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星降る朝に

なぜかしら朝4時に目が覚めて

ぼんやり窓の外をみると

真っ暗な世界に満点の星空。

窓を開けると、一つ星が降った。わ!

また一つ。お!

たった5分くらいのうちに10個以上の流れ星をみて、静かに心が大騒ぎ!


これはただ事じゃないと、寝ている夫に速報を伝え

私は一人、コートを羽織ってバルコニーへ出る。

外はマイナス2度。

空気は澄み、晴天に星が瞬いている。

そしてまた一つ、星が降る。


大きな星が流れ、心がまた跳ねたとき、

「スゴイィィィーィ!」

向こうの方から、どこかで聞いたことがある声。

(ん?日本人?だれ?近所の人?)

一瞬、私は自分がどこにいるか混乱した。

夫だ。

起きてきて窓から眺めているらしい。

たどたどしい日本語の中でも板についてきた「スゴイ」が活躍した。


もはや途中から数はどうでもよくなったけれど、

30分もしないうちに、30個以上目撃したと思う。

降るたびに、ココロおどる。

大きい、小さい、長い、短い、ゆっくり、速い、明るい、うっすら

ダブルで流れたり、奥行きを感じさせる方向に向かってきたり

星空のショー。


まさしく星降る夜、いや朝だった。

後から調べてみると、ふたご座流星群の季節とのこと。


つゆ知らず朝4時に目を覚ました私を

夫は不思議がりながらも

「星があなたを呼んだんだね」と言った。

英語だからか、そういうことをサラッと言ったり聞いたりする。


見上げていた首が痛むのに気がつく。

草食動物のように視界を広げて、

夢中で流れる星をキャッチしていたときには気にもならなかった。

雪が積もった山は、白いシルエットをあらわしはじめていた。

夜と朝の間のなんともいえない

現実なんだが夢のような時間を

自宅なんだが旅のような感覚を

私は痛む首を回しながらそっと経ていたと思う。



さて、きっかけはなんでも良い。

今日から始める。ずっとやりたかったことを。


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つい昨晩だ。

ある物語の本を手にとりひらいて、

ずっとやろうと思っていたことを

まさに始めようとしていたタイミングに、

宇宙さえ華々しいショーで開幕してくれた。

(そういう都合の良い解釈は得意だ。)


私は人生というストーリーを生き

ストーリーが私という人を形作る。


ストーリーの書き下ろし。

はじまりはじまり。


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