欲しいものは本の中にあった。【本を読めない人間が読書習慣を身につけるまで】
1. 本が読めない本を読めないというのがコンプレックスだった。
素敵だなと思う人は読書家が多い。本の話題が出るたび、読まなきゃな……という気持ちと、そう思いはするものの読んでいない己の怠慢さを突きつけられるようで苦しかった。
本を読む人たちはどこかで聞いたような話ではなく自分の言葉で語った。そんなところが羨ましかった。でも、読むことすらしていない自分は羨ましいとかそんなことを言える土俵にもいないのである。
私は元々本の虫だったのにある時から読めなくなったタイプだった。
小中