草の実や女子とふつうに話せない 越智 友亮
草の実や女子とふつうに話せない 越智 友亮
(「新撰21」筑紫 磐井、高山れおな、対馬 康子(邑書林)2010)
もうずいぶん前のことだけれど、
短詩の勉強会で作者とご一緒する機会があり。
この句が忘れられなくなった。
食事会のとき、すぐそばでお話されている様子が
女子とふつうに話せない
そのものだったのだ。
なんてチャーミングなんだろう!
圧倒的なチャーミングさを目のあたりにして 度肝を抜かれ、
草の実や女子とふつうに話せない
が いっしゅんで ぶーわーっと立体になった。
わたしは そばにいた歌人(黒瀬さん)と保護者のように目を合わせた。
も、もしかして 男子校出身ですか? ふつうに話せない よね?
ね。
この句に向かって ぼそぼそぼそぼそ ぽくぽくぽくぽく
無言で無音で話しかけたくなる気持ちが止まらない。
作者のまわりに才能が。
気前よく そこここ(←文字上に点)にばらまかれているのに
作者はそれに一切 気がついていない。
作者と言葉が渾然一体となって、原稿用紙何十枚かの厚みでやってきた。
これみよがしでない、ちいさな草の実ともひびきあっている。
※写真は友だちから送られてきた初詣の写真。
おまもりの色がポップでかわいい。 写真のサイズ調整ってむずかしいね。