探った。

得た記憶から、日々行っていた仕事を不格好ではあるがマネをし、星の絶妙な均衡を取り戻そうとした。

その1人は残りの怪我を負っていない4人とも手を握り情報を伝えた。
コミュニケーション手段が生まれた。

⌚100年経った

この星の住人は、以前の10人ではなく、大怪我を負っている5人と無傷の5人に分かれた。
大怪我を負った5人はまだ動くことができない。

無傷の5人は、5人だけでも不格好ではあるが絶妙な均衡を保てるような知を共有しあった。

🔥そして、また災害が起こった🔥

今回は5人のうち、2人が多少は動けるが50年治癒にかかる怪我を負い、3人が怪我を負わなかった。

怪我をした2人と、無傷の3人で、絶妙な均衡を取り戻そうとした。

⌚50年経った

少し動ける2人は治癒した。動ける5人で絶妙な均衡を取り戻そうとした。

⌚100年経った

この星の住人は、大怪我を負った5人と、怪我を負った2人、無傷の3人とに分かれた。

星の絶妙な均衡を保つために必要な仕事が明確になった。自分も他人の仕事ができるようになり、他人も自分の仕事ができるようになった。

自分と他人の区別が曖昧になっていった。

🔥また、大きな災害が起こった🔥

今回は7人が大怪我を負い、3人が怪我を負わなかった。

3人は偶然にも、無傷の3人であったため、この星の絶妙な均衡についての知を蓄積していた。

3人は自分の欲求的な行動はやめて、絶妙な均衡の維持に注力した。

たった3人だけでも効率よくこの星を維持できるようになった。

自分も他人の仕事がより効率的にできるようになり、他人も自分の仕事がより効率的にできるようになった。

自分と他人の認識がより曖昧になっていった。

そして、災害を起こさない方法はないのか、災害から逃れる方法はないのかを知るため、この星についての認識が生まれた。

⌚100年経った

大怪我を負った5人と、大怪我と怪我を負った2人、無傷の3人とに分かれた。

無傷の3人が星の維持についての知を、残りの7人に分け隔てなく共有した。

自分と他人という区別が無くなっていった。

🔥また災害が起こった🔥

今回の災害では偶然にも怪我を負う人はいなかった。
災害を起こさない方法はないのかを調べた。10人は星についてより深く知を蓄えた。

🔥またしても災害が起こった🔥

今回の災害では星についての知識を蓄えていたため多少の怪我は負ったものの、動けなくなるような怪我を負う人はいなかった。

災害を起こさない方法はないのかを調べた。自然についてより深く知を蓄えた。10人は災害を事前に予測できるようになった。

🔥今までの中で一番大きな災害が起こった🔥

今回の災害では事前の予測可能だったことにより、怪我を負う人はいなかった。

星について詳しくなっていく間に、災害も絶妙な均衡を保つために必要な星の仕事であることを知った。

10人は災害を止めることはなくなった。
10人は悪意のない無垢な星を受け入れた。

自分と他人と星という区別がなくなった。

🔥災害が起こった🔥
今回の災害で怪我を負う人はいなかった。

🔥災害が起こった🔥
今回の災害で怪我を負う人はいなかった。

🔥災害が起こった🔥
今回の災害で怪我を負う人はいなかった。








この不老不死の10人は、
無垢な星に住む、自他の区別のない災害により怪我を負わない不老不死の無垢な10人となったのだった。


ある時、そんな無垢な星へ、不格好な宇宙船が飛来する。


第2話 Planet with God

第3話 Space Race

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