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Bリーグ(2022-2023)開幕直前の自分的な展望(その5。西地区の展望)。
西地区の展望、プロローグ
では、地区別の展望の3回目、「西地区」です。
「4強(琉球、島根、広島、名古屋D)による激戦」になる、これが自分の読みです。西地区が2つ共に「ワイルドカード」の枠を持っていく、そうなる可能性は充分にあると自分は思ってます。
鍵を握るのは「広島」。自分は「躍進の素地はある」と読んでますけど、全24球団の中で「最も振れ幅が大きそう」と読むのも、実は「広島」です。
「滋賀」は面白い存在ですけど、「勝率5割ライン」にいけるかは微妙かなと。「大阪」は個人能力はそれなりにありますけど、「新スタイルへの対応」に苦戦しそうな感じがあります。流れ次第では「勝率3割ほど」に陥るリスクもあるかもと。
「京都」「FE名古屋」は、「残留争いを覚悟」のイメージです。ただ、同じ残留争いでも、中地区の新潟、富山ほどの悲観的な感じまではいかないイメージかなです。
【2022-2023開幕版、自分(愛球人)の展望、西地区編の概要。】
島根(現スタイルの2年目。完成度が高まればCS決勝は現実的)
広島(的確な補強で飛躍に期待大。一方で失速リスクも)
琉球(「EASLとの両立」と「並里の穴」をどう考えるか)
名古屋D(分厚い選手層だが爆発力にやや不安感が)
滋賀(面白い存在だが、「昨季のある球団」とのデジャブ感も…)
大阪(「ダイナミックな体制の変化」1年目。空中分解リスクも)
京都(「土台づくり」の年。「わくわく感」の一方で精神的支柱は?)
FE名古屋(「継続路線」による組織力が、どれほど通用するか)
明確な順位予想はしませんけど、上から「およその評価順」に綴らせて頂いてます、勿論自分の主観です。
「島根」「広島」「琉球」「名古屋D」は、「高いレベル(低く見積もっても勝率6割台以上)で4球団の激しい接戦」と解釈してます。裏を返せば、「4強」と「それ以外」で大きな差がある、とも解釈です。
では、各チームごとに綴らせて頂きます。
島根(現スタイルの2年目。完成度が高まればCS決勝は現実的)
【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
◎「バズソー」という「志向するスタイルの明確性」
(その衝撃は昨季の日本バスケ界の「最大のトピックの一つ」に)
◎「安藤」という絶対軸。昨季は「MVP級の活躍」
(A東京最終年の一昨季からのV字回復どころか「キャリアハイ」に)
◎3人の外国人の質の高さ。全員が「トップレベル」
(特にN・ケイはスタッツ以上に「これが世界だ!」を示した衝撃に)
◎的確な補強。特に津山は有能な「第2PG」「6thマン」に
(昨季の島根の「最大の弱点」を補填。昨季の津山は守備力も向上)
△よくも悪くも「安藤ありき」。昨季は安藤不在時のパフォが大きく低下
△正SGにやや不安感が。特に阿部の成長は大きな鍵になる感が
(比江島、馬場、田中大と、今オフの補強の噂はことごとく正SG候補)
△格下相手にはタイムシェアを。昨季は主力の消耗が指摘され続けた
(昨季は試合によっては「6~7人ローテ」の試合も。安藤は「平均32分程度」の出場であったが、これは他球団のPGに比してだと「4~8分程度」長い時間である)
「西地区のRS1位争い」、というか「4強」をどう評価するか。
「ほとんど全く差はない」「高いレベルでの激戦になる」。
でもそれでいて「4強のいずれにも不安要素がある」。
ですけど、そういったことを踏まえての自分の「現時点での解釈」。
それが「ハナ差くらいだけど、島根がRSの西地区1位」です。
感覚的には、「2008年11月2日、天皇賞秋」の「ウオッカvsダイワスカーレット」、これに相通ずる感じです、それほどに「4強」の差はほとんどないと。
では、島根を1位と推す理由。それは「志向するスタイルの明確性、及び昨季に出た課題を補うことはできるのでは」という判断からです。
シンプルに、昨季のスタイル「バズソー」は「観ていて楽しい、『わくわく感』の塊」。かつてのサンズ(というかマイク・ダントーニ)の「ラン&ガン」のアレンジ型という感じで。
「速いバスケ」「トランジションのバスケ」は日本人選手の特性にドンピシャですし、「攻撃は最大の防御」という姿勢もとても共感できる感じでと。
「安藤誓の躍動」。これは昨季のBリーグの大きなトピックといってよいでしょう。
キャリアワーストに近かった一昨季(A東京での最終年)からの「V字回復」「完全復活」どころか、一気に「キャリアハイ」。自分の中では、MVPは「安藤誓」です、何故って島根を一気にCSに導く原動力になったから。
「3人の外国人」の質の高さも、大きな魅力です。外国人選手の質でいえば「B1の24球団でも、恐らくno.1」でしょう。
「オールラウンダー」の座をマブンガから奪取した感のある、「ビュフォード」。
「圧倒的なバスケIQ」「フォアザチーム」でありつつ、「スコアリングの鬼」の顔をも持ち、「これが世界だ!」を示した「N・ケイ」。
ビッグマンらしくない圧倒的なシュートレンジとスピードを持つ「トラビス」。
「安藤誓-白濱(阿部)-ビュフォード-谷口-N・ケイ」。
これが予想の「基本スタメン」です。恐らく開幕の正SGは白濱と予想しますけど、ここに最終的には阿部が収まって欲しいと自分は思ってます。
というのも、昨季の前半~中盤の阿部は、持ち味の守備面に加えて、攻撃面でも3P精度を向上させてました。ただ終盤はやや失速感の感じで、それに呼応かのように出場時間も減少傾向になってしまった。
これから「島根の象徴」になって欲しいのは、自分は「阿部」であると思ってます。「質の高い生え抜き」がいれば、それが「魅力的なチーム」になる原動力になる(尤もこれは「名誉生え抜き」でもよいと思ってますが)。
昨季の島根の弱点として、「第2PG」「正SG」「第4のビッグマン」の3つが指摘され続けてました。「第2PG」は津山、「第4のビッグマン」は谷口とそれぞれ補強が為されましたけど、「正SG」の補強はできずじまい。
ただ、コアメンバーの攻撃面の質は昨季で既に証明済みな訳で、守備面で質が高い阿部が「3&D」に昇華できた上で正SGに座れば、全体のバランスがよくなって、おのずと「CSファイナル進出」「優勝」に近付き得る、と思ってます。
それと、「安藤誓(及びビュフォード)への依存度の軽減」。実は昨季は、RS終盤にやや「個人技頼み」がちらりと顔を出す感じがありましたけど、特に「CS準決勝の琉球戦」。
それまでは「組織的なバズソー」を遂行できていたのが、この琉球戦(特に第2戦)では安藤誓が無力化されたこともあり、「ビュフォード個人軍」と化してしまいました(恐らく琉球の守備システムによりそうなってしまったと思われます、いわゆる「罠にはまった」)。
その意味で、「陰のキーマン」と自分が考えてるのが、「第2PG」と構想されているであろう、津山です。もともと潜在能力が高く、当たり出したら止まらない爆発力が魅力の「攻撃型コンボガード」です。昨季は三遠でしたけど(個人的には昨季はもっと出場機会があって欲しかったと思ってる。昨季の三遠の苦戦は「津山をうまく活用できなかった」自爆的な部分も否めなかったと自分は解釈してます)、守備面を向上させていました。それをも含めて、安藤誓の負担を軽減させることができることは勿論、(プレースタイル的には)安藤誓との同時起用もできますので、とても期待しています。
それと余談ですけど、島根の魅力の一つに「アクアマジック」(チアリーダー)があると思ってます。
Bリーグのチアリーダーって、いかにも「きれいな人間による美の職人」の傾向が正直強いと感じてますけど、島根のチアって、いい意味で「ファン代表」なんですよね。それでいて「チームと共に成長し続ける」感じが伝わる、だから心を揺さぶられる感じで。
実は、昨季の「要注目球団」は「島根、広島」でした。これは今季もそうですけど(この2球団に加えて「横浜BC」もですかね)、昨季よりもスケールアップした姿をとても楽しみにしてます、の感じです。
広島(的確な補強で飛躍に期待大。一方で失速リスクも)
【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
◎「激しい守備からのトランジションバスケ」という「志向するスタイルの明確性」
(昨季はやや曖昧になってたけど、PSMを見る限り精度が高まりそう)
◎的確な補強。特に「ブラックシアー」「エバンス」はチーム力の大きな向上に寄与できそう
◎各ポジションに充実の選手層。「堅守のカルチャー」の構築が伝わり、大崩れしなさそうなのもプラス
◎外国人に加えて、寺嶋・辻という絶対軸の存在。PSMを見る限り、船生も今季は大きな向上が見込めそう
△一部の外国人(ブラックシアー、エバンス)次第な感が。また、ブラックシアーの守備面が未知数なのもやや不安感が
△バルタザール(アジア枠)、マーフィーの成長。この2人はまだ「粗削り」な感が。成長が乏しいと「アキレス腱」と化すリスクが
「『CSファイナル進出』は現実的な立ち位置にいると思う。しかし一方で『失速してワイルドカードからも外れる』リスクも。いわば『B1の24球団で、最も振り幅が大きいと思われる球団、それが広島。」
正直自分は、今季の広島はとても大きく期待しています。「西地区のRS1位通過になっても、全く驚かない」と。ですけど一方で、昨季の失速を目の当たりにしてるだけに、「失速リスクはゼロではないよなあ…」とも。
失速リスクといっても、それでも「勝率6割ライン」は超えてくるのではと読んでいます。ですけど例えば、「千葉J、秋田、西地区3位とのワイルドカード争い」でこぼれるリスクもあり得る、というニュアンスです。
昨季から、広島は自分の中ではとても高い好感度を持っています。
その大きな理由は、「志向するバスケスタイルの明確性」もですけど、特に「岡崎修司GMが、『自分の言葉』で明確なビジョンを述べていること」です。
明確な「ビジョン」がある。ある種の「伸びしろ」がある。
ファンの熱量も、着実に向上してきている。今季はスタッフ、特にマネージャーの増員に着手したことも大きなプラスです。
個人的には、島根と同じほどに、チアリーダー(広島だと「FLYGIRLS」)に強い熱量を持って発信して頂けると、もっと強くなれる、もっと魅力的な球団になれる、と思ってます。
そのような感じですけど、今季の広島のキーマンは「ブラックシアー」です。
これについては、獲得濃厚になったときのnote記事を、まずリンク添付させて頂きます。
「『選手としてのタイプ』は、『より得点効率が高く、よりTOVが少ない、いわば【ハーパー(京都)の強化版】』」
「『攻撃スキル』は、恐らく『Bリーグのビッグマンでno.1』で、いわば『Bリーグ版のKAT』になり得る、すさまじいスタッツを残す可能性も」
「圧倒的な攻撃スキルが故に『ブラックシアー個人軍』になるリスクも。また守備面は未知数であり、プロとしては『正センター』の経験がないことも不安要素である」
「6月13日」での、自分のnote記事。趣旨として、このようなことを綴らせて頂きました。
で、9月4日のA東京とのPSM。大まかには「自分の見立て通り」でしたけど、「攻撃面は異次元」というのは、自分の「見立て以上」の感じです。これを止められ得るビッグマンは、「ニック・ケイ(島根)」くらいしか現時点では想像できない、それほどに圧倒的です。
はっきり述べれば、「ブラックシアーが健康体」であれば、それだけで大きな勝利数の上積みが望める。そう表現しても過言ではないかなと。
とはいえ、不安要素もあります。それが「守備面」です。
ジョシュ・スコット(宇都宮)
ジャック・クーリー(琉球)
ニック・ケイ(島根)
セバスチャン・サイズ(A東京)
スコット・エサトン(名古屋D)
現実論として、「Bリーグで優勝を叶えるには」の意味では、いま挙げた「5人のビッグマン」という存在を避けては通れません。で、いま挙げた5人に共通しているのは「その真価は守備面でこそより発揮される」ことです。
Bリーグのトップレベルのビッグマンでだと唯一、「ニック・ファジーカス(川崎)」が「攻撃型ビッグマン」として挙げられます、ブラックシアーはこのファジーカスに近いといえるかもです。ですけどこのファジーカス、RSではその「異次元ぶり」を発揮し続けてますけど、CSでは逆に「諸刃の剣」と化してしまうことがあります。
幸い、ブラックシアーの場合はファジーカスとは異なり、スピード・クイックネスをむしろ持ち味としているので、その意味で「諸刃の剣」とまではいえないかなです。ですけど、少なくとも欧州(イスラエル・トルコ)時代の成績では、「リムプロテクター」といえる感じではないですので、その意味で不安感があります(先述で挙げた5人は、程度の差こそあれ、「リムプロテクター」としてとても強力といえるので)。
理想としては、ブラックシアーの場合「スピード」「バスケIQ」が魅力と映るので、「エサトンをより攻撃型に振った感じ」になれると、より望ましいと映ります。
エバンスもキーマンの1人ですし、今季でだと船生にも期待大です。
チーム全体での守備意識の高さが広島のバスケの魅力ですけど、「PG~PF」まであらゆる役割に対応できる船生が「エースキラー」として機能できれば、チームとしてより高みに到達できる一助になり得るのではと。
それと、「寺嶋」。今季の広島の評価が分かれるのは、寺嶋がPGとしては安藤誓に比してまだ足りていない感があるから、があるのでしょう。
ですけど本質的には、伸び盛りの若手です。特に得点面での「勝負強さ」「3Pの精度」をより高められれば、安藤誓と同等以上のPGに到達し得ると期待できます。
とはいえ、不安要素もあります。PSMを見ると、「バルタザール(アジア枠のビッグマン)」がフィットに時間が掛かりそうなこと。その一方で「青木」については、「守備型PG」としては有能な第2PGと自分は捉えてます。
で、「マーフィー」。広島の最大の不安要素は、実はこのマーフィーです。現時点では「CSレベル」にまだないと思ってます(PSMを見ると、現時点では負傷中?)。とはいえ若いですので、成長を温かく見守りたいと思いますけど、成長の度合い次第では正SFは船生、あるいは佐土原を充てた方がより機能し得るのでは、と自分は正直感じてます。
裏を返せば、マーフィーがその潜在能力を(その一端でも)開花できれば、「CSファイナル」「優勝」により近付けるといえますけど。
琉球(「EASLとの両立」と「並里の穴」をどう考えるか)
【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
◎「堅守のカルチャー」「勝者のメンタリティー」
◎昨季は「4Qでの逆転劇」が多い感があった
◎「ファンのすさまじい熱量」。CSでもこれは発揮されてた
◎選手層の厚さ、「遂行力」「バスケIQ」の高さ
(特に「見た目の戦力値」以上の遂行力が特筆)
◎絶対的ビッグマンである「クーリー」の存在
(クーリーが健康体ならば、まず大崩れしない)
△「第2PG」をどうするのか?
(フリッピン、小野寺、松脇と候補はいるが、最適解は?)
△「アジア枠」であるワシントンは、どれほど機能できるか?
(「30分換算でのEFF」で「6以上」が見込み得るか?)
△「並里」「エバンス」の穴。特に接戦時でリスク要因の感が…
△「EASLとの両立」。故に日程的な「苦戦リスク」が
(「EASLに比重」の可能性が。これがどう作用する?)
昨季の琉球は、見た目の戦力値に比して、とにかく接戦での「すさまじい勝負強さ」で、勝利数を積み上げてました。
それは選手の「バスケIQ」の賜物といえますし、本拠地である「沖縄アリーナでのファンの圧倒的な熱量」も大きかったでしょう。
ですので今季も、本拠地での強さは恐らく健在だろうと思ってます。
それにクーリーが健康体であれば、「RSでの西地区2位以内」は充分に現実的なラインでしょう。
ですけど今季の琉球は、「ワイルドカードに回る可能性は低くない」と自分は解釈しています。「クーリーの存在」「本拠地での強さ」「堅守のカルチャー」を考えれば、さすがに「CS出場自体を逃す」ことはほぼ考えづらいとは思いますけど…、と。
理由は3つ。第1に「EASLとの両立」。これは宇都宮と同じ理由ですけど、琉球はもともと移動距離がハードですので(これはいわば「地理的な宿命」といえますけど)、「EASLとの両立」のダメージは、宇都宮より大きいのでは?と自分は解釈してます。
第2に「『アジア枠』のワシントンは機能できるか?」。
これははっきり述べれば、自分は「とても強い疑問符」です。
「ブラウン(大阪)の下位互換」になる、いやそれで済むのか…?と。
似たタイプの選手で、「ジェイミー・マロンゾ」という26歳の選手がいます(守備により持ち味を示す選手で、この1年でフィリピン代表に定着。今季も国内でのプレーです)。マロンゾを獲れなかったから?と想像しますけど、「いや、41歳の大ベテランを貴重なアジア枠の1枠とは…」と。
で、第3の理由。これが最大の理由ですけど、「『並里』『エバンス』の穴」です。特に前者、「並里」の穴は、見た目の数値以上にとても大きいと解釈しています。
というのも、琉球というチームは、「『並里と岸本』という『2人の質の高い地元選手のPG』」が、いわば「存在自体が戦術」の感じでした。
いわば「琉球というチームの生命線そのもの」が変化することになった。
並里の「バスケIQ」「創造性」「守備意識」は、「唯一無二」「見た目のEFF以上の価値」の感じでした。この穴自体が大きいといえるのでは?と(正直自分は、並里の退団を未だに受け止められないでいます。勿論、頭ではわかっていますけど)。
「並里の退団」自体もですけど、今季の琉球に「危うさ」を強く感じているのは、「第2PGをどうするのか?」が読めないことです。
候補になり得る選手自体はいて、「フリッピン、小野寺、松脇」といます。いずれの選手もナチュラルポジションはむしろSGで、PGはいわば「やろうと思えば対応可能」のニュアンスです。
実際にPGを務めるならば、フリッピンは「攻撃型PG」、小野寺は「守備型PG」、松脇は「バランサー型PG」に恐らくなるでしょうか。
ここで興味深いのは「松脇」です。正直、高校・大学時代から期待され続けた選手ではあって(高校3年生のときに八村にウインターカップの決勝で「フルボッコにされた」ことで特に知られている)、プロ入り後は「質の高い3&DのSG」として存在感を示し続けてきました。
で、松脇は昨季の三遠で「『CSレベル』に到達できている」ことは個人としては示せていて、有力球団への移籍は現実的といえる、と思ってましたけど、自分はむしろよりフィットできるのは「宇都宮」と思っていたんですよ(実際、「年齢構成」「ポジションバランス」の両面においても)。
琉球への移籍説は、噂にはありました。宇都宮よりも争奪戦でリードしているとも。ですけど、
「いや、確かに能力的には琉球でもいけると思うけど、でもポジションバランス的に居場所があるかなあ?三河時代の高橋[現北海道]に近い感じになるリスクの方がむしろ大きそうだけど…?」
と、自分は強く思っていたんですよ。
ところが、です。ここにきて、「第2PGとして、あるいはフリッピンとの併用で構想されているのでは?それで機能できるならば、堅守のカルチャーをより強固にできる一助になり得るかと?」の話が浮上しているようなのです。
「守備型のコンボガード」。Bリーグでいえば、「中山(秋田)」がそうです。ナチュラルポジションはSGですけど、PGでも質の高い貢献ができます。「バスケIQの高さ」が魅力なこと、スティールが得意なことも、中山と松脇は確かに共通しています。
で、松脇の特徴として、「3P能力では中山をより上回ること」が挙げられます。そう考えると、松脇が「PGでも輝けることを証明」できれば、これは琉球にとってはもですけど、松脇自身にとって、そして特に日本代表での「エースキラー探し」の意味でも、大きなプラスになり得ると思うのです。
実際に松脇が今季、どのような起用法になるのかは、現時点ではわかりません。ですけど、松脇がもしも「第2PG」あるいは「コンボガード」で構想されているならば、確かに話の辻褄は合う訳で、それが機能できれば「並里の穴を補える解決策といえるかも」と。
いずれにせよ、温かく見守りたいと思います。
名古屋D(分厚い選手層だが爆発力にやや不安感が)
【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
◎「完全なる継続路線」。新顔は第3外国人のンドゥール、コンボガードの坂本の実質2人のみ
(坂本は昨季も特別指定選手として[CSを含めて]7試合の出場はある)
◎各ポジションで質量共に充実の選手層。これといった明確な弱点はない
◎「速いバスケ」「3P能力の高さ」で「ハイスコアゲーム」により強みが
◎正PG、齋藤の残留。いまやリーグ最高レベルのPGになった感が
(個人的には今オフに、豪州NBLとかの海外挑戦があると思ってた。
残留で「全盛期を名古屋Dに捧げる」ことが事実上確定がプラス)
△齋藤を除けば、日本人選手にやや爆発力が乏しい感が
(感覚的には「75点的な選手がずらりと並ぶ」感じ。選手編成的には「昨季までの千葉J」に近い感が)
「攻撃は最大の防御」「激しい守備からの速いバスケ」。
「志向するスタイルの明確性」「ハイスコアゲームで特に持ち味を発揮」、このことはそれ自体が大きな魅力であるといえます。
正直、「西地区のRS1位通過」でも全く驚かないですし、齋藤、エサトン以外では負傷者が出ても大きく質を落とさないであろう意味では、今季のBリーグのある種の「Xファクター」といえるかもです。
ですけど自分は、正直迷いましたけど、「西地区の4番手」と現時点では評価してます。尤も西地区の4強のチーム力自体が「ほとんど全く差がない」ですので、あくまでも参考値の感じですけど。
ですけどこのように評価したのは、「『75点』的な選手が多いと映るから」「よくも悪くも最終的には『戦術齋藤』になるのでは」、この感が自分の中では拭えないからです。これは結局は「好みの問題」といえばそうなるかなですけど。
そう考えると、特に鍵を握るのは「接戦時での勝負強さ」。これでどれほど勝利数を上積みできるかと。選手層の厚さは大きな魅力ですし、今季のPSMでだと、坂本の成長は上積み要素といえます。
その攻撃力、激しい守備が実を結ぶか、温かく見守りたいです。
滋賀(面白い存在だが、「昨季のある球団」とのデジャブ感も…)
【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
◎「激しい守備&ファストブレイク」という「志向するスタイルの明確性」。補強でもスタイルへの符合を最重要視したことが伝わる
◎3人の新外国人、特にマーティン、ワイリーは「質の高い貢献」が見込めるのでは
◎「テーブスの創造性」「早坂MGの情熱」が「チームケミストリー」の一助になると、より高みにいけるかも
△「勝者のカルチャー」の不足感が。昨季はシーズン後半に大きく失速で、京都をも下回った
△選手編成的に、「昨季の三遠とのデジャブ感」が。うまくいかないときの「空中分解リスク」が万一起きれば…
「方向性としては面白い、でも万一うまくいかないときに修正できるかといわれると…」。これが、現時点での滋賀への自分の正直な解釈です。
「志向するスタイルの明確性が見えない」感がある大阪よりは前向きです。ですけど一方で、昨季は「14勝43敗、勝率.246」で「ワースト3」の球団でした、これは正直無視できないのではと。
PSMを見ると、「志向するスタイルの明確性」は勿論、「スタイルの共有意識の深さ」をも感じられて、「勝率5割ライン」は決して不可能ではない、と映ります。
特にマーティンは、「スピード」「守備意識」に優れる感じで、「シュートレンジ」も広そうだと。PFとしてはややアンダーサイズですけど、「第4のビッグマン」である川真田がPSMでは「成長の可能性」を示していることをも踏まえると、マーティンはSFでも機能できますので、「とても面白い存在になり得るのでは」と映ってます。
テーブスがその潜在能力を開花できれば、チームとして「さらなる高みへ」の原動力になり得ると強く感じますし、「13人目の選手」としての資質能力が魅力の早坂マネージャーの入団も「大きな戦力補強」である、と自分は強く思ってます。
(ちなみに攻撃時に「残り10秒程度」を切ると、早坂MGの「高くて大きな声」が配信越しでも聞こえるかな?と思います、と申し添えます。)
ただ、不安要素もあります。実は、今季の滋賀の選手・スタッフの編成を見ると、「昨季の三遠とデジャブ感」なんですよ、勿論マイナスの意味で。どういうことか。
【「今季の滋賀」と「昨季の三遠」が「デジャブ感」と感じる理由。】
(1)戦術家である外国人HC
(2)「激しい守備からの速いバスケ」という「志向するスタイル」
(3)潜在能力が高いけど開花できずにいる正PG
(三遠だと田渡、滋賀だとテーブス。3P能力にムラがあることも共通要素)
(4)杉浦
(潜在能力を開花できずにいる意味でも。いわば「こんなものではない、もっとできる」と信じてるけど…)
(5)ラベナ兄弟
(三遠だとラベナ弟、滋賀だとラベナ兄。「存在自体が戦術」であることも共通要素)
(6)早坂マネージャー
(一バスケファンとしては、「最も大好きなマネージャー」ですので、「報われて欲しい」と強く願ってますけど…)
(7)質が高いと評価されてる(はずの)外国人
(昨季の三遠は、外国人の前評判はとても高かった[特にハリス]。しかし故障癖に苦しんだこともあり評判倒れに。また「センタータイプのビッグマン」があまり機能してないことも共通要素のリスクが[三遠だとノックス、滋賀だとブバ。ブバはPSMでは正直「浮いている」感がと])
このように、昨季の三遠と、なんと「7つもの共通要素」が。
そこに自分は、正直「大きな不安感」を抱いてしまいます。
「志向するスタイル」は自分好みですので、不安感が外れて欲しい、と強く願ってますけど。
正直、機能できれば「とても面白そう」と強く思ってます。
ですけど、「西地区の4強」とのチーム力の差は、見た目の戦力値以上に「とても大きい感が」と(『ウマ娘』でいえば、4着のウマ娘がゴールしても、「ラスト100m」にさえまだ届いていない、そのような感じです)。
いずれにせよ、温かく見守りたい、そう強く思います。
大阪(「ダイナミックな体制の変化」1年目。空中分解リスクも)
【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
◎PG/SGタイプでは歴代最高の優良外国人、ニュービルの存在
(PSMを見る限りでは、昨季終盤の負傷の影響はほとんどない)
◎創造性、スピード、正確なパス技術に優れる鈴木達の補強
(守備面に目を瞑る必要はあるけど、攻撃面は「オールスター級」)
◎(竹内)譲次、合田、橋本、木下と「地元選手」が多い
(故に帰属意識が生まれやすい。尤も譲次以外は「故障癖」持ちだが…)
◎40歳を感じさせない、ブラウンの「動きのキレキレぶり」
(昨季の開幕時よりもエネルギッシュ。出場時間を管理できれば)
△新HCが描く「全く新しいスタイル」の方向性が読めない
(「走るバスケ+α」ではないと新体制発表会で明言。尤も場面に応じて「走るバスケ」のエッセンスの併用も言及してるが。ただ、PSMでは「個人能力でのゴリ押し」が散見された感が…)
△「故障癖」持ちの選手の多さ。木下、ドンリーが開幕アウトか?
(これに加えて「橋本、合田」も故障癖持ち。[竹内]譲次、鈴木達がタフネスなのは救いか)
△負傷で1年半ぶり復帰の橋本は現時点でどれほどのパフォ?
(今季開幕直前時では、本人曰く「負傷前が100ならば現在は70程度」。
今季は当面は「出場時間に制限を付与」とのこと[15分~20分程度?])
△オマラ、ハントの「プレーエリアの重複」をどう解決する?
(2人共に本質的には「古典的なビッグマン」。尤もオマラは練習時では3Pの向上に取り組んでるが)
△昨季は最終的に「ニュービル個人軍」に。克服は叶うか?
(昨季はいつしか「走るバスケ」という基本的な方向性自体を見失ってた感が。合田が輝きを取り戻せるかも鍵を握りそう)
「ららぽーとEXPOCITY」、「#大阪エヴェッサ」新体制発表会。
— 愛球人(スポーツ垢) (@onenesslovelive) September 6, 2022
自分のメモでの振り返り(1)。
社長挨拶。
「この2年間は入場制限で苦しかった。特に昨季はけが人が続出で、苦しく不本意な年になってしまった。
今季は『観戦を楽しめるように』を特に重要視。
今季の目標は『CS出場』。」
(参考ツイート、その1。9月6日火曜日、「新体制発表会」。ツリー状で全23ツイートあります。)
「大阪vs西宮」、感想ツイート。
— 愛球人(スポーツ垢) (@onenesslovelive) August 27, 2022
結果は「62-45」、大阪の勝利。
まずは「全体の感想(1)」から。
・橋本が「負傷前の何%の状態か、どれほどのPTまで可能か」の確認
・ニュービル不在時の攻撃
今日は内容面、特にこの2つに意識的に重きを置いてた感が。#大阪エヴェッサ #橋本拓哉
(参考ツイート、その2。8月27日土曜日、「大阪vs西宮」。ツリー状で全11ツイートあります。)
「奈良vs大阪」、感想ツイート。
— 愛球人(スポーツ垢) (@onenesslovelive) September 18, 2022
結果は「71-66」、大阪の勝利。
感想ツイート、大阪側からの視点が中心ですけど、奈良の姿勢に(これは選手・スタッフの両面から)心を揺さぶられるものがあったので、それについても感想の後半で少しですが言及させて頂きます。#大阪エヴェッサ #バンビシャス奈良
(参考ツイート、その3。9月18日日曜日、「奈良vs大阪」。ツリー状で全23ツイートありますが、奈良側の感想も含んでます。)
「ダイナミックな体制の変化」。
今オフの大阪は、このように啖呵を切ってスタートしました。
しかし、結論的に述べます。
「確かに昨季は『ニュービル個人軍』と化していた。『これ以上は厳しいかも』という悲観的な感じが正直拭えなかった。
だけど、『選手編成の責任の所在』は誰なのか。HCを交代することも、一つの方法かもしれない。アリーナMCの交代も、10年間続いた意味では『新陳代謝』の意味で理解できなくはない。
でも、選手編成の『ほんとうの責任の所在』ということに照らせば、『最も交代が必要であった』と思われる人間がそのままというのは、それで『ダイナミックな体制の変化』とは?と感じてしまうのは自分だけ?
しかも、大阪の魅力であった『走るバスケ』からのスタイル変更といわれている(確かに昨季は「走るバスケ」を見失っていた感はあったけど、合田、橋本が復活できれば「走るバスケ」の原点の再構築が最適解であるはずでは?と)。展開次第では『空中分解リスク』が拭えないという不安感が『杞憂であって欲しい』と強く願うけど…。」
ある種、奥歯に物が挟まったような言い回しですけど、自分が「どの立場の人間こそ、最も交代が必要であるか」というのは、漠然とでも伝わっていればと思ってます。野球でいえば「根本陸夫」「デーブ・ドンブロウスキー」「セオ・エプスタイン」「AJ・プレラー」「ジェリー・ディポート」のような立場の人間のことです。
現実論として、昨オフにせよ今オフにせよ、「有力日本人選手」の補強が絶対に必要である、と自分は思っていました。
確かに昨オフだと(竹内)譲次、今オフだと鈴木達也と、良質の日本人選手の補強はできています。ですけど、「スコアリングにより優れる」日本人選手(例えば今オフだと「森川(横浜BC)」とか)、あるいは「守備力が高い」日本人選手(例えば今オフだと「松脇(三遠→琉球)」「阿部(島根)」とか)、このいずれかはいまの大阪にドンピシャであるように映るのですけど、現実論として獲れていません。
確かに、鈴木達也は「質の高い日本人PG」です(むしろ今まで過小評価の傾向であったと映りますし)。どうやら今季はニュービルはSG/SFにほぼ専念の方向の感じで、これで機能できれば、ある程度の攻撃力は見込めると映ります。
ですけどニュービルは、本人のメンタリティーはむしろ「フォアザチーム」なのですけど(豪州NBL時代は「スコアリングの鬼」というよりは、むしろ「守備」「パス能力」をも含めた「総合力」を持ち味としてた感が)、大阪での2年、特に橋本の負傷離脱後は、「ボール独占傾向」状態というか、できればPG的に振る舞わせた方がよい、という感じになってました。
仮にニュービルをSG/SF的に振る舞わせるとしても、比江島、田中大貴とかのように、ボールをできるだけ持たせる場面を生み出すことは勿論できます。そうできればというイメージがあるのだろう、という意味では、まあ理解はできます。
とはいえ、です。今季のロスターだと、いくつかの不安要素はPSMの時点で既に浮かび上がってしまっています。
「誰がエースキラー役を務めるのか?」(「DF型」といえる日本人選手はいない。尤も昨季はドンリーが成長を示してはいたが、PSMでは負傷でずっと欠場状態でした。いずれにせよ大阪の場合、特に昨季は「無駄な失点」で取りこぼしていた感じが否めなかったので、「DF型の選手」の補強は必要であったと自分は思ってますが…。)
「ニュービルとデュオを組めるビッグマンは?」(これは必ずしも「ピュアセンター」である必要はないと思うけど、個人的には「ハーパー(京都→越谷)」のように「スピードとシュートレンジを併せ持つビッグマン」が特に相性が良いのでは?と思っていた。
確かにオマラは、かつての大阪時代[2019-2020]に比してだと「スピードとエナジーを備える古典的なビッグマン」への成長が伝わるし、滋賀での昨季は少ないながらも3P試投もある[試合前練習でも3Pの精度向上を意識しているのが伝わり、シュートレンジの向上という課題に向き合ってる感じで好感]。ただ、有力球団のビッグマンと比してだとやや怖さが…、と。)
なんというか、「見た目でのポジションバランス」はとれている感じはあるのですけど、よく見ると「これが足りてない」というのがいくつか散見されてしまっているのです。特に「DF能力に優れるアウトサイド」「3P能力を併せ持つビッグマン」が。
「長くチームを支えている橋本、合田の復活が叶いそうか?」は、大阪の復活のためにとても重要と思いますけど、PSMを見ての現況でだと、
橋本(本人、フィッシャーHCのいずれも、負傷前を「100」とすれば、現時点では「70程度」とのこと。「動きの質」「3Pの精度」は負傷前に戻りつつある。その一方で「アジリティー」はやや落ちている感が否めずで、「ドライブの精度」にこの影響が出ている。守備能力はもはや目を瞑るしかない感じだが、PSMでは鋭いボール奪取からの速攻という場面もあり、試合勘が戻れば「全くできない訳ではない」にはできそう。
とはいえ、上述のことを踏まえれば、現況では「6thマン」がより望ましい起用法になりそうか。ちなみに9月6日の「新体制発表会」の時点では「出場時間の制限はもう必要ない」とのことであったが、開幕直前の本人へのインタビュー記事では「当面は出場時間に制限がある(恐らく『15~20分程度?』」とのこと[ちなみにPSM終盤の「vs奈良」「vs滋賀」ではいずれも「4Qのクラッチタイム」での出場機会がなかった]。
イメージ的には、年明け以降に「ニュー橋本」の本領発揮が叶えばの感じになりそうか。)
合田(8月27日のPSM初戦の「vs西宮」では、最大の生命線である「3Pの精度」「スピード、アジリティー」は不調時以前[2020-2021までの水準]を取り戻しつつある感が。少なくとも「動きの質」はよいと伝わるし、「いつだってポジティブ、笑顔」なことは健在。
ただ、PSM終盤の「vs奈良」「vs滋賀」では負傷により?欠場であった。試合前練習で体を動かしてはいたので、開幕戦の出場はできそうだが恐らくまずは短時間の「慣らし運転」からになりそうか。
尤も今オフの契約継続時には、「役割の減少」を言い渡されたのではとの噂があった。それと試合前練習を見ていると[これは昨季からそうだが]そう遠くない将来の指導者転身を意識している?感じが。)
ですので、負傷時・不調時以前に比して「100」を取り戻せそうかといえば「恐らくNO」ですけど、橋本は「70程度」、合田は「80程度」の感じで開幕戦を迎えそうな感じが、自分の解釈です。
ちなみにこのPSM、2試合を生観戦させて頂いてますけど、「大阪vs西宮」「奈良vs大阪」と、2試合共に「大阪絡み」でした。
で、選手編成的な「歪さ」もですけど、むしろそれ以上に不安感なのが「志向するスタイルの明確性」「スタイルが現有戦力とどれほど符合できそうか」です。
どうやらフィッシャーHCは、「速いボール回し」「スペーシング」をより重要視してるのでは?と、PSMを踏まえて自分は感じてます。いわば「ムービングバスケ」「人もボールも動くバスケ」を志向してる感じでしょうか。
で、PSMではこの「ムービングバスケ」が炸裂している場面は、少ないながらもあります。その一方で「意思統一ができていない」感じが否めずで、PSMでは「最後は個人能力のゴリ押しに頼る」場面が、特に4Qでは色濃くなってしまっていました(9月18日の「vs奈良」では、結果は大阪の勝利でしたけど、内容面では完全に奈良に分がありましたから)。
尤もフィッシャーHCは、「走るバスケ+α」を否定しつつもその一方で、場面によっては「走るバスケ」のエッセンスを用いることは必要になってくることも言及しています。実際、日本バスケの傾向として、よく「ポストアップ」がいわれてますけど、もう一つに「激しい守備からのファストブレイク」が特に日本人選手と相性がよいことはいわれていますし、このPSMでも「鋭いボール奪取からの一人速攻orアウトナンバー」の創出の場面が何回かありましたので、その意味では前向きな要素といえます。
で、フィッシャーHCは、その志向する「全く新しいスタイル」(恐らく「ムービングバスケ」「人もボールも動くバスケ」)の全体像は「開幕戦でお見せすることになる」とも仰ってます。ですので結局は、それを踏まえてからになるのかな、と期待したい感じです。
とはいえ、PSMでは特に4Qで「個人能力のゴリ押し」に頼る傾向がありました。最後は「ニュービル個人軍」化してしまうのでは?の不安感も正直あります。
「鈴木達-ニュービル-ブラウン-(竹内)譲次-オマラ[orハント]」
恐らくこれが、予想される「開幕時の基本スタメン」でしょう。
これに「橋本、合田」がどれほど絡んでいけるのか。それと「ドンリー」はいつ頃に復帰できそうか。
単純な「個人能力の総和」では、「西地区の4強とは差がある」けど(個人的には大阪の「都市のマーケットサイズ」を考えれば、「4強とは差がある」はよろしくない、と強く思っていますが…)、「勝率5割ライン」は充分に可能、という感じではあるのです。
ただ、PSMを見る限りでだと、さすがに「残留争い」「降格」まではいかないだろうとは思うけど、「勝率3割台」は覚悟しなければいけないだろうなあ…、と感じて、「西地区の6番手」の位置付けにさせて頂いてます。
位置付け的には京都よりは上ですけど、先行きの明るさという意味では京都の方がより希望はあるという意味でも、正直大阪には不安感をぬぐえないでいます。自分は「大阪」も「京都」も共に「応援球団」であるので、正直とてももどかしいですけど…。
「批判を称賛に変えて欲しい」。いまはただ「祈るような想い」です。
京都(「土台づくり」の年。「わくわく感」の一方で精神的支柱は?)
【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
◎明確にした「カルチャーの再構築」。強い覚悟が伝わる
(渡邉GM曰く「今季は『土台作りの年』」とのこと)
◎久保田を軸にしたチーム作りか。昨季は終盤に大きな成長を
(リングへの意識を高めれば「オールスター級」を狙える素材)
◎外国人、アジア枠は「質の高い選手」を揃えた感が
(特にディアロ、ライトは「ガチの大物」。有力球団と渡り合えそう)
△久保田・満田以外は未知数。よくも悪くも「予測不可能」
(モーア、青木、小西は「使い続ければ伸びるかも」と期待したいが)
△TJロールは「カナダのギブス」になり得るか
(どうやらPF起用の方向。「新体制発表会」で、ウイングスパン[腕の長さ]が印象的ではあったが)
△「志向するスタイル」は?PSMも公開練習もゼロで開幕へ
(選手の顔触れやキングスAC時代を踏まえると、「速いバスケ」か?
非公開での練習試合は4試合しているが)
△「精神的支柱」は誰が務める?永吉の退団の影響は?
(一バスケファンとしては、実はこれが「最大の不安要素」。
永吉は「第4のビッグマン」としても重要戦力であったと映るけど…)
「下京・京都駅前サマーフェスタ」、「#京都ハンナリーズ」新体制発表会。
— 愛球人(スポーツ垢) (@onenesslovelive) September 3, 2022
自分のメモに基づき、振り返り(1)。
選手挨拶。
久保田「一つの輪をしっかりとつくっていくので、皆さんも共に登りましょう!」
満田「日本人最年長になってしまいました。私は◎◎が推しです、といってもらえるチームに」
(参考ツイート、その1。9月3日土曜日、「新体制発表会」。ツリー状で全14ツイートあります。)
「『わくわく感』と『漠然とした不安感』と」。
これが、現時点での京都への、自分の正直な解釈です。
よくも悪くも、完全にベールに包まれたままで、開幕戦に突入になります。開幕戦、あるいは最初の1か月を見ないと、「ごめん、全くわからない」が正直な感じで、現時点ではある種の「お手上げ」状態です。
個人的には、公開試合はなくても全然よいのです、「手の内を見せない」は「チーム再建1年目」であることを踏まえれば、それも考え方の一つとしてやむなしと。ただ、「公開練習」はせめて1回はあって欲しかったが、一バスケファンとしての本音です、「ファンあってのプロスポーツ」と自分は思っていますし、「志向するバスケスタイル」がどのような方向性かを示すことはシンプルにあって欲しかった意味でもと。
とにかく昨季の京都は「光が見えない」、この言葉に尽きる感じで、「ハーパー個人軍」に陥っていました(そもそもハーパーはボール独占傾向とはほぼ真逆な訳で、それが問題をより根深くしていた感がと)。
「ハーパー個人軍」ともいえますし、何よりもとにかく「志向するスタイル」が最後まで伝わらなかった。しかも「ファストブレイク(速攻)からの得点、失点」がいずれも「ほぼリーグワースト」と、「いや、自分たちが弱者であることをわかってるの?」の感じでした。
ですのでその意味で、「根本的なチーム再建」(厳密には「再建の再建」と自分は解釈していますが…)という判断は、とても納得できます。新HCにロイ・ラナさんの招聘というのも、まずは温かく見守りたいと思ってます。
課題がとにかく山積みで、その一つに(今夏に引退した)内海に続く「2代目ミスターハンナリーズの育成」があります。球団は誰にこれを託すのか、その答えは「久保田」でした。
実は、自分のこれまでのnoteを拝読してきた読者ならば伝わってるかなですけど、いままで久保田はあまり評価してきませんでした(ごめんなさい!)。はっきり述べれば、自分が京都のGMならば「久保田≦細川」の優先順位でした。
ですけど、球団が、及び久保田がこの道を選んだことを、まずは「ありがとう」と感謝を伝えたいなと。ましてや久保田は地元選手ではないので、なおさら京都に愛着を持ってくれたことが嬉しいと(故郷は福岡)。
(個人的には、地元選手である小西にも期待したいけど、特別指定選手であった昨季は出場機会自体がほとんどなかったので評価のしようがない。ただ今季はまずは一定の出場機会を与えられるだろうから、その機会をものにできれば、久保田と共に「ミスターハンナリーズ」の候補になるかなと。)
現時点での、予想での「基本スタメン」は、
「久保田-満田(青木)-ライト-ユトフ-ディアロ」
でしょう。やや正SGに不安はありますけど、守備力が特徴の満田、3P能力に全振りの青木、スピードと視野の広さが特徴の小西を競争させる感じになるかもしれません(小西はナチュラルポジションはPGですけど、今季の選手編成でだと「コンボガード的な立ち位置」により活路を求める感じになるのではと)。
で、今季の京都のロスターで特に目を惹くのが、「外国人、アジア枠の質の高さ」です。
ディアロは特に「ガチの大物」の感じで(感覚的には「スコットをよりスピードに振った感じ」。本質的には「古典的なビッグマン」だけど、一応は3P、ミドルレンジもある)、日本の水に馴染めればですけど、「スコット、クーリーと同等クラスになり得る」のではと。
それと、ライト。アジア枠の選手で、フィリピン代表でも長くプレーしてきました。フィリピンのバスケ界では、ラベナ兄弟と共にスター選手で、代表では長く正SFを務めてきました(ここ1年は代表からいったん退いて、D・ラモスが後継者の座に収まりつつありますが)。
選手編成的には、これはTJロール(第3の外国人だが、どうやら「カナダ人脈」からといわれている。ラナHCは「カナダ代表HC」の経験がある)をどう解釈するかによりますが、個人的にはライトよりもマロンゾ(「SF/PF」タイプで、守備力を特徴とする)の方がよりおさまりがよいのでは、と思っていました。
ですけど、少なくとも「純粋な個人能力」という意味では、「ライト≧マロンゾ」です、というか(タイプが異なるので単純比較はできないが)「LJピーク(熊本→茨城)と同等クラスになり得るかも」と。
ライトは、登録は「PG」になっていますが、先述のようにナチュラルポジションは「SF」です、より厳密には「PG/SG/SF」のいずれにも対応可能の感じでしょうか。「パス/シュートレンジ/DF能力」をまんべんなくできる感じで、見た目のスタッツ的には「SFの理想型」といえます。選手編成的にも、まずは「SFにほぼ専念」になるのではと。
それと、フィリピン代表で長く主力でしたけど、実はカナダとの二重国籍とのことです。ですのでラナHCとの「カナダ人脈」で京都行きになった?と想像です(日本行きの希望は以前からあったようで、代表をいったん退いたのはこれが影響している感じと伺います)。
とはいえ、不安感は拭えない感じで、それが日本人選手の顔触れです。
その一つに、「第4のビッグマン」あるいは「ライトの控え」。
鍵を握るのは「モーア」です。昨季の大阪では、粗削りな感じはありましたけど、「ストレッチ4」的な感じで爆発力を感じさせました(そもそも大阪入団時はこの「攻撃時の爆発力とシュートレンジ」を押し出していた)。守備力は拙さもありますが、見た目の印象とは異なりリバウンドを結構稼いでいたのも特徴的です。ただ、シーズン中盤に負傷して、その後の復興以降は出場機会をほぼ失ってしまっていました。
とはいえ今季は、選手編成的には「ある程度のまとまった出場機会」を見込めそうですので、「30分換算のEFF」で「6.00」のラインにどれほど近付けるかが一つの目安になるように映ります。
期待はしたい。9月3日土曜日の「新体制発表会」(リンク添付の動画とは別の。「下京・京都駅前サマーフェスタ」)では、「わくわく感」を強く抱かせる感じでした。例えば、水野は「今季、京都は大きく変わります。それに可能性を感じて僕はここに来た。皆で共にB1という山を登っていきましょう」と、新体制発表会で述べてます。ビジョンに惹かれて「京都に来たい!」と入団してくれたことを聴いて、応援したくなります。
ですけど正直、それでも「強い不安感」が拭えないでいます。
その大きな理由が「精神的支柱を誰にするのか?」と。
どうやら「満田」がこの役割を務める感じですし、昨季は確かに以前よりも声出しを積極的にしていたというか、周りに心を配る感じが伝わってきていました。
ですけど、これはある種の好みの感じになってしまうかもですけど、例えばですが
「水野→田渡」あるいは「小澤→KJ松井」
であれば、つまり「経験豊富な中堅・ベテラン選手」を1人でいれば選手編成に組み込んでいれば、それだけでも自分的な評価はより前向きな感じであった、これが正直な感じです。
と申しますのも、NBAの場合、再建チームは多くは「若い選手&ロールプレイヤー的な中堅」で構成することが多いのです(それがある種のセオリー。ただこれは「総年俸を抑える」ことも理由の一つですけど)。確かにこれも一つの考え方であると理解はできます。
ですけど、ここは日本、ここはBリーグです。「個人能力の不足感をチームの意思統一力でどれほど補えるか」を、特に重要視する傾向です。例えば野球のDeNAが、見た目の戦力値に比して勝ち切れていない一因には(故障癖のある選手が多すぎることもその一つですけど)「精神的支柱の不在」がずっと指摘され続けてます。
そう、「精神的支柱」を1人~2人でいいから置くことで、「上手くいかないときに方向性を示す」こともですし、シンプルに「若手の手本」になることをも含めて、いわゆる「道しるべ」になり得ると思うんですよね。
球団の判断ですので、勿論それを尊重することなのは頭ではわかっているんですけど、一バスケファンとしては、「加藤、永吉のどちらかは残留させて欲しかった」(2人共に「将来の指導者候補」という意味でも、「いや、意味わかんないし」と。特に加藤は昨季は、満田以上に「強烈なキャプテンシー」が伝わったので)が、正直な本音です。
(ちなみに退団発表時に「なお、選手とは引き続き交渉を続けてまいります」の文言がなかったので、つまり「球団側から放出の判断をした」ということです。わかりやすく言えば「自由契約」。)
加藤もですけど、特に惜しまれるのは永吉の放出です。これは純粋に「質の高い第4のビッグマン」としても、まだまだ重要戦力でしょう?と。
でもそういったことを含めて、「『チーム再建』『ReBorn』への強い覚悟」を示したといえるのです。それを温かく見守りたい。
とはいえ、実は日程的には「最初の1か月での9試合」が「いきなりの大きなヤマ場」です。というのも、この9試合のうち、「仙台、FE名古屋、新潟との試合が2試合ずつ(合計で6試合)、しかもすべて本拠地開催」です。
この6試合で、できれば「5勝1敗以上」、これが一つの目安でしょう。恐らくシーズン中盤くらいに、苦しい時期が来るのではと想像する意味でもなおさらと。
今季の現実的な目標ラインとしては、(正直「残留争い」は覚悟せねばならないでしょうけど、)「勝率3割台」、これができれば「よくやった」といえるのではと。できるだけ早くに「残留」を決めて、内容により集中できる感じにできるとより望ましいイメージです。
それともう一つ。京都の場合、「集客面」に大きな課題があります。
会場の和やかな雰囲気が自分は大好きですので、それを活かせればと自分は思いますけど(個人的には「2階席をもう少し安価にする」とか、もっと知恵を絞って欲しいと思いますが)。
FE名古屋(「継続路線」による組織力が、どれほど通用するか)
【今季の選手編成から見る「プラス要素」「不安要素」】
◎昨季のB2で圧倒的な強さで優勝した「コアメンバー」がそのまま残留
◎「中村(大阪→)、葛原(北海道→)」の補強で守備意識を向上
◎J・ジョーンズ、ランダルはB1でも輝けるのでは
△組織力には期待できるが、個人能力にやや不安感が
△ランダル、エヴァンスが輝けなければ一気に「降格リスク」が
正直、昨季のB2を圧倒的な強さで優勝したことは、勿論存じていますし、外国人の「J・ジョーンズ、ランダル」、帰化枠の「エヴァンス」、PG陣の「石川海、笹山」が質の高い選手であることは、把握しています。
ですけど正直、インパクトある強烈な補強がなかったこともあり、自分の中では現時点では「西地区の8番手、残留争い」が正直な感じです。とはいえ、「新潟、富山」に比してだと「B1残留の可能性はむしろあるのでは」とも解釈していますけど。
「個の不足感」を「積み上げた継続路線」でどれほど補えるのか。
正直、これは仙台にもいえますけど、最初の「10月の9試合」を見ないとわからない、が自分の感覚です。
鍵を握るのは「J・ジョーンズ、ランダル、J・ウィリアムズ」の「3人の外国人」です。この3人、及び帰化枠の「エヴァンス」がどれほど「B1で輝けるのか」。その度合い次第で、「残留争い」でどれほど輝けそうか、に直結するのでは、と自分は現時点では読んでいます。
気が付けば、想像以上に長くなってしまいましたけど、あくまでも「こういう考え方、解釈もあるんだ」という感じでとらえて頂けると、とても嬉しいです。
さあ、今季も「楽しいバスケライフ」にするぞ!の想いです。
ありがとうございます。
【バスケットボール#15E】
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