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コンプレックスから商品が生まれるまでの話

自分のコンプレックスを解決したいという想いが、時にブランドのコンセプトになったり商品を作る上での創造力になったりします。

例えば渡辺直美さんがプロデュースするブランド「PUNYUS」(豊富なサイズ展開が特徴で、フリーから6Lまでのサイズが揃う)やハヤカワ五味さんが経営するブランド「feast」(シンデレラバスト(=小さな胸)の女性にむけた下着を展開している)などはあまりにも有名。

私が経営するブランド"renacnatta"のスカートも私の小さい体型のコンプレックスから生まれました。
今回は自分の悩みからどのようにそれを解決する商品が生まれたかのストーリーを書いていきます。

目次
・背が低い私のファッション事情 in イタリア
・和服の着付けからのヒント
・ワンサイズ展開のスカート
・コンプレックスが創造の原動力に

背が低い私のファッション事情 in イタリア

私は身長が150cmのミニサイズ。特別細いわけでもないですが、なんせ全体的にミニなので普通のSサイズの服はウエストがガバガバなこともしょっちゅうあります。
そんな私が住んでいるイタリアは「お直し」が日本よりも一般的。
イタリア人はとにかくジャストサイズへのこだわりが強いので、ファストファッションブランドなどで買ったスカートやドレスなどでもお直しに持って行く人が多いです。なので私もどうしても着たいけどサイズが合わない服はいつもサルトリア(仕立て屋)へ持っていき詰めてもらったり切ってもらったりしてジャストサイズに直してもらっています。
こういう時は中国人のサルトリアが1番。しっかり仕事してくれるのはもちろん、早くて安いんです。日本滞在中に買った服もイタリアで直してもらうこともあります。
これが私のファッション事情。

和服の着付けからのヒント

私は背が低い、ウエストがないというのが洋服を選ぶときの悩みですがきっと同じ悩みを持った人たちはいっぱいいるはず、またその逆の悩みを持つ人も。

一方、着物や浴衣のような和服ってどんな体型の日本人にも似合うと思いませんか。
もちろん和服にもS,M,Lとサイズ展開はあるものの、ワンサイズで10cm差の身長に対応して、正しい着付けをすれば誰でもジャストサイズでかっこよく着ることができます。それって巻いて、たくし上げ、おはしょりを作るから出来ること。

この和服を着付ける時の要素を洋服にも取り入れられれば、ワンサイズで様々な体型にフィットさせることができる、と思ったのです。

こうしてブランドのメインアイテム、巻きスカートが誕生しました。

さらに、イタリアのシルクとヴィンテージ着物が裏表のリバーシブルにすることで、たくし上げると裾が短くなるだけでなく裏の生地が見え、
それもまたアクセントになるデザインにしました。
巻き方やたくし上げ方を変えるだけで1着で様々な着こなしができるんです。(着こなしの例↓)

ワンサイズ展開のスカート

そしてこのワンサイズ展開というのが"renacnatta"がECのみで展開できている大きな理由の一つ。試着の必要もないので、ただ好きな色、柄のみで選んでもらえます。だからリピート購入してくれる方もたくさんいますし、男性がプレゼント用にと買ってくださったりします。

そして次回販売からは着ていただける体型の幅をより広げるために穴の位置を変え、(→これまでより細めのウエスト50cm〜対応!)
全体の幅を広げることになりました!(→ウエストが70cm以上の方でも巻きに余裕がでます!)

やっぱりスカートはウエストがキュッとフィットした方が美しいですよね。かといってゴムだと幼い印象になってしまいますし…

ぜひ多くの女性に自分の体にジャストフィットするスカートを味わってほしいです。

コンプレックスが創造の原動力に

私は幼稚園の時から背の順で1番前以外に並んだことがありません。(笑)小さい時はそれが本当にいやでいやで。(トントンまーえの時いつも手を腰にやるのがもううんざりだったw)

それがいつからか、あまり気にせず自分の個性として受け入れられるようになっていたおかげで、自分の服への悩みを素直にブランドの商品へと反映できたのだと思います。

何かをクリエイトしようとするとき、自分の心の声を聞いてあげたり、手助けしたいと思う人たちの声を拾い上げることでそれが創造の原動力になる。
私はそうやってモノやサービスが生まれていったら素敵だなと思います。

Cover photo from my Instagram (@by_aika): ミラノで見つけた縁の下の力持ち


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