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なぜかバズった話

先日、Twitter上で何気なくつぶやいた一言がネット上で話題になった。いわゆる「バズる」というやつだ。「ツイッターをやっていると必ず一回はバズる」という都市伝説を聞いたことがあるが、どうやら事実だったようだ。たぶん二度とない経験なので、そのときの心の動きなどを忘れないうちに書き留めておこうと思う。
実際のツイートはこちら。

いいね:34,750件
リツイート:6,940件
インプレッション:1,764,220件
(2021年3月12日時点)

おそらく一生分の「いいね」をいただいたと思う。

流れとしては、いつもどおり軽い気持ちでつぶやき、一時間後くらいに開いたら200いいねくらいがついていた。
普段は20~50くらいついたらいいほうなので、その時点でとても驚く。
その後も誰かがリツイートするたび、比例していいねもぐんぐん増えていく。
普段は、家族とTwitterのことについて話すことはないのだけれど、500いいねを超えたあたりで、一人で抱えることができなくなり、思い切って伝えてみた。
そのときは家族も喜んで「1,000いいねを突破したら、明日はケーキでも買おうか」「いや、1,000超えるとかありえないよ」なんて、呑気に話し笑いあっていた。

深夜0時過ぎ、いつものように猫に起こされたので、ついでにTwitterを確認してみると……、なんと! 1,000どころか2,000を超えている。
「これがバズるってやつか…」と眠気も吹き飛び、噂に聞く『バズったら宣伝していい』を実行してみたりする。

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翌朝起きると、元ツイートは8,000を超えていて、ありがたいことに宣伝ツイートにも沢山いいねがついている。
画面を見ていると、目の前でリツイート数といいね数がくるくると回り、数が見る見る間に増えていく。このあたりから段々と恐怖を覚え始める。

日中は会議などが立て込んだこともあり、しばらく忘れていたが、昼休みに開くと10,000を大きく超えていた。リツイートといいねは最大直近100件しか表示されないので、少し目を離すと誰がいいねをしてくれたのか分からないほどの速度だ。恐怖感はさらに増していき、喜びを完全に上回る。怖い。そんなに面白いことを書いたつもりじゃないのに、こんなことになって本当に怖い。
休憩中、家族から「まとめサイトに転載されているよ」とLINEが届く。うわ、本当だ。しかも複数のサイトに載ってるじゃないか。なんだなんだ、いったい何が起きているんだ。そして、いいねがさらに加速する。もう完全に理解の範疇を超えた事象と化している。

でも、ここまでくると感覚が麻痺もしてきて、謎の恐怖感も徐々に薄れてきた。肝が据わるというかなんというか。
リツイートや他サイトのコメントでは「あるあるw」、「読んだことを思い出せるだけマシ」、「二回楽しめてよかったじゃないですか」などさまざまな声が聞けた。多くの人が共感して、楽しんでくれたのだ。やはり、怖がるより喜ぶべきだろう。
特に目を引いたのは「こんなの嘘に決まってる。小説家が創作するなんて世も末だ」というコメント。自分のツイートよりよほど捻りが利いていて面白い。
悔いが残るのは、「こんなに読んでもらえるなら、もうちょっと文章を練ればよかった」ということ。表現とか三点リーダの場所とか、……う~ん、今からでも直したいくらいだ。編集機能があればいいのにな。

2~3日経つといいねも落ち着きを見せ、平常運転に戻る。ほっとする半面、ちょっと寂しかったりもする。欲張りだな(笑)

今回はすごく得難い体験ができたし、自身の感情の動きも興味深かった。小説家としての自分を知ってもらえるきっかけになったのだからプラスしかないだろう。初めてのことだったので動揺して小説が二日ほど書けなかったことはマイナスだけど、これはまあ、どこかで取り戻そう。

今後、無理にバズらせようとしはしない(そんなこと狙ってもできない)けど、ツイッター自体は続けていくつもりです。執筆や観た映画、読んだ本、そして我が家の猫のことが変わらず書き込みの中心になると思いますが、引き続きおつきあいいただけたら幸いです。

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