春うらら
朝7時55分。
「いってきまーす!」
息子と一緒に家を出た。
天気は快晴。外はまだ少し肌寒いが、雲はほとんどなく穏やかな朝だ。
これまでなら2人で一緒に車に乗ってこども園へ向かっていたが、4月からは違う。近くの児童クラブへと歩いて行く。今日で息子が児童クラブへ行くのは3日目。ちなみに自分と行くの初めてだ。
俺さ、一緒に行くのが初めてだから、入り口がどこか教えてくれる?
息子に聞くと、自信満々に「うん!」と答えた。
「教えてあげるから、ついてきて!」
少し先を得意げに歩いて行く。
この前まで手をつないで登園していたのに、それが遠い過去のよう。こどもはどんどん成長していってしまう。
嬉しいような、少し寂しいような。
児童クラブに着くと、こどもの背の高さの位置にボタンがあった。
これ、押すの?
聞くと、息子は頷いて躊躇いなくボタンを押した。
すると、児童クラブのスタッフの方が入り口まで出てきてくれた。
「おはようございます!」
息子に向かって話しかけてくれる。
息子は恥ずかしがりながら挨拶を返した。
「言えたね!偉い!」
見るからに優しそうな先生だ。
親としてもホッとする。
じゃあ、頑張ってね。
息子と別れて家に戻る。この後、いつも通り車で会社に向かったのだが、着いてみるとこれまでより30分ほど早かった。
あらら。どうしようかな。
ぽっかりと空いた30分。
これまでこども園に行くのにかかっていた時間が、そのままスライドされて自由になった形だ。おそらくだが、息子が小学校へ入学したらその自由な時間はさらに増えるだろう。
どうせなら、この時間を有効に使いたい。
どうせなら、新年度だし少しチャレンジしてみたい。
色々考えた結果、この時間でショートショートを勉強してみようと思った。今後書くにしろ、書かないにしろ、色々読んでおくことは良いことだ。きっと。
手始めに星新一さんの「ボッコちゃん」を買って読んでみる。星新一さんの著作の中で、厳選された50篇が掲載されている本らしい。そして、あのカズレーザーさんが絶賛しているらしい。
なるほど。
こういう構成がショートショートなのか。
初めて触れる話ばかり。
少しずつ勉強して、そのうち書けるようになりたいなぁ。
そんな思いを胸に、これから朝活してみようと思う。
(note更新125日目)