The Cosmic Bums 第7話

第7話  Straight, No Chaser-2 トムの語る歴史の真実②

~モシーズ星の回想~ トム視点 続き
🔥また災害が起こった🔥
今回の災害ではたまたま怪我を負う人はいなかった。

違和感を覚えた3人は今までやったことがないことをやり始めた。
1人は他者と比べて小さい体であり災害に対して他のものよりも恐怖心が強かった。災害にも負けない、他の者よりも大きく硬い体になることを目指した。
1人は自分の存在意義に絶望し自傷することに走った。精神異常をきたし、この星を放浪した。
1人は自分と仕事に強烈に固執し、自分が得た知を他者との共有は行わず、自分と仕事と世界の知のみを閉鎖的に探究した。

⌚100年経った

300年治癒にかかる大怪我を負った5人と、100年の治癒にかかる大怪我と怪我を負った2人、体を大きく硬くすることが生きがいの1人、精神異常をきたし自傷的な1人、ぶつぶつ話す陰気な1人に分かれた。
5人知の共有がなされなかったことにより災害が起こる前と同じような生活をしていた。2人は星の均衡のために働いた。

その時、体を大きくすることが生きがいの1人は感動を覚えた。
「私が体を大きくすることで、今回の災害で誰一人も被害を負うことはなかったのではないか?」
「私の体が大きく成れば、いづれ災害をも起こさないようにできるのではないか?止めることができるのではないか?」

🔥またしても災害が起こった🔥
今回の災害でもたまたま怪我を負う人はいなかった。

体を大きくすることが生きがいの1人は確信した。
「私が災害を止めるために選ばれた者だ。」
「私には名前が必要だ。」
「災害を止める鋼の肉体を持つもの、Man of steel(マンオブスティール)と名乗ろう。」
MoS「この星のすべてのものに被害を与える災害は悪であり、私がその災害を止める私こそ善なるものである。」
MoSは残りの7人には半信半疑だが支持を得た。
MoSは災害からみんなを守るという役割の元、他のものとは別の存在であることを強調した。

🔥今までの中で一番大きな災害が起こった🔥
今回の災害で怪我を負う人MoS以外はいなかった。MoSにより災害の被害も半分に食い止められた。
MoSは体を大きく硬く鍛え上げていたために、被害を受けたが、通常では50年完治にかかる怪我も数年で完治した。
これが奇跡だとされ、さらに7人から熱狂的な支持を得た。

この星に支配と保護の関係が生まれた。
MoSはこの星に3人いれば、絶妙な均衡を保てることを知っていたために、2人にカル、エルという名前を付け側に置いた。

残りの5人には災害から保護するという役割のもと仕事を与えた。
そこで自分自身のことを名乗るように求めた。
それぞれ、フラー、バッキー、キタロ、ケン、ブランドと名乗った。
それぞれが自我を持ちだしたころ、カルとエルによって、この星に住む様々な動物が、意志を持ち、コミュニケーションをとれるように改造された。Mosの支持に従うようなものを増やしていった。
災害を1度も受けていない2人はMoSによって、精神異常者で所在不明のファントムと無害なグリーンウッドと名付けられた。

🔥災害が起こったがMoSがすぐ食い止めた🔥
今回の災害で怪我を負う人はいなかった。
5人はさらに熱狂した。MoSは神のような存在であり、我々を災害から守ってくれているものなのだと。
MoSは災害からみんなを守るために都市を形成することを目指した。
MoSは5人から集められる食料や貢物で生活をする日々が続いていた。

こうして不老不死の10人は、マンオブスティールと取り巻き2人のカルとエル(政府・インフラ)、トム(精神異常者・放浪者)、グリーンウッド(閉鎖的で陰気な男・博識)、フラー、バッキー、キタロ、ブランド、ケンになった。

精神異常者は、世界を放浪していたために些細な星の変化に気が付いた。
MoSが災害を止めることは、星の代謝的な仕事を辞めさせる行為であり、災害は星にとって必要なものだと気が付いた。

精神異常者がMoSに会いに行き災害の必要性について説いた。
自意識の肥大化したMoSはこの星の救世主であり、精神異常者の話は正義の暴力とともに一蹴された。
精神異常者はファントム(亡霊)と名付けられ、この星のものは彼との話をすることを禁じられた。

🔥災害が起こる前に止めた🔥
今回の災害で怪我を負う人はいなかった。さらなる熱狂を生んだ。
MoSは更なる都市の発展を目指した。
5人も自分の生活が豊かになるために働いた。
5人にそれぞれ競争を行わせた。競争により都市は加速度的に発展していった。

建築はこの星の循環を滞らせる行為であり、星の寿命を短くすることに拍車をかけていった。

🔥災害を止めた🔥
今回の災害で怪我を負う人はいなかった。さらなる熱狂を生んだ。もう誰も、精神異常者と閉鎖的な陰気な者を除き、MoSのことを疑う者はいなくなった。

星の寿命はより短くなっていった。
インフラの役割を担うカルとエルは星の異変にようやく気付いた。
しかし、MoSは精神異常者の意見を正しいと認めなかった。
ただ、仮に精神異常者の意見が本当だった時のために動き出した。

MoSは考えた。
「3人いればこの星の生態系を保つことができる。
つまり3人しかこの星にはいらないのだ。
この星が死に行く星という噓を住人に話をしよう。
奴らは不老不死で死ぬことはないのだから、宇宙船を作らせこの星から追い出してしまえば、永遠に俺はこの星で生きることができるのではないか?」

MoSは、宇宙船開発を進めていった。
2話の後半の時間軸へ戻る。

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