パートナー・ビザの話をしよう(後編)
パートナー・ビザの話をしよう、今日は後編です。
前編でも書きましたが、念のためこちらでも。
私はビザの専門家ではありませんので、「オーストラリアのパートナー・ビザってこうやって取るのか、へぇ〜」ぐらいの気持ちで読んでください。これから申請する方の参考にもなれば、それはそれはうれしいですが、ひとつの経験談として、さら〜と読んでいただくのが良いと思います。
前編では、申請方法や提出書類について紹介しました。
ここからが本番
提出書類は、まだあります。本当に大変だったのはここから。オーストラリア移民局のHPを見てみましょう。
こちらは申請の手順の一部です。「Evidence of relationships(関係の証明)」とあり、下に続きます。
2人の関係がホンモノで、現在も継続していることを証明しなければなりません。前編で書いたように、婚姻証明書や、交際の歴史をまとめたWordとExcelファイルを提出しました。が、これで十分ではありません。
2人の関係を4つの観点から証明しろ、と言うてます。
経済面(Financial aspects of the relationship)
生活面(Nature of couple's household)
社会面(Social aspects of the relationship)
関係性の面(Nature of the couple's mutual commitment to each other)
証明・証明・証明
最初はナ・ニ・ソ・レでした。もう少し詳しく説明します。
経済面
2人でどのように金銭面をやりくりしているのかを説明。
提出物:共同名義の賃貸契約書やローン契約書、銀行口座、2人の名前が入った請求書など生活面
2人が同居し、どのように家事を分担しているかを説明。
提出物:家事分担表、2人宛の請求書、同じ住所に届いた郵便物など社会面
2人がカップルとして周囲に認識されていることを説明。
提出物:2人宛の親族や友人の結婚式の招待状や手紙、2人で旅行した記録、お互いの家族や友人と一緒に撮った写真など関係性の面
2人が長期的な関係にコミットしていることを説明。
提出物:お互いのことをきちんと知っているか、遠距離中の電話やメールの記録など
これがとにかく大変でした。私たちが同居を始めたのは、申請を始めたのと同じ時期。共同名義の書類や2人宛の請求書なんてあるわけない。1や2の証明が難しい…どうしましょうと頭を抱えました。
一方、遠距離の期間は長かったのと、2人とも旅行が好きでよく出かけていたので3と4は心配なさそうです。
集めて、書いて、書いて、集めて
証明がないものはしょうがない。あるものをかき集めました。
とは言っても、モノを溜めるのがあまり好きではない私。不要だと思えば、すぐに処分してしまいます。一方、夫はなんでも取っておくタイプの人。これがケンカのもとになることもあります。「これ使ってないなら捨てるね」→「いつか使うかもしれない」→「いつかっていつ?」というように。
でも今回ばかりは夫の捨てられない性格に感謝です。夫の誕生日に私が日本からオーストラリアに送ったプレゼントの箱が残っていました。箱には伝票が貼ってあり、送り主に私、宛名に夫の名前が書かれています。これがひとつ証拠として提出できました。(夫にドヤ顔されて、ちょっと悔しかった)
こうやって、少しずつ証拠を集めていきました。
また、1〜4それぞれ作文も書きました。一応記者だったし、書くことは元々好きだし、楽勝っしょ、なんて思っていた自分を責めたい。筆が進まないったら進まない。
それぞれ500字ぐらい書いて、夫に放り投げました。「僕との思い出はこれだけなのか」って悲しい顔で言われました。ソーリー。
だって英語だし、英語だし…とブツブツ言い訳をしていたら、魔法がかかったように、文字数が10倍になって返ってきました。サンキュー。
費用は?
こうしてなんとか、書くものは書き、提出するものをそろえました。(完璧にやろうと思ったらキリがないので、どこかで区切りをつける必要があります)
書類をPDFにしてアップロードして、提出ボタンを押します。心配性の夫が何度も「ちゃんと確認した?」と横でソワソワしていました。
最後に待ち受けるのが支払いです。さて、合計でいくらかかったでしょうか。私もここで初めてそろばんを弾きます。
・ビザの申請料$8,850+手数料$124
・戸籍と婚姻証明書の翻訳料計$165
・健康診断料$535
・オーストラリアの無犯罪証明書$47
計$9,721(約95万円)
ヒィー!高い!円安なのも痛い!ビザがもらえると思えば安いのでしょうか?
申請料は年々値上がりしています。20年前は$2,000、10年前は$3,000だったようです。プラス円高でした。申請料は今後も上がり続けるのでしょう。ちなみに申請が却下されても返金されません。
ビザが下りた
申請後、指定の場所で健康診断を受けました。身長と体重の計測が土足で、どちらも過去最高値でした。靴ってそんなに重かったっけ?
そして年が変わり、ビザを申請したことすら忘れていた1月下旬、移民局からメールが届きました。1年ほどかかると思っていましたが、結局4ヶ月ほどでビザが下りました。ありがとう、オーストラリア。そして、よろしくお願いします。
次は申請から2年後、永住権の審査が待っています。はぁ、今からユウウツ…
追伸 冒頭の写真はキャンベラ南部のLake Tuggeranong。虹がかかっているのに気がつきますか?キャンベラは海に面していませんが、湖がたくさんあります。
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