2024.9.28
「バチカン奇跡調査官」最新刊を読んだ話。
タイトルを日付にするか内容にするかで一生悩んでいる。
「バチカン奇跡調査官 ウエイブスタンの怪物」藤木凛
バチカンシリーズ最新刊、25冊目。
短編集としては7冊目。今回も本編では出来ないような話がテンコ盛り。食が細く貧血気味の令嬢の改善に奔走するロベルトの話。親戚の結婚式に行ったら惨殺死体に出くわして調査することになった話。シン博士に監禁されて何とか逃げようと追いかけっこが始まる話。休日に、未確認生物の調査をしようとしたところ、不審の男を見かけ追いかけたら、なぜか不思議な世界に迷い込んだ話。
個人的には、シン博士に監禁される「受難のカーニバル」がめちゃくちゃ面白かったです。平賀とロベルトが殺される予知夢を見たと、自宅に監禁とようとするシン博士。平賀とロベルトは、何とかその場から脱出するも、なぜか次々とトラブルが起こり、完全にコメディーのノリで始終楽しかった。シン博士が絡むとなぜかギャグ漫画風味になって面白い。本人はすごく優秀なのに。本編でもちゃんと活躍してるのに。ずっとそのままでいて欲しい。
表題作の「ウエイブスタンの怪物」は一番オーソドックスなミステリー。獣に食い散らかされたような惨殺死体と、辺りに広がる「死の森」の噂、呪いの存在など、たまたまその場にいた、ビル&エリザベートコンビとともに共同捜査することになる。バチカンシリーズのネタは未知の何かに見えて、実はまだ知られていない高科学の何かというパターンがわりと多く、今回もまるほどなぁという安心の仕掛けだった。そして最後の番外編「遭遇者たち」、十五とのコラボなんて時代も違うのにどうするのかと思えば、わかってはいたが、もはや何でもありの世界だった(褒めてる)。しかし、コラボじゃなくても、まるで異世界にいったみたいなこの雰囲気がすごく楽しかったので、定期的にやって欲しい。この宇宙人さんも、限定冊子という特別なものから、こうして本書籍に収録されたのがから、何とか本編でも生かして欲しいな。あんなことがあったねとちょっと会話してくれるだけでいい。
ところで、朱雀十五シリーズは遠い昔に読んでいたのだけど、最近新装版が出ていてとても読みたい気分が増し増しになって困っている。もちろん続刊が出たら買いますが、今出ているのは昔読んだからな。書下ろしとかはあるんでしょうか。
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