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喪失感とは?
桜を散っても…
喪失からの出発点
2023年1月4日、「あいから」という私小説を公開しました。数々の苦難を乗り越え、深く愛し、深く愛され、2人の子供に恵まれた矢先に別れが訪れました。その時の喪失感は、虚無感と空虚感に満ち、言葉にするのが難しいほどでした。別れから15年が経過し、子どもたちも成長しましたが、当時抱えた喪失感は大きく薄れています。喪失感を抱えていた時期は、常に辛さが付きまとっていました。もしかすると、その時抱えていた感情や経験を言葉にすることで、同じように喪失感を感じている人の支えになるかもしれません。たとえ少しでも、その支援ができればと思います。
喪失感の多様性:私たちが直面するさまざまな失い
私は離別という喪失を経験しました。彼女だけでなく、彼女を通じて知り合った、家族と呼べる仲間たちとも離ればなれになりました。離別以外にも、どのような喪失感があるのでしょうか?
健康の喪失:病気、事故、老化による身体能力の低下。
仕事の喪失:解雇や退職、キャリアの変化による職業的地位や社会的地位、収入源の喪失。
信頼の喪失:人間関係の裏切りや失望による信頼関係の崩壊。
夢や希望の喪失:目標や夢が叶わない、期待が裏切られることによる失望感。
アイデンティティの喪失:結婚、離婚、退職、移住など生活の変化に伴う自己認識の変化。
離別・死別の喪失:大切な人との関係が終わることによって生じる深い悲しみや空虚感。
「あいから」で描かれているのは「離別」「夢や希望」「アイデンティティ」の喪失です。
喪失の影響:心に巡る感情たち
喪失感を抱えるとき、さまざまな感情が巡ります。私自身、深い悲しみの中で、状況や自分自身への怒り、もっと彼女を幸せにできたのではないかという罪悪感、その状況に至った無力感を感じました。しかし、当時はこれらの感情をうまく言葉にできませんでした。
喪失感に伴う主な感情は以下の通りです。
悲しみ:失ったものに対する深い悲しみや哀しみ。
怒り:喪失の原因に対する怒り、自分自身や他人、運命への怒り。
罪悪感:「もっと良くできたはず」「もっと何か違うことをすれば」という後悔感。
孤独感:自分の感じている苦痛を誰も理解してくれないという孤独感。
不安:未来への不安、失ったものを取り戻せない不安。
無力感:何もできなかった、現状を変えることができなかったという無力感。
今振り返ってみると、当時は誰もが私の苦痛を理解してくれていないと感じ、深い孤独感に苛まれていました。この孤独感が、負のスパイラルに陥り、不健全な発想や行動につながりかねないほどの辛さでした。子どもたちを引き取ることにより、彼女らの存在が私に理性を保たせ、また、子どもたちを通じて社会性を維持できたことが、不健全な行動をとらなかった要因だと思います。
どのように回復したか?
まず、前述の通り、子供たちの存在が私にとって大きな意味を持っていたと考えています。当時、子供たちは4歳と2歳で、毎日の生活は保育園への送り迎え、仕事、そして家事に追われる日々でした。忙しさの中で、余計なことを考える余裕はほとんどありませんでしたが、それがかえって私を支えることになりました。また、意外に思われるかもしれませんが、精神的な支えとなったのは別れた妻でした。彼女は私のことを深く心配してくれ、私が再び幸せになるために積極的に行動していました。自分が幸せでなければ、他の誰も幸せになれないという考えが根底にあり、その想いが徐々に私を変えていくきっかけとなりました。
桜は散れど
桜は散りゆくものですが、次の春には再び咲き誇ります。来年には、また新たな花が違う姿で私たちを迎えるでしょう。喪失感に打ちひしがれ、何かを失ったとしても、異なる形での再生が可能だと私は信じています。
私が喪失感を抱えていた時期、当時の感情をこの曲に込めました。この曲を通して、あなたも喪失感からの一歩を踏み出す勇気や、日常の中に隠れた小さな幸せを再発見するヒントが見つかるかもしれません。
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参考
この本を見ながら、喪失感に関する