エッセイの先、創作のふもと
去年の11月下旬から更新を始めたnote。
基本的には身のまわりで起こることをエッセイにして発信してみようと始めたのだが、「これは手を出せない」「自分には無理だ」と思っていたものがあった。
それは創作。
ショートショートや短編小説の類だ。
登場人物や場面設定、構成など全てを作り込んで文章にするなんて、絶対無理だと思っていた。
小説やショートショートなどは、実はCMと似ている。極端な話をすると、全てが作りものなのだ。「美味しい!」プハーッと表情豊かに映像で表現されるドリンクのCMも、そういう設定で作り込まれたもの。
だからこそ、その1カット1カットに無駄なものは何もない。画面の端に写る小道具ひとつにしても、その設定のために意図的に置かれているものなのだ。
小説も同じで、無駄な文字・無駄な言葉はない。全てがそこにあるべくして書かれたものだ。
自分にそんなモノが作れる気がしなかった。
ただ、ある程度毎日noteを更新し、毎日ある程度の量の文章を書いて5ヶ月ほど経った時。
ふと、思えたことがあった。
あれ?もしかして今なら何か書けるかも。
そこで、仕事が始まる前の1時間を創作ネタを考えたり、書いたりする時間にして、仕事から帰ってきて寝る前の1時間はエッセイを書く時間にした。
そんな日々を過ごしていた中で見つけたのがこの企画。
「夏ピリカグランプリ2022」
noteのクリエイター ピリカさん主催の、創作コンテストだ。今回のテーマは「かがみ」。文字数は1200字以内。
審査員は、小説やショートショートを日々書いているクリエイターのみなさん。そんな方達に自分の書いたものを読んでもらえるという、豪華な企画だ。
実は、noteの更新を始めた時「冬ピリカグランプリ2021」が開催されていることは知っていた。ただ、創作なんて自分には縁遠いと思っていたので参加することは諦めたのだった。
だが、今の自分なら何か書けそうな気がする。
そんな気持ちから挑んでみた「夏ピリカグランプリ」。
たかが1200字と思うかも知れないが、めちゃくちゃ奥が深かった。書いては消し、思いついては直し、を繰り返した。
「あー、この言葉だと文字数オーバーだ。違う言い方にしよう」
「あ、こんな設定を思いついちゃった。どうしても入れたいから、どこか削らねば」
こんなことを一人で繰り返し、書き終えてエントリーしたのがこの作品。
その結果が、今日発表された。
応募総数は138作品。
その中で、なんと!
審査員全員による投票制で選ばれた10作品に贈られる「すまスパ賞」をいただけたのだ。
本当に!めちゃくちゃ嬉しい!
審査員の方の講評も嬉しい。
創作のいろはを知らない状態で書いてみて。
自分なりの全力を出してみたのだけど、その力の出し方が正しい方向なのかも全然分からなくて。
全く評価されなかったら、これは本気でヘコむなぁなんて不安になってみたりして。
だから、結果が出せて本当に良かった。
自分の進んでる方向が、どうやら間違いじゃなさそうだということも知ることができた。
今回の夏ピリカグランプリ2022。
こんな素敵な企画を毎回してくださる主催のピリカさんや運営の方々、審査員の方々に本当に感謝。
そして、自分以外のたくさんの応募作を読むことができて、これも楽しかった。
当初、何か確固たる目的があってエッセイを書き続けていたわけではなかった。ただ、続けていたらいつの間にか創作のふもとまでたどり着くことができた。
この先もまだまだ歩き続けたら、どんなとこまで行けるんだろう。
先が見えないからこそ、ちょっとワクワクしている。
(note更新225日目)