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【人生相談】お金持ちかっこいい!そうなりたいと思うけど今はお金がないから無理なんです
「先生、お金持ちになるには高級なお店や高級なホテルに泊まらないといけないですよね?」
「え」
「先生はファーストクラスで海外旅行されたり、五つ星のホテルのスイートルームに宿泊されてますよね。そんな風にお金を気にせず最高のサービスを選べる自分になりたいと思うんです。だからフォロワーさせてもらっています」
「ふうん」
「そんなリッチな選択をする自由を持ちながら、寝袋にテントを持ってサバイバルなアマゾン探検をしたり、宮古島のサンゴ礁の海に素潜りしたり、一見学生さんたちのような選択をすることができるようになりたいんです」
「はぁ」
「お金がないとできない選択がたくさんあります。ファーストクラスのチケットは、悔しいですが今はとても手が届きません。いずれ買えるようになりたいです!海外で生活と言っても、生活費の安い東南アジアならまだしも、ヨーロッパはとてもお金がかかりそうなのいで、貯金を取り崩すだけになりそうです。現にイギリスに留学してそのまま現地で就職した友人がいるのですが、いまだに親からの仕送りに頼っていて苦しい生活だという話を聞きます。バックパッカーの旅は楽しそうですが、それしか選択肢がないから、という制限がイヤなんです」
「ふん」
「自由を得たい。お金持ちになって自由を得るには、お金持ちがやっていることを真似して、お金持ちみたいに考え、そのように行動することが近道ですよね。だから、普段はなるべく節約して、たまに貯金を使っていいお店で食事するようにしています」
「そう」
「先生はそう教えていらっしゃるんじゃありませんか?」
「ノー」
「違いますか?」
「違うな。誤解している庶民がものすごく多いと思うので、はっきり言わせてもらう。本来の自分を生きるとは、お金あるなし全く関係ない。と思うぞ」
「・・・いや、でも、自由を得るにはお金持ちにならないと無理では?時間もお金もないと、好きなことができないですよね」
「あるもんの中で工夫するのも楽しいけどなー」
「それはわかります。吉野家の牛丼にマヨネーズをかけたり、七味をかけたり、醤油をかけたりして味のバリエーションを楽しむ感じですよね?」
「若いな」
「的外れですか?」
「いや、意味はまぁそうだけど。大切なことはね、やらなければならないことは何もないということ。と私は思っておるよ。やらなければならないことを言い換えれば『義務』だと仮定するなら、義務には二種類あるはずだ。憲法上定められた義務。そして、社会的義務」
「・・・ええと、そうですね、そうかもしれません」
「わからないならわからないと言えばいいのだよ。 で、憲法で定められた義務は、勤労・納税・教育ってことであってるね?」
「はい、そう学校で習った気がします。うら覚えですが」
「うむ。社会的義務というと、社会生活を行う上で最低限守るべきルールみたいなものだろうね。規範とも言い換えられる。例えばニッポンなら目上の人への敬語だとか、時間を守ること、約束を守ること、身だしなみ、非俗なことであれば『空気読め』というようなことかな」
「そうですね。義務っていう言葉で言うとちょっと難しく感じますが、わかります」
「歴史を振り返ると、まぁなんと義務を覆した人たちが多かったことだろうね。例えばナポレオンなんて王様たちが支配してたヨーロッパを、平民が支配するなんて言って席巻しちゃった。坂本龍馬さんなんて、他国に無許可で行くのは重罪なのにぴょんぴょこ飛び回っちゃってたし、ライト兄弟なんて人間は空飛べないのが常識なのに、飛行機で飛んじゃったし」
「・・・そうですね。言わんとされてることはわかります。義務って信じられてることは、実は破られるためにあるような。でも、先生、話は、お金持ちになって自由を得るためには、お金持ちと同じように振る舞えばいいのかということじゃなかったですか???」
「自分らしくしていればいいのよ」
「自分らしく??」
「そう。お金があってもなくても、自分は自分じゃないのか?生まれた時、手に一万円札でも握ってたか?違うだろう。わかるよ。お金持ち魅力的だよな。憧れるよなー。でもなってみて思ったけど、お金以外の人柄とか品格とかヴィジョンとか在り方のようなものの方がずうっと大切だよ」
「・・・・」
「うん。よく言うよな。お金持ちを否定する庶民って口を揃えて『お金なんていらないもん!羨ましくないもん!足るを知るだもん!』ってね。そう言ってる割には、月末の支払いでゲェゲェ言ってるし、結局ステーキタダで食べれたら大喜びするもんな。結局お金持ちの芸能人とか経営者をフォローしてありが違ってるじゃないか。庶民ってそんなもんだよね」
「・・・すいません、自分もその庶民の一人です」
「どうしたいか、だと私は思うよ。心からそうおもう。本来の自分を生きるには、まずありのままの自分を認め、愛すること」
「はぁ」
「それには、芸能人とか経営者とかベストセラー作家だとか、そういう社会的にエライとされている人の情報を完全にシャットアウトすることだ」
「え?!でもシャットアウトしたら真似できませんよ??先生がおっしゃる『学ぶは真似ぶ』から外れるのではないでしょうか?」
「そうね。彼らとお付き合いしている限り、真似る意味ゼロだと私は思う。つまるところ、みんな違う人間だからね。私は私。あなたはあなた。そりゃワンネスだって言って、根底では同じなんだが、とは言っても違うよな。私は男だし、道を歩けば女がいる。日本人だけど、中には外国人もいる。育った環境も生まれ持った才能も違う」
「そうですね・・・でも、ガイドラインというか、どうすれば上手くいくのか、その方法だけでも知りたいと思うのはいけませんか?」
「根本的にズレてるよな。その質問が。まず、何があっても上手くいくと信じることから始まるから」
「えぇー」
「ま、信じるものが救われるってやつじゃん」
私はお金が大好きです。
ラグジュアリーなホテルや、気の行き届いた素晴らしいレストラン、それに手間隙をかけて製作された音楽や芸術も大好きです。
https://www.instagram.com/p/B7Io7dIAToa/
しかし、世界中飛び回り、現地の言葉を習得してその土地その土地の方々と心を通じ合わせて交流している気づいたことがあるのです。
自分らしくいること。
本来の自分で在ること。
それほどに大切なことはないのだと。
私たちが生まれ育った日本を見れば、そのお手本が山のようにあります。
武道、能楽、歌舞伎、刀鍛冶、伝統工芸、日本家屋・・・
自分が自分で在ることを極限の域まで磨き上げること。
アメリカ的な『費用対効果』のコンセプトからは到底割に合わないものばかりです。
しかし、だから日本の伝統文化は世界中で驚嘆されているんです。
トヨタ式『カイゼン』だって素晴らしい日本人の驚嘆すべき美徳です。
同じようにイタリア・ナポリ人たちのおおらかさ・明るさも本当に素晴らしい。
ミラノやフィレンツェ人たちの美意識も。
民族だからと一括りにするわけではありませんが、人間は一人一人違う。だからいい。
だから自分と向き合うこと。
自分は何者か。
自分は何がしたいのか。
何が嫌いで、何が好きか。
それを探求し続けること。
ガイドラインが仏教とか誰々先生とかでもいいのですが。
人間界におけるガイドラインというのはどうしても、政治やお金に多大な影響を受けています。
排除。
心にだけ従う。
それしかない。
部屋の明かりを消す。
好きな音楽をかける。
好きな香りを用意する。
座る。
深い呼吸をする。
感じる。
その瞬間に浮かぶこと。
それが答えだ。
と私は思う。ぴょん