その言葉。
自分には不似合いの言葉を、君はずっと見つめて普通の様に繰り返す。嬉し恥ずかしで曖昧な表情で私は「え?ありがとう」と。
この言葉は何回目だろうかと話しながら、暖かい今の時間を噛み締め始める。
君の目が幸せそうだ。私もきっとそんな色しているのでしょう?
嘘が飛び交う世界で、いつもの仲良しグループにその言葉は飛び交う。
言われては、彼女は絶対そう思ってないと思い、言っては、これは本心で言っているのかと
自分を疑う。
でも、あの日、君の言葉だけが生まれて初めて言われたように嬉しさがあった。ドキッとした。
薔薇色になった。とでも言うのかな笑
ガラッと変わった景色に追いつけない私。
けして今までがグレーだった訳ではないけれど、薄い世界が色濃く浮き上がっのがハッキリとわかった。
もう何十回と言ってくれているけれど、
まだ慣れないのは何故だろうね。
君はまたずっと私を見つめた。
「かわいい」