食べたいご飯がわからない。
飽食の時代。
安価で食べたいものが、いつでもどこにいようと調達可能である現代において、三大欲求である空腹から生まれる食欲の上位である、食べたいものを決めて食べるという欲求が安易に満たされるようになった。
そんな時代の中、私は今空腹であるが、食べたいご飯が思い浮かばない。
なにを食べたいのか、わからない。
自分の体が今何を欲しているのか、わからない。
何が足りていないか、わからない。
何が満たされていないか、わからない。
なあなあと常に満たされていて本当に空腹か、わからない。
飢えがわからない。
食べないとどうなるか、わからない。
食べてもどうなったか、わからない。
頭ではわかっているつもりでも、体ではわからない。
直観力と創造力の欠如を感じる。
今日も、こういう味付けのこんな料理を食べたいではなく、棚に並べられた食材の中で自分で選んだつもりの選ばされたものを食べる。