台風のピークあけに、『好評』
9月19日朝の出来事。
夜中に直撃した台風は、朝方には宮崎から抜けたようだった。家から出て、閉めていた雨戸を元に戻していく。晴れ間は見えているが、風はまだ強い。天気予報では「昼過ぎまで強風域に入っているので注意」とのことだった。
家の周りを歩いて回ると、葉っぱがたくさん散っていたり、近所で折れた木が飛んできていたりしていた。昨晩の風の強さが見てとれた。
そんな中、家の周りを一周して玄関前にやってきた時に、思わずギョッとした。
なんと1m弱くらいの看板らしきものが落ちていたのだ。
…え、これどこから飛んできたの?
辺りを見回すが、どこから飛んできたのかは分からない。ただ、あれだけ強い風と雨を伴った台風だ。これくらいのことがあっても仕方ないのかもしれない。そんなことを思いながら、裏返っていた看板をめくった。
すると、看板にはこう書いてあった。
『好評』
うるせーわ!
何が「好評」だ!
ウチはいま絶賛停電中だよ!
文字のフォントといい、色使いといい、絶妙にイラッとする。でも、何となく可笑しくなって息子と一緒に笑ってしまった。
近所に住む自治会長さんと、たまたま家の前で会って話をしていると近所のモデルハウス展示場から飛んできたものだろうという話だった。
「好評分譲中」
この文言の「好評」だけが、飛ばされてウチの玄関まで飛んできていたのだ。
「よし、返しにいこう」
そう言う自治会長さんの後を追って、一緒に少し先の展示場へ看板を返しに行った。
無事に返し終わり、駐車場側からの勝手口から家へ入ろうとした時に遠くの方で同じような看板が見えた。そこには「分譲中」と書かれていた。
「分譲中」よりは「好評」の方が面白いな。
そんなことを考えるくらいの心の余裕があることにホッとした月曜の朝だった。
(note更新276日目)