お前にまだ残っておるものは何じゃ

ワンピースのジンベエのセリフが好きだ。
「失ったものばかり数えるな。お前に残っとるもんはなんじゃ。」
たしかこんなセリフだったと思う。

このシーンは人生の指針であり、常に背中を追いかけてきた兄が死に、
救いだせなかった自分を責めるルフィに放った一言だ。
私は何かの壁にぶつかった時、よくこのセリフが浮かんでくる。

人に迷惑をかけるような失敗は自分の無知さ・愚かさを責め、自分のことが嫌いになる。
そんな時ジンベエのセリフはまた違った意味で私を励ましてくれる。
「自分のダメなところばかり数えるな。お前のいい所はなんじゃ。」
自分の悪い所は昔からそう変わらないはずなのに、

どんどん大人になるにつれて
今まで気が付かなかった自分の性質を自覚する。

そうすると「自分はダメな人間なんだ」と思い込んで落ち込むことが多くなる。
小さい頃は自分の全能感しか感じなかったはずなのに。

だけど大人になった今でも自分の本質は変わらない。
いい所・悪いところ含めて自分の性質であり個性であり、自分を形作る人間性である。
子供のころに感じていた全能感は、見えにくくなっているだけで確かに自分の中にある。
自分の悪いところだって失敗を重ねるごとに少しずつ改善しているはずだ。

「一点だけを見つめるな。広い視点で見ろ。」
ジンベエ親分のセリフはこういうことだと思う。

ありがとうジンベエ。

普段冷静で大人なジンベエがギャグかましてくるところもスキ。