ヘンテコだから、応援したくなる
「応援したい」って思わせる人って、本当すごいと思う。
直接的な見返りがないのに、あれやこれやしてあげたいという気持ちにさせる。
ものすごく素敵で、エネルギー値の高い循環を起こすことができる。
例えば、お金がからむとわかりやすい。
自分にとって必要なものを買う時は、無感動なことが多い。もっと言えばいかに安く買うか見たいな、搾取的なことを考えてしまう。
でも、誰かを応援したい時は、むしろお金に糸目なんてつけずに払いたい!と思ってしまう。そして満足度も全然違う。びっくりするくらいwin-win。
推しを応援したいからグッズを片っ端から集める!とか
あの子最近頑張ってるから、スタバのギフトでも奢ってやるかーとか
この居酒屋好きだから、応援も込めて通おうとか
この会社好きだから、友達にも商品をおすすめしてみよ〜とか
商品とかサービスの場合、贈り物とかとは違って、自分も商品を受け取ってるけど、
応援モードに入ってる時は、その対価以上に何かしてあげたい、という気持ちで、周りにおすすめしまくったり、普段は言わない感想とかを直接伝えちゃったりする。
ビジネスの世界で、散々相手へのメリットは〜とか考えてるけど、
メリットとかコスパをさらに超えた先、
「もはや見返りなんて求めてないけど応援したい」
「対価と報酬以上のものを渡したい」
って思ってもらえるレベルに到達したら、本当にお互い満足度最高だろうなと思う。
じゃあ、その「応援したい」って思わせる人って、どんな人なんだろう。
ちょっとヘンテコだから、応援したくなる
私自身、このnoteの記事で、1度だけ「サポート」でお金をいただいたことがある。
お役立ち情報なんて一切ない、自分語りな内容だったけど、ちょうど私の親世代の方とのことで、もうこれは完全にただただ応援してくださったんだな、と思う。無料で読める物なのに。
本当に有り難すぎて、嬉しくて、飛び跳ねるほど嬉しくて飛び跳ねた。その節は、本当に本当に有難うございました。
その人が応援してくださった真意はわからないけど、確実に「役立つ情報への対価」ではないとは言える。
じゃあ、なんでだったんだろう。
それはたぶん、ちょっとヘンテコだったからじゃないかと思う。
自分のことのくせにおこがましいけど、ヘンテコって謙遜の意味ではない。
人は、ヘンテコなものを愛し、応援したくなるものだと思う。
例えば、AKB48。
もちろんトップアイドルだけど、これからトップを目指すんだ!という姿を見せて、ファンを巻き込んできた。
秋元さんが昔テレビで、「あっちゃんは、別に随一で可愛いってわけじゃないんですよ。でも、だからこそ応援したくなる。」って言ってた時、え?私は美人が好きだけど。とか思ってたけど、今ならわかる。
ちょっとヘンテコだから、特別に感じる。愛おしいと思う。
西野さんのオンラインサロンも、似た部分がある。熱烈なファンが多いのは、優れた仕組みづくりがされているのはもちろんだけど、ちょっとトガってるからこそ、私が応援しなきゃ、なんて気持ちになるんだと思う。
そういえば、鬼滅の刃の善逸が人気投票で1位を獲ったときはおもしろかった。
鬼滅ファンの小学生とか友達とかに誰が好きなの?と聞いたら、みんな
「私は善逸かな〜」と言っていて、
え?そんなイケメンキャラだっけ?という顔をしたら、「まぁ、一般ウケはしないかもだけど」というところまで口を揃えていた。
そして蓋をあけると投票1位で、善逸ファンたち自身が一番驚いていた。
ちょっとトガってたり、普通じゃなかったり、でも熱を感じるようなもの。
そんなヘンテコに、人は惹かれるんだと思う。
異彩を放て
最近、私が応援したいものはというと、
障がいを持ったアーティストたちの作品を扱う『ヘラルボニー』という福祉の社会実験ユニットである。
"異彩を放て"というミッションを掲げ、全国の様々なアーティストを応援し、その素敵な作品を商品にして私たちに届けてくれる。
さまざまな特性を持った彼ら彼女らは、"障がい者"とくくられて終わってしまうことも多い。単純作業の仕事に辛うじて就くか、それもままならないことも多々ある。
けれど、驚くほどの感性を持ち合わせていることもある。
障がいのあるなしに限らず、その人の天才的な側面、いわば"ヘンテコ"な部分を生かせられたら。
それをカタチにしているのがヘラルボニーだ。
東京にはポップアップ店しかないが、そこに行くと、いつも店員さんやスタッフの方が熱くコンセプトのことや、作家さん一人一人について教えてくれる。
そんな背景があるんだ。
そうやって作ってるんだ。
この才能を大事にしてくれた周りの人たちってすごいな。
そんなことを想像して、さらにファンになっていく。
ヘンテコがうむ応援のサイクル
最近私がハマってるのは、ヘラルボニーさんのショップで、誰かプレゼントしたい人を思い浮かべて、その人のイメージにあう作品を選んでプレゼントすること。
「わぁ綺麗」という感想に、「でしょ!?」と前のめりになりつつ、
「実はこの作品は…」と話すと、みんなコンセプトに感動してくれる。
でも、私はその感動だけで終わらせたくないな、と思っている。
"ヘンテコ"や"異彩"は、特別な人間だけが持っているものではなく、誰しも持っている魅力的な部分。
ヘンテコをギフトすることで、ヘラルボニーさんへ、時には自分へ、そして相手へのエールにしたい、そんな気持ちで贈っている。
そこで、さらに相手から、ヘンテコを応援するサイクルが生まれたら最高だな、と思っている。
ヘンテコのプロフェッショナル
さて、いろんなヘンテコに触れてきたけど、ヘンテコ中のヘンテコ、ヘンテコと言ったら右に出る者はいない、といえば、それは「こどもたち」だと思う。
なりたいものは?と聞くと、「電車!!」と返ってきたり、
好きなものは?と聞くと、「ダンス!!」とその場で踊り出したり、
やりたいことは?と聞くと、「起業!!!」と返ってきたこともある。
一見、真面目に取り合うのがばかばかしくなるような、ヘンテコなアイディアたち。でも、その発想や思い切りのある行動は、子どもたちにしかできない。
今、その子どもたちの"ヘンテコ"をどうやって最大限引き出して、いかに本気でカタチにできるか?を会社で練っている。近々、大きなリリースができそうで、緊張するようなワクワクするような、ソワソワした感覚。
ヘンテコだから、応援したくなる。
きっと、誰もがその感覚を持っていると思う。
それをもっともっと大きな渦にして、社会全体を素敵な熱で巻き込んでいきたい。
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