「人間は、人間のことが、思いのほか大好きだ」
私は、楽しそうにしている人のことが好きなんだ。楽しそうに、自分が好きなものや面白いと思っていることについて表現する人たち。aikoのライブとか、カクシンハンの舞台とか、自分の心の奥にあったかもしれないけれど言語化できなかったたくさんの言葉とか。
* * *
cakes note FES'18 (1日目)に参加した。
会うのは2度目のガヤ力高めな女の子との参戦。隣でたくさん笑ってくれて、安心感があった。ありがとう。彼女は水野仁輔さんのファイナルカレー、私は有賀薫さんのスープを手に、1幕が始まった。
はじめに、加藤貞顕さんと深津貴之さんが、noteのカイゼン報告を行った。使いやすさや継続しやすさは、100個以上もの試行錯誤の結果で、"健全な成長"や"安心"、"多様性"がキーワードになっている。だから、あたたかいプラットフォームになっているのか、と驚かされる。たしかに、私も特に露出していないのに、1スキがつく仕組みで、次も書きたくなるなぁ。
パブリッシングパートナーがなんと21社に!という発表には、鳥肌が立った。noteを書くことが、本を出すことの近道になる未来はすぐそこなのかもしれない。たのしみだな。
第2幕は、ザ・理系の世界へようこそ。加藤さんと深津さんに加えて2名のエンジニアが登場。名人を倒した将棋プログラムPonanzaの作者である山本一成さんと、アメリカのGoogleで働く植山類さん。
エンジニアが発信することについてや、読む人のためのサービス精神を発揮することは文章を書くことも、プログラミングも同じだということなどを、専門的な話でも分かり易い例えを使ってお話されていた。自らが楽しくて仕方ない、ということが伝わってきた。
タイトルは、山本さんの言葉から引用させてもらった。
AI同士の将棋をみるより、人間はなぜか、人間対人間の試合を見ているし、藤井聡太さんのお昼ご飯が気になる。人間は、人間のことが大好きなんだなと、最近気付いた、と話していた。
第3幕はサクちゃん×スイスイ×Dr.ゆうすけ さん3名でのトーク。彼女たちの軽快で気持ちのいいやりとりは、いつもnoteでみていて、目の前でスイスイサクサクよむラジオの収録が行われているようだった。
3人とも、それぞれに違うし、同じ価値観を持っているわけではなくとも、それぞれに違うことを面白がり、会話が深まっていき、聞いているこちらも自分の心の中で対話のきっかけが見つかるような、やわらかく優しい雰囲気でトークは進む。"寄り添う"という言葉についてや、3人それぞれの書くことについても聞くことができた。
印象的だったのは、「書くことで自分自身も幸せになれるか」「人格や思想で世の中とつながるコンテンツをつくりたい」というゆうすけさんの言葉。私自身、体裁を整えたり、人の目を気にしてしまうことは、意識せずに行なってしまっていることだから、怖くなったら、引き出しから取り出そう。
事前に募集したお悩みに、スイスイさんが答える時、たしかにその人になっていくのを目の前で見ることができて贅沢な時間だった。
第4幕、お二方が登壇されて、あれ?しいたけさんって女性だったの??美しすぎる、、、と動揺していたら、サポートされているお母ちゃん的な役割の、ざまさんという方。(たくさん見ちゃう、、、素敵、、、)
しいたけさん×みずのけいすけさん×ざまさんの3人でお話がやわらかくスタート。
なぜ占い師になったのか、noteを始めたこと、そしてnoteを人格化?して占った結果…など盛りだくさん。
しいたけさんは、タバコ屋のおばちゃんとか、会社を引退してそのへんをぶらぶらしているおじちゃんとか、そういう存在になりたい。頑張り疲れている人に対して、頑張れって言いたくないし自分もあまり言われたくないから、そういうスタンスでいたい、とやさしい声で仰っていた。
みんなの声や反応が見られる場所がすごく楽しい、というようなことも仰っていたので、書くってやっぱり相手の反応があると嬉しいし、私自身も思うばかりでなく、たくさん声をあげて応援したいな、と思った。
さあ、1日目最終幕のテーマは"エロス"、とはいってと真面目なお話なのかなぁ、、と思っていたら、写真もメモも殆ど取る暇がないくらいに笑って過ぎ去った40分だった。予防医学の石川善樹さん×エロデューサーの佐伯ポインティさん。
佐伯さんのことは、Twitter上でサイボウズのあかしゆかさんが"ポイちゃん"と呼んでいて知った。こないだの女装男子の記事も素敵だった。
ただ、実際は、はるかに想像を超えた未知の世界を垣間見せてもらった。
最終幕の個人的名言は、「エロス・政治・宗教 意外といろいろ試さない」いろんな人がいて、価値観があって、受け入れた上で面白がってくれる人がいる。最高!おふたりのお話が、緻密に計算された漫談のようで。明るいエロって自分のなかでは新ジャンルだったので、猥談バー、ちょっと興味あるな。佐伯さんが話しやすいからなのかもしれないけれど、もっといろんな人に会っていろんな話を聞きたい、と何度も仰っていたのが印象的。もっと自分が話したい、という気持ちが大きいのかなと思っていたけれど、逆なんだ!と。あー、笑った笑った。世界が広すぎて面白すぎた。
* * *
noteやcakesに行けば、広場みたいに、街みたいに、いろんな人に会うことができる。知らない世界を教えてもらえる。それってすごく幸せで、あたたかくて、やさしいな。
たくさんの刺激を浴びて、感じたことや考えたこと、その種になるものを自分の中で育てて、またnoteに書いていきたい。
書くことに対して、不安や小さなプライドが顔を出してきたら、サクちゃんの言葉を思い出そう。「とにかく書いたらいいよ。まず、書き散らかせ!」
長くなってしまったし、今も余韻フェス中だから興奮そのままに伝わりにくい文章になってしまっている自覚があるけれど、この日のこと、大切にするために、覚えているために書き留めておく。最後まで目を通して下さった稀有な方がいらっしゃいましたら、ありがとうございます。来年も楽しみだね。