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7:25発 京王井の頭線 各駅停車

スタートアップなのに(だから?)社員のリモートを原則禁止している会社に勤めている。

始業時間は9:00だが、わたしは会社が目を覚ます前に、頭を整理したり、仕事を確認したり、コーヒーを飲んだりしたいタイプなので、8:00前後にはオフィスに着くようにしている。仕事人生でいちばんはやい出社時間である。

すると乗ることになるのが、朝7時台の井の頭線。

井の頭線に住むのは通算5年目?だけれど、いままで出会ってきたのとはまた、異なるタイプの人種がたくさんいて、おもしろい。


目の前に立っているのはおそらくOLなお姉さん。30手前、同い年くらいかな。首のつまった、コットンニットのオフホワイトのタンクトップに、紺地にあわい白ときいろの小花柄がちったフレアなミモレ丈のスカート。4センチくらいのヒールの白いサンダルに、A4が入るサイズのベージュのトート、すこしかさついたセミロングの髪。熱心にiPhoneでSNSを見ている模様。彼女のベージュのバッグからのぞく黄色い箱。アメスピ。ギャップに呆然とし、しびれ、しばらくそのエスニックなイエローから、目が離せなくなる。

左斜め後ろに乗ってきたのは、50代くらいの男性。軽めの紺地に白いピンストライプのスリーピース、茶色い革靴。髪はきっちり7:3にしたのが、ほどよくほつれている。耳にはイヤーポッズ、そして日によく焼けた肌。カバンはなく、リモワの1泊用のスーツケースを左手に、右手にはルイ・ヴィトンのケースのiPhone。シンプルな装いに唯一の装飾が、リモワにつるさげられたプリキュアのキーホルダー。アニメに疎いわたしでもこれは知ってるぞ。お子さまがやったのかしら、それともご自身がお好きなのかしら。光を反射するプラスチックのピンクの髪に、めがちらちらとする。

そして最後に車内アナウンス。淀みなく流れるような日本語での案内に続き、とても流暢な英語でも説明。終わりに、今日が良い日になりますようにとのひとこと。すてきな思いやりのひとこと、なんてすばらしい。はじめに耳を疑った自分、なんてかわいくない。


今週もみなさま、お疲れ様でした。

ほめられてのびるタイプです