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分からねえ

朝、眠っている息子を起こしていると、最近起きぬけに言われることがある。

「…小学校行きたくない」

あー…きたかー。
予想よりも早かったなー、というのが正直な感想だ。
入学式でみんなに祝われて、その勢いだけで駆け抜けてきた1週間。そろそろその雰囲気も無くなり、現実と向き合う時期になってきた。

毎朝早く起きなければならず、
毎日行きだけで1.6kmも歩かなければならず、
学校でも勝手が分からずに怒られたりして。
そりゃあ、イヤになっても仕方ない。
ただ、そのまま休ませるわけにもいかない。
無理やり起こして学校へ送り出す日々。

そんな中で、今夜寝る間際に真剣な表情で相談された。

「ねぇ、ぼくさ、小学校行くのイヤなんだけど」

半ば泣きそうなのを堪えている感じもある。

んー…なんで?
とりあえず聞いてみる。

「だって、1人なんだもん」

なかなか人の輪に入っていくのが苦手なタイプらしい。
自分から声をかけることができないようだ。
こども園から一緒に小学生になった知り合いの子は別のクラス。登校班にも知り合いはいない。

「なんで小学校に行かないといけないの?」

んー…。
答えにつまった。
単純なようで、とても難しい質問だ。
なかなかうまく答えが見つからない。

たしかに、なんで行かないといけないんだろうな。
義務教育だから、とか、勉強しないといけないからとか、そういうことじゃなくて、息子をちゃんと納得させることができる理由。

分っからねーなー…。
正直、今のところ見つからない。

とりあえず、息子と一緒に布団の中で色々と話してみる。こうしてみたら?これは?など提案してみつつ。そうこうしてる内に、息子はそのまま寝てしまった。

真っ暗な中でふと考える。
自分が小学生時代って、どうだったっけ?

なんだかんだ、保育園から持ち上がりで知り合いはいた気がする。何なら一年生の時の帰宅先は通っていた保育園だったから、どこにいてもある程度のホーム感はあったのだと思う。
対して、今の息子にとっては全てがアウェイ。
そりゃ大変だよな。

ただ、このアウェイを逆転させたら凄く良い経験にはなるんだけどな。まだ難しいか。

毎朝励ましながら、一方では遅れるから急げと怒りながら、息子と共に模索の日々は続く。



(note更新140日目)

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