見出し画像

ねこ湯たんぽができるまで。

ウチの猫の「まるお」は、基本的に鳴かない。
保護猫として我が家に来た時から、ずっとそう。
時々、まるで話しているように鳴く猫達が、僕のInstagramのタイムラインに流れてくる。「本当に同じ猫?」と思うくらい「まるお」は声を出さないのだ。だから、怒って唸るような様子は見たことがない。一方で、甘えて鳴いてくることもない。ついでに言うと、ゴロゴロと喉を鳴らすこともほとんどない。

今では当たり前になっているのだが、これには最初少し困った。喜んでるのか、嫌がってるのか、「まるお」の気持ちが全然分からない。決して声が出ないわけではない。でも、声を発することが極端に少ないような気はしている。

ただ、こちらの言葉は覚えているようだ。
名前を呼ぶと、こっちを見てくれる。「ごはん」と言うと、シッポを立ててエサ皿へ軽快に歩いていく。

なるほど。こういう猫なんだな。
人だって、おしゃべりな人もいれば無口な人もいる。猫だって、きっとそうなんだろう。3年経ったいまでは、ようやく理解できてきた気がする。

「まるお!」

呼ぶと、奥の椅子の上で座っていたまるおがこちらを向く。目を合わせたまま、こちらはヒザをポンポンと叩く。すると、椅子から下りてゆっくりとこちらに歩いてくる。それに合わせて、僕もまるおのお気に入りの毛布を手元に手繰り寄せる。
すると、ピョンとヒザに飛び乗ってきてゴソゴソと居心地の良い体勢を探る。その間に、僕は毛布を上からパサッとかけてあげる。
はい、これで膝上のねこ湯たんぽ完了。

猫も、僕も、両者とも温かいからWinWinの関係が成立する。この姿勢で、1時間くらいは平気で溶ける。まるおは、そのままグーグーとイビキをかきながら寝てしまうこともある。

無口な猫ではあるけれど、意思疎通はできるようになってきているはず。まるおも大事な家族の一員。幸せに暮らせるように努めたいと思う。

いいなと思ったら応援しよう!