見出し画像

Bリーグ(2024-2025)開幕直前の自分的な展望(その2。東地区の展望)。【バスケ】【Bリーグ】



 東地区の展望、プロローグ。






 これから、「地区別の展望」へと話を進めさせて頂きます。

 まずは「東地区」。今季の東地区は
 「3強(千葉J、群馬、宇都宮)+1中(秋田)+4弱(越谷、北海道、仙台、茨城)」
 「3強」が形成されてる意味では、西地区と同様ですけど、今季の東地区の3強は、特に4弱とは「戦力値の明確な差がある」が自分の読みです。

 その中でも、今季の東地区の「自分的なキーフレーズ」。
 「宇都宮は、『年齢構成の高齢化』が『持つのか』、『ついに限界点になってしまうのか』?」
 多くの予想が、宇都宮は「東地区の2位には入ってくるだろう」の感じです。ですけど自分は、「33勝ラインを下回るとまではあまり思わないけど、いまの宇都宮は、『22-23の川崎』と重なって映る」と(当時の川崎は、前評判がとても高くて、『年齢構成的に優勝を叶え得る【最大にして最後のチャンス】』といわれていた。しかし現実は、CS出場は叶えたけど、「40勝」で、しかもCSに到達したときには「既に青息吐息に陥ってて、もはやノーインパクトになってた」)。


 自分は、「比江島の大ファン」です。昨季、「京都vs宇都宮」の生観戦を叶えたとき、心の中では感涙が止まりませんでした、それこそ「無上の喜び」であると。
 2022年のCS、比江島の輝き。1人の人間として、「自分がバスケファンであることは、運命だったんだ!」と実感でしたし、あのときの比江島の輝き、とりわけ、CS決勝の第2戦、「4Q,0:46」、優勝を大きく引き寄せた「The Step」は、後世に永遠に語り継がれると強く感じてます
 優勝後に、長期大型契約を結んだといわれていて(このときに「1億円以上×3年」を結んだといわれてる。実際、このときを境に、「生涯宇都宮」「宇都宮は第2の故郷」を明確にする発言を何回かするようになった)、この現行契約は今季終了時で切れます(尤も現行契約を終えても、比江島は宇都宮で選手人生を全うするだろうと読むが)。

 比江島に、もう1回、優勝の景色を観て欲しい。心情的には正直そうですし、今季はこの「最後のチャンス」かもと想像です(少なくとも、全盛期のうちにの意味では)。
 そもそも、比江島は高校・大学時代から、それこそ国内バスケをほとんど見ていない(というかテレビにまともに映らないから物理的に見られなかったことも正直あります)時期から、スター選手として名前が知られてました。で、若手である三河時代も、シーズンMVP(2017-2018)に輝き、というかこのときから「日本代表でのエース」でした(いまでは「暗黒時代のエース」といわれたりしてますが)。
 で、豪州NBLで挫折をした後に、2019年(厳密には2018-2019の途中)に宇都宮に移籍。ですけど2020-2021では負傷と不調で6thマンに回されて、果てにはCS決勝で「5ファウルをしたことが敗戦に直結したことでの、戦犯の烙印」という「第2の挫折」をしました。


 でも、比江島の「真の全盛期」は、この「第2の挫折」からです。このときで「31歳」。そう、「『2021-2022』~現在」が、選手人生で最も輝いてる時期、と自分は感じてます。
 そう、いまで「34歳」、一般論でいえば、いつ衰えが始まっても不思議ではない時期です(実際本人曰く、優勝のシーズンのときから、身体能力自体は衰えが始まってると感じてるとのこと)。でも技術レベルは、むしろ年々進歩・成長を続けてるんですよね。
 代名詞の「ステップ・ドライブ」だけではない。「3P」はいまや日本人最高レベルですし(そもそも三河時代は3P試投率はあまり高くなかった)、「守備力・守備意識」は「第2の挫折」をきっかけに大きく成長で、いまでは「日本人選手ではトップレベル」といえるまでになってます。そして「パス・アシスト意識」も高いものがありますし、そもそも三河時代はPGもしていました(というか2021-2022以降は、宇都宮でもハンドラーを務める場面が年々増加傾向です。昨季はニュービルとの「スーパーデュオ」結成で、本来の「よりスコアラー寄り」になった感がありますが)。

 後述で言及させて頂きますが、自分が「宇都宮が、今季は苦しむのでは」と読む理由は、比江島自身の衰えではないです。ですけど、バスケは「チームスポーツ」である訳で、周りの選手が「ついていけなくなる」に陥ったら、「比江島個人軍」になりかねない。
 これは、ここ3年ほどの日本バスケが、「高速バスケ」「走るバスケ」を志向する球団が増加傾向になってることがあります。それでいて宇都宮は、2021-2022から「攻撃回数をリーグ平均以上に」をずっと意識付けてる感じがありますが、実はこれを「できた試しがない」。

 そう、心情的には、「比江島が優勝の景色を観ることを、もう1回観たい!」が本音です。
 ですけど、「年齢構成の高齢化」に加えて、今季、宇都宮が「よくてワイルドカード」と読む理由は、はっきりと「群馬の意欲的な補強、そして整備された選手層」にあります。しかも群馬は「強烈なホームアドバンテージ」を手に入れていて、そして、積み上げてきた「高速バスケ」に加えて、ずっと課題であった守備意識により優れる、ミリングHCを招聘した。
 早い段階で群馬がチームケミストリーを構築できれば、今季の群馬は「CSファイナル」「優勝」に駆け上がっても全く驚かない、そして特にインサイドの威力は千葉Jと同等以上ということも、そう感じる理由です。

 「逆張り」。そういう解釈もできるかもですけど、自分の中では「逆張り」とは全く感じていません、ロジカルに考えてそうであると。
 尤もその宇都宮でも、西地区に回れば2位、あるいは島根を上回り1位でも驚かない「机上の戦力値」ではあるのです、とりわけ「勝者のメンタリティー」「チームケミストリー」の面ではA東京と双璧と映ってますから。
 ですけど、「衰えリスクの要素を無視することは違うと思うんだ」が、いまの自分の正直な感覚としてあるのです。



 【2024-2025開幕版、自分(愛球人)の展望、東地区編の概要。】
 千葉J(渡邊雄太、富樫らのスターパワーで、「全体2強」の一翼)
 群馬(「高速バスケ」と「守備マインド」の融合。叶えばとても強力)
 宇都宮(「圧倒的なケミストリー」と「年齢構成の高齢化」と)
 秋田(東地区の「Xファクター」。「スタイルの明確性」が報われるか)
 越谷(「日本バスケ界最高のHC」と「質量共に拙い日本人選手」と)
 北海道(「アグレッシブな高速バスケ」がつぼみから花にできるか)
 仙台(「点を取らなければ勝てない」。日本人選手の質の拙さが…)
 茨城(「高速バスケ」自体は魅力だが、拭えない「大崩れリスク」)


 イメージ的には、「現時点でのパワーランキング」です。勿論、自分の主観です。
 では、各チームごとに綴らせて頂きます。



 千葉J(渡邊雄太、富樫らのスターパワーで、「全体2強」の一翼)。


 「富樫-原-渡邊雄太-DJ・ホグ-ムーニー」。
 ここに、6thマンで「スミス」、さらに有望な若手で「金近、小川、菅野」、それに負傷が癒えればの注釈付きですが「二上」も擁してます。
 質量共に充実の戦力であり、HCも「世界的な名将」の招聘に成功。
 しかも、今季からは「1万人級の新アリーナ」になります。

 大崩れの要素は、ほとんど見当たらない。「より魅力的なスタイルになる」としか把握できてないですけど、これは前任者のパトリック政権時代よりも「より理に適ってるスタイル」とも伺います。

 では、崩せそうな要素はあるのか?というと、「ムーニーの不在時」。アジア枠で「マイケル・オウ」を補強しましたけど、「開幕14試合」でどれほどのEFFが見込めるのか、やってみないとわからない感がある。「あ、さほど怖くないな」と判断されたら、自分がHCやGMならば、「ムーニーのファウルトラブルの誘発が最優先。徹底的にリングアタックしよう!」と指示します。
 結局、「ここは日本」、ゴール下での優位性を失うと、一気に苦しくなることは、歴史が証明していると。琉球がずっと「優勝争いの球団」であり続けてるのが、クーリーの存在があるからが故なように。

 とはいえ、裏を返せば、「ムーニーのファウルトラブルの誘発作戦」のリスクくらいしか、崩せそうな要素が見当たらないともいえます。たとえ、有望な若手が机上の期待値通りにならないとしても、主力の6人だけでもとても強力といえる意味でもと。
 少なくとも、「RSでの東地区の1位通過の最有力」はまず揺るがないだろう、と自分は読んでいます。



 群馬(「高速バスケ」と「守備マインド」の融合。叶えばとても強力)。


 現時点でのパワーランキングでだと、「東地区の2位」と位置付けてますけど、自分は、「今オフに最も意欲的な補強をした球団」は「群馬」と感じてます。自分たちは、本気で「優勝」を目指してるんだ!が伝わると。

 ポジション、選手タイプ、いずれもバランスがとれています。現代バスケに求められている「スピード(これに基づくプレーリズム)」「シュートレンジ」の面も、とても行き届いている。
 電撃補強の、現役ドイツ代表の「ティーマン」。スピード、守備、シュートレンジ、いずれをとっても秀逸といえる。「A/TO」の面だけが、やってみなければわからない感じではありますが、この面がたとえ凡庸でも、充分にトップレベルの選手といえるだろうが、自分の読みです。

 群馬はもともと、「高速バスケ」を志向していて、実際に攻撃回数はリーグのトップ5あたりにいました。攻撃面で、ゾーンに入ったときの破壊力はわかっていると。
 でも一方で、課題は明確に守備面にあった。それと「負け癖」、いわば「勝者のメンタリティー」の不足感。
 ティーマンの補強にこだわったのは、恐らく特にこの「勝者のメンタリティー」の要素でしょう。これはもう、努力だけで身に付けられることではないですから。


 そのような中で、新HCとして、カイル・ミリングを招聘。「守備マインドをより重要視」は、広島での3年間で存分に証明済みですし、それと「モチベーター」としても秀逸です。観ていて楽しいバスケをするタイプではないですけど、日本文化になじもうの姿勢が人一倍に伝わることをも含めて、「不思議と応援したくなる」と。

 実はミリングHCは、広島時代、もともとは「攻撃回数をリーグ平均を上回る感じに」を目指していた節があります。でも結局は、昨季の中盤あたりでこれを断念した。
 いわば「割り切った」といえるのか、アグレッシブな守備はそのままに、でも攻撃を「ハーフコート主体」に切り替えたことが、結果的には「大成功」になりました。これは確かに「ああ、なるほどね」の感じで、「手持ちの選手の得点能力の最大期待値」を考慮すれば、「最大期待値により近付けるために、FG%を上げたい、そのためにはハーフコート主体、いわば『プレーリズムをより遅くする』がより合理的といえる」と。

 そう考えると、群馬を新たなる挑戦場所に選んだのは「理に適っている」感じで、もともとずっと積み上げてきた「高速バスケというプレーリズム」に、自らがずっと強調してきた「守備マインド」「守備メソッド」を融合・ブレンドできれば、「ほんとうに志向したかったバスケスタイル」へと昇華できるのではないか?と自分は読んでいます。


 とはいえ、不安要素もあります。それって「トレイ・ジョーンズ」のこと?と思われるかもですが、自分はそうは感じていません。むしろトレイ・ジョーンズ自体は、昨季は「よりフォアザチームになってる」と映ってますし、優勝への執念は誰よりも持っているし、ある程度以上の得点力・爆発力は今季も見込めると読んでいます。

 では、何が不安要素かというと、「帰化枠のパーカーの年齢面」です、そう、今季で「43歳」であること。
 確かに、パーカーは「鉄人」です。「圧倒的な守備意識の持ち主」でもありますし、その運動量やスプリント意識は、年齢をほとんど感じさせません、まさしく「エナジーの塊」であると。
 とはいえ、年齢的には、いつガクッと衰えても驚かない感じである訳で、群馬が、机上の戦力値の感じにいかなくなるとすれば、「パーカーの急激な衰えリスク」であると。
 その場合、恐らくのもとにより期待という選手編成かなと想像ですけど、自分はむしろ、「八村阿蓮のPF起用」がより積極活用される感じになっていく、あるいは、「スモールラインナップ(トレイ・ジョーンズのPF起用)の多用」に活路を求める、になっていくのでは?と想像してます。

 というか、それがむしろ合理的とさえ思ってるんですよね。オールラウンドな攻撃ができる「藤井」、スティールとスピードで最高レベルの「フリッピン」、3P能力は勿論ながらオールラウンダーへと昇華しつつある「細川」、そして大舞台になるほどより輝けて爆発力を持つ「辻」。
 そういった良質の日本人選手をより多く組み合わせられる意味では、守備リスクにある程度目を瞑ってでも、「トレイ・ジョーンズのPF起用」はむしろロジカルであると、自分は読んでいます。

 いずれにせよ、今季のBリーグの「要注目球団の1つ」と読んでいますし、チームケミストリーがより早い段階で確立できれば、「CSファイナル」「優勝」の景色は、決して非現実的ではない良質の戦力値といえる、自分はそう感じてます。



 宇都宮(「圧倒的なケミストリー」と「年齢構成の高齢化」と)。


 「勝者のメンタリティー」「チームケミストリー」「まずは守備ありき」「本拠地のファンの圧倒的な熱量」。この4つの要素で、宇都宮と同等以上といえる球団は、正直ほとんどいません(A東京はこれに該当し得るといえるが、「ファンの熱量」の意味では、宇都宮と同等以上といえるのは、「いない、強いて挙げれば島根がそうとは思うけど」の感じです)。

 「『ニュービル』『比江島』の『スーパーデュオ』」。40分間を通して、2人のうちのどちらか1人が必ずコート上に立つ感じを意識できれば、相手に与える怖さは想像以上にすさまじいことを、昨季は証明でした。
 それでいて、「最高レベルの守備マインド」。しかも宇都宮って、選手の1人1人が「人一倍のプロ意識の集団」ですので、なおさら大崩れをするとは考えづらい、と映ってます。


 で、今オフは「事実上の全員残留」。つまり「積み上げの熟成」。
 一般論でいえば、「昨季以上に期待できる」になります。そう、「一般論でいえば」。

 ですけど自分は、これは今季のBリーグの要注目ポイントの1つとさえ感じているのですけど、「宇都宮の年齢構成の高齢化」は、「もはや無視できないところまできているのでは?」と正直読んでいます。

 そもそも、宇都宮の年齢構成の高齢化は、「2021年の年明け」から、既に囁かれ始めていました。そう、「2021-2022の優勝」の以前からです。
 優勝したシーズンからだけでも、単純に「年齢を3歳、重ねている」になります。

 「比江島(34歳)」「遠藤(35歳)」「渡邉裕(37歳)」「鵤(31歳)」「竹内公輔(40歳)」。
 5人共に、一選手としてはとても魅力的な選手です。ですけど、この年齢面は、正直無視できない。渡邉裕は直近2年は、「限界説→まだできる」を繰り返してる感がありますし、5人の中で最も若い鵤は、昨季はプレーリズムを乱していると映る時期がありました。


 そう考えるとなおさら、とても重要になるのが、手持ちの貴重な若手の成長になってきます、はっきり述べれば「小川」「高島」であると。
 特に小川は、大型のコンボガードとして特大の潜在能力を持ってます。小川が、例えば6thマンとして、「4Qのクラッチタイムを務めて、20分程度の出場時間を勝ち取る」の感じにできれば、「ニュービル-小川-比江島」でバックコート陣を形成できることを含めて、「宇都宮が、最悪のケースを回避できるどころか、比江島が全盛期の間にもう1回優勝を目指せる」を叶えられるベストシナリオといえます。

 このベストシナリオが叶えば、1バスケファンとしてとても嬉しい。そう、比江島が全盛期の間に、もう1回優勝の景色を!と思いますから。
 ですけど、よりドライな現実論を述べれば、「不安・批判を称賛に変えて欲しい、でも…」です。そう、2年前の「22-23」に「半崩壊状態に陥った前歴」があること(というかあれは、普通の球団であれば「崩壊状態」になっている。完全崩壊を免れたのは、宇都宮の選手の「人一倍の勝者のメンタリティー、プロ意識の賜物」といってよい)。あの記憶があるだけに、次に何らかのきっかけでプレーリズムを乱したら…と。そうなると、待っているのは「年齢構成の高齢化が限界に達して、CS出場に失敗」。そうなって欲し宇ないが、いまの自分の正直な想いです。



 秋田(東地区の「Xファクター」。「スタイルの明確性」が報われるか)。


 「Bリーグの『サンアントニオ・スパーズ』あるいは『マイアミ・ヒート』」。この意味の由来は、スパーズは「グレッグ・ポポビッチ」、ヒートは「エリック・スポールストラ」という「同じ1人のHCが10年以上に及び、同じバスケスタイルを追い求め続けている」ことからです。
 そう、秋田のバスケスタイルは「前田顕蔵」という刻印が強烈なほどに刻まれている、「アグレッシブな守備からの走るバスケ」という意味で。

 自分、秋田のバスケスタイル、大好きなんですよね。ですので、21-22にCS出場を叶えたときは、最高にとても嬉しかったのです。
 というか、自分のBリーグの初めての生観戦は、2020年2月、「大阪vs秋田」ですし。


 秋田といえば、「志向するバスケスタイルの明確性・一貫性」もですけど、オフの移籍市場のたびに、「環境を変えれば、キャリアを改めて上昇基調にできる選手」の移籍先候補に挙がってきてます。
 「比江島(2021年。なお資金力)、ベンドラメ(2022年。交渉のテーブルには就いたといわれてるが、資金力の壁)、辻(2023年。なお資金力)」。
 いずれも確かに、「もし秋田への移籍が実現していれば、秋田に足りてない要素を持ち込めて、秋田がさらなる高みへと辿り着けたのでは」です。
 そう考えると、今オフに退団しましたけど、古川(現京都)が秋田に在籍したこと(それも5年間も!)は、秋田の歴史においてどれほどのプラスであったか、と想像の感じです。

 で、いま正PGの熊谷。昨オフに移籍入団でしたけど、熊谷の補強は、秋田の球団史において、エポックメイキングなことであったと伺う。
 勿論、良質のPGです。「オールスターレベル」ではあると映ってます。でも裏を返せば、「秋田が手が届くMAXの選手」であるともいえる。

 でも、秋田を不思議と応援したくなるのは、いわば「雑草魂が『CSレベルの球団』に真正面から立ち向かい、CS出場、その先を叶えようと、一心不乱に努力し続ける姿勢」に、心を惹かれるのかなと感じてます。


 で、今季。「東地区のXファクター」の立ち位置の解釈ですけど、いわば「3強には少し届かない、でも、4弱よりは明らかに上回る」。
 で、昨季の悔しさや失敗が、今季に臨むにあたりむしろプラスになるのではないか、と自分は読んでいます(昨季の序盤ほど、「こんなはずではない」というときは恐らくなかったであろうと想像ですから)。
 意欲的な補強に成功した感じがありますが、やや不安な要素もある、それが「控えPGをどうするのか」です。「育てながら勝つ」を追い求める「秋田らしさの1つ」ともいえますけど、若手(小栗、元田)の成長度合いが鍵を握ることになると。

 秋田の場合、「志向するバスケスタイル」がわかりやすくとても明確ですので、「秋田に行きたくて行く」若手になると耳にします。そう考えるとなおさら、小栗、元田のいずれであれ、今季、何かのきっかけで「ポーン」と伸びる感じのシーズンになって欲しい!、そう強く思うのです。



 越谷(「日本バスケ界最高のHC」と「質量共に拙い日本人選手」と)。


 「東地区の5番手」のパワーランキングとした理由。
 シンプルに、「HCが『魔術師』といえる『安齋竜三』であるから」。
 単純に、手持ちの選手の質(特に日本人選手)だけでいえば、「7番手、もしかしたら8番手もあり得る」の感じです。外国人やアジア枠はとても良質だけど、「外国人におんぶにだっこ」は、強くない球団の典型例でもあるのでと。

 とはいえ、きっかけさえあれば一気に伸びそうな若手・中堅を何人も擁してます。「松山、笹倉、星川、四家」と。いま挙げた4人の中で、「PG/SGの軸」はこの選手である、というのを確立できれば、今季、より面白い存在になり得るのでは?が自分の読みです。
 その中でも特に要注目が、松山。「スコアリング型PG」として、特にその3P能力、クラッチ能力で、直近2年は「B2をとっくに卒業といってよい」の感じで、実は今オフは「個人昇格の有力候補」と囁かれていました。そう考えると、所属する越谷をB1に導く原動力の1人になれて、本人・チームの両方にプラスといえるのでは?と。

 立ち位置的には、恐らく最初はB1のプレーリズムに苦しむかもと想像ですけど、いくつかは印象的な試合をして、昨季の佐賀のように「プチ旋風」を起こす感じは充分にあるのでは?の感じです。
 いずれにせよ、どれほど勝負できるのか、どれほどの潜在能力であるのかを含めて、とても楽しみにしています。



 北海道(「アグレッシブな高速バスケ」がつぼみから花にできるか)。


 いわゆる「4弱」の中で、越谷に次ぐ「東地区の6番手」に置きました。
 ただ、直近2年は、志向するバスケスタイルが「走るバスケ」と明確になってきた感がある。課題の共有もできつつある感じで、「失点数をできるだけ抑える」。
 昨季は結果こそ「17勝」にとどまりましたけど、内容的に見れば、もう少し勝利数があってよかった。

 1つのバスケスタイルを熟成させて、今季が事実上の3年目。積み上げたものを「つぼみ」、そして「花」にできる年にしたい。ラモス、島谷という軸がいて、寺園、中野も良質の選手です。
 そう考えると、今季の北海道のポイントは、昨季がとても失意のシーズンであったのに、「ぜひうちに来て欲しい」で補強した、盛實。島谷とガードコンビを形成させる構想であると伺います。
 「まとまった出場時間が叶えば、一気に伸びる潜在能力を持ってる」。ずっとそう指摘され続けてきました、で、今季、このときが来たと。


 現行制度のBリーグでは、「MIP」(「Most Improved Player」。「最も成長した選手」の意味)がありません。ですけど、昨季に阿部(島根→仙台。今季はSR渋谷)が、仙台で「まとまった出場時間」を叶えて、一気に才能を開花させたように、より客観的に考えれば、今季は盛實がそうなるときだよ!と。
 盛實と共に、爆発力や3P能力、FT能力に優れる中野も、6thマンとして特に勝負どころ(これがクラッチタイムだとより望ましい)での輝きに期待したいです。直近2年、故郷に近い関西圏の球団への移籍の噂がありながらも、いずれも早い段階で残留した。恐らく「生涯北海道」を心に決めている、と考えてよいと映ってます。
 だからこそ、盛實も中野も「さらなるステージへと、駆け上がって欲しい!」、それが北海道を「30勝ライン、さらにその先へ」と導く原動力になり得る、そう映るのです。



 仙台(「点を取らなければ勝てない」。日本人選手の質の拙さが…)。


 節のタイトルの通り。「Grind」「まずは守備ありき」の球団カルチャー、確かに理に適っていると映ってます。昨季の「27勝」は、数字以上の成長を感じさせました。
 ですけど、この「27勝」に導く原動力になった阿部は、わずか1年で退団しました(SR渋谷へ)。それに、若手では得点能力でより期待感がある渡部も、あっさりと移籍を選びました(広島へ)。

 外国人、アジア枠の質は、確かに期待できる感じがあります。ですけど、今季の選手編成をみる限り、「日本人選手の軸(フラッグシップ)、誰にするイメージなの?」と。これを明確に見出せなければ、昨季の反動をも含めて、一気の失速リスクになり得る、そう映ってます。
 脆さが否めない茨城よりは大崩れリスクが小さいとの判断から、7番手と位置付けているけど、パズルがはまったときの期待値の意味では、自分の中では、正直「8番手」です。


 この「漠然とした不安感」を期待・希望へと昇華できる存在がいるとすれば誰か。自分は「半澤」を挙げます。
 昨季の京都で、「まとまった出場時間さえあれば、良質な守備型になり得る」ことを、証明した感があります。でも一方で、出場機会自体は不安定な感じが否めなかった(というか、ここで半澤を起用して、大量失点リスクを抑止したいのにそうしない場面が、正直とても目立ってた)。

 それが、今季は正SGが有力視されてます。半澤は2ndハンドラーでも機能できますので、これは確かに理に適っていますし、守備時は「ナチュラルなミスマッチの誘発」になります(しかも半澤はパワーを併せ持つので、PFまで対応できることも魅力です)。

 正直、日本人選手は質量共に不安感が否めない。ですけど、半澤、あるいは渡辺翔太が、さらなるステージへとステップアップを遂げられれば、「嬉しい驚き」へと導けるかもしれない。
 特に半澤は、昨季を通して、「持っている潜在能力は、こんなものじゃない」と感じていたので、それをも含めて、正直とても期待しています。



 茨城(「高速バスケ」自体は魅力だが、拭えない「大崩れリスク」)。


 直近2年。「高速バスケ」という「志向するバスケスタイルの明確性」自体は、「観ていて楽しい」と正直映ってました。言い換えれば、「崇高な理想である」と映るし、日本人選手の傾向・気質に照らせば、むしろより理に適っていると(勿論、みんながみんな、「高速バスケ」「走るバスケ」に向いている訳ではない意味で、「ハーフコートバスケの球団」も必要であると映ってます、この典型が「A東京」「SR渋谷」といえますし)。
 ですけど一方で、「GMとHCが同じ方向を向けていない」の感じも隠せずで、昨季の11月に、「GMの解任」の決着になりました。

 とはいえその一方で、「雰囲気自体はとてもいい」んですよね、昨季は最終的に「12勝」で、ぎりぎりのB1残留でしたけど、そのような逆境とは思えないほどに、選手は同じ方向を向けていた感じでと。
 これは、「平尾、鶴巻、中村功平」と「コアメンバーが明確」であったことも影響しているかなですけど(特に平尾は、応援球団の枠を超えて、「一緒に仕事ができると、とても素敵だろうなあ」と、昨季に特に「島根vs茨城」の生観戦で強く感じました)。


 ただ、今オフの補強、意欲的なのは伝わりますけど、「ギリB1レベル」がずらりと並ぶ感じ。「プラスアルファ」をもたらせそうといえるのは、正直フランクスくらいです(フランクスは、ルーク・メイとの「事実上の交換トレード」の感じになった。ただ、フランクス自身は、豪州NBLで良質のパフォーマンスをしてきた選手ですし、アンセルフィッシュな意味でも、ある程度以上の期待感はあります)。

 そう、全体像をみれば、「滋賀よりはさすがにまし」だけど、「18勝ライン」を想像できるかというと、「うーん、どうだろう…」と。
 視点を変えれば、ステップアップを遂げる若手・中堅が2人程度は出てこないと、想像以上に厳しいシーズンになるかもしれない、ある程度の段階で「新B1開幕の2026年秋に照準を合わせての、土台作り」と割り切る決断があり得るシーズンになるかも、そう映ってます。



 では、「各地区別の展望」、(その3)では「中地区編」を綴らせて頂きます。


 【バスケットボール#48B】

いいなと思ったら応援しよう!

愛球人
よろしければサポートを何卒御願い申し上げます。頂いたサポートは取材・発信のための費用に使わせて頂きます。