【ルネサンス】第一回 初期ルネサンス
西洋美術史
こんにちは、前回5月9日の投稿で、中世美術の後半を紹介しました。前回までで西洋美術史の古代美術と中世美術を紹介し終わりました。
今日からは、中世美術の次の時代、ルネサンス美術を紹介します。
ルネサンスもボリュームがあり、具体例もたくさん紹介したいので何回かに分けて紹介したいと思います。
今回紹介するのはルネサンス美術の中でも初期ルネサンスを紹介します。
ルネサンスと言えば、『モナリザ』を描いたダヴィンチ、『最後の審判』を描いたミケランジェロ、『アテネの学堂』を描いたラファエロなど、現在でも超有名な偉人が活躍した時代です。
彼らはルネサンス盛期の人たちなので、今日は彼らまでは紹介できませんが、今日はそんな偉人たちに影響を与えた初期ルネサンスの美術を見ていきましょう。
全体から見た、今回紹介する時代位置
西洋美術史には以下の分類があります。
① 古代美術
② 中世美術
③ ルネサンス
④ バロック・ロココ
⑤ 近代美術
⑥ 現代美術
③ルネサンスは以下の分類があります。
1. 初期ルネサンス
2. 北方の初期ルネサンス
3. 盛期ルネサンス
4. ヴェネツィア派
5. 盛期北方ルネサンス
6. マニエリスム
今回記事では、
1.初期ルネサンス
を紹介します。
まとめてみたい方は、マガジンに「【美術】知っているとちょっと格好いい」に今まで投稿した分はまとめているのでそちらでまとめてご覧ください。
初期ルネサンス美術
年代:15世紀
地域:イタリア
特徴:人間の尊厳を再確認し、自然の美、現実世界の価値などが重視された人間主義。
「ルネサンス」とは文化的現象であり、「古典古代文化の復興」を意味する。
ルネサンスはイタリアのフィレンツェで起こった。14世紀以降、毛織物業と金融業で財力をつけた都市は、メディチ家の庇護のもと学芸が発達した。商都のたくましい現実主義が、古代の思想や芸術と出会ったことから、理性と感情を重視する人文主義(ヒューマニズム)が生まれる。
そして、多くの人が死後の世界より現実を重視するようになった。キリスト教の主題を人間的に解釈して表現するなど、宗教と人間の新しい調和の形がルネサンスの様々な作品なのである。
ブルネレスキ
『サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂』
ブルネレスキ作
前回紹介したゴシック時代の教会建築は天空にそびえたつ高い塔をそなえ、神の威光や神が王権を授けたことを人々に印象付ける意味を持っていた。しかし、ルネサンス時代の教会建築は現実的かつ人間的規模であった。
ブルネレスキの代表的な建築がサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂のドームである。古代ローマのパンテオンにならった大きなドームは当時の人々に衝撃を与えた。
『サント・スピリト聖堂』ブルネレスキ作
サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の他、ブルネレスキが建築したフィレンツェのサント・スピリト聖堂は、整然とした幾何学的設計による内部空間で、古代建築にならった合理的な建築である。
ブルネレスキは線遠近法を発見した。遠近法は絵画や彫刻などにおいて欠かせない知識となり、後世の芸術家に大きな影響を与えた。
また、当時は職人技だった建築を、知識と個性により作りたいものを作り上げる建築家という職業に洗練したことも、ブルネレスキの偉業である。
ドナテッロ
『懺悔するマグダラのマリア』ドナテッロ作
ドナテッロは写実的で肉体を感じさせる像を多数生み出した。この作品は厳しい修行でやせ衰えた姿が生々しい存在感を訴える。
ボッティチェリ
『ヴィーナスの誕生』ボッティチェリ作
ベアト・アンジェリコ
『受胎告知』ベアト・アンジェリコ作
『春』、『受胎告知』はどちらも遠近法と生き生きとした人体が存分に表現されている。科学的な遠近法にはブルネレスキの影響を、リアルな肉体はドナテッロの影響を思わせる。科学的遠近法とリアルな肉体の表現が芸術となった初期ルネサンスで、より美しさを求めたのが、ボッティチェリとベアト・アンジェリコである。
ピエロ・デラ・フランチェスカ
『むち打ち』ピエロ・デラ・フランチェスカ作
ピエロは数学者で遠近法の研究者でもあった。その作品はいずれも、完璧な比例と計算による秩序のある構成と色彩を示し、人物たちは不動の印象を与える。
『むち打ち』は中心主題であるキリストがむち打ちされる様は左の背景に小さく書かれる謎めいた作品。
以上、西洋美術史、ルネサンスの初期ルネサンスでした。
今から、6世紀ほど前、イタリアではルネサンスの始まりとなる、作品が誕生しました。表現技法では遠近法が発見され、これまでとは違う表現ができるようになりました。これから続く盛期ルネサンスが楽しみですね。
次回の美術編でルネサンスの北方初期ルネサンスを紹介します。
これまでの記事はマガジンの「【美術】知っているとちょっと格好いい」、にまとめてあります。
興味ある方はそちらもご覧ください。
それでは、次回、美術編、ルネサンス第二回北方初期ルネサンスでまたお会いしましょう。
P.S.
ブルネレスキ遠近法を発見して、確立するってすごくないですか?
ブルネレスキは古代遺跡に出向いて建築物を測量・研究して線遠近法を発見したそうです。
あれ?すでに古代文明では遠近法を確立して、実際に技術を用いて建築物をつくっていたの⁈
そう思うと古代文明やっぱりすごいですね。
ブルネレスキは古代文明の建物を見て遠近法に気が付いたと思うけど、全く何もないところから遠近法を確立するって、しかもの技術を建築に応用したって古代文明の人の偉業だ。。。
古代は今ほど記録技術が発達してなかったから、途絶えてしまった技術もあるけど、現代でも確立されてない技術が何千年も前にあったってロマン感じさせますね。
エジプトのピラミッド、イースター島のモアイ像とか今でも説明できない古代遺跡建築ってありますもんね。
ボッティチェリの『春』とか、ベアト・アンジェリコの『受胎告知』とか世界史でも見た気がする。
ピエロ・デラ・フランチェスカの絵画って、CGの背景に人物を描いて重ねているアニメに似てませんか?
それだけ、彼の絵画が精密に計算されたものなのでしょうね。
ピエロ・デラ・フランチェスカの絵画好きだな。整然としてるとなんか落ち着くよね。
最近美術ばっかり書いてるから、たまには違うジャンルの記事かいてもいいかな~。
最後まで読んでくれてありがとう♪
Aika