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「単語力がないから英語が話せない」は幻想であるという話

最近、「単語力不足で、英会話ができないのですが・・・」というご相談を多くいただくので、今日は、それについて書こうと思います。

本題に入る前に、大前提として、中学生レベルの基礎的な単語を知らないことには、英語のアウトプットのしようがありません。そして、中学生レベルの単語力があれば、かなりの会話ができます。

よく言われるのが、ネイティブの日常会話の9割は中学英語ということです。実際、私がアメリカ人の夫との日常的な会話で使っている英語だと、普段はほんとにしょうもない会話しかしてないので、99%くらいかも。(;・∀・)

中学生レベルの単語を知っていれば、いくらでも会話はできる

で、普通の日本人の大人であれば、中学生レベルの単語は、知っているはず。

busy、arrive、favorite、try、building・・・

全部、知ってますよね?であれば、「英会話に必要な単語力」をあなたはすでに持っているのです。

じゃあ、なんで「単語力がないから英語が話せない」という悩みが多いのか?それは、「言いたい日本語に対応するどんぴしゃの英単語を知らないから」です。

でも・・・

「言いたい日本語に対応する英単語を知らないので話せない」というのは、単なる幻想です。

その例を一つお話ししましょう。

「寝癖」の英語がわからないから、伝えられない?

夫のマイクと私は、大学受験生に英語を指導する機会があるので、よく一緒にごはんを食べています。先日、テーブルが一緒になった男子受験生の髪には、派手な寝癖がついていました。それを見た別の子が、私にこう聞いてきました。

「愛さん、『寝癖』って、英語で何て言うんですか?」

その受験生は、その寝癖についてマイクに英語で何か伝えたかったのだけど、「寝癖」を英語で何と言うのか、わからなかったんですね。

このように、かなりの人が「言いたいことにどんぴしゃの英単語」を知らないと、すぐに「ああ、ダメだ、話せない・・・」とギブアップしてしまいます。

そして、「○○って英語で何て言うんですか?」って英会話の先生に聞いたり、「どんぴしゃの英単語」を求めて和英辞書で調べまくったり・・・という勉強法に走ります。

でも、英語が話せるようになるために必要なのは、そういう勉強じゃないんです。「全ての単語に日本語と英語の一対一の関係があって、その単語を知ってないと話せない」というのは、勘違いです。

「寝癖」を言い換える5つの英文

じゃあ、「寝癖」って、英語で何と言うのでしょうか?

「彼、寝癖がついてるね」って言いたいけど、「寝癖」の英語を知らない場合、どうしたらいいでしょうか?

「寝癖がついている」という状況を違う言葉で言い換えたらいいのです。

寝癖がついていることを、「寝癖」という言葉を使わず言い換えると、要するにどういうことですか?








たとえば、

「彼は髪の毛を整えていない」
(He didn't do his hair.)

という言い方ができます。("do one's hair"で髪を整える)
He didn't set his hair.と、setを使ってももちろんOK。

「髪の毛を直す時間がなかったんだろうね」
(He probably didn't have time to fix his hair.)

でもいいでしょう。

あるいは、彼を指差して、

あの髪型、イケてるね!
(Cool hairstyle!!)

って皮肉れば、それで十分かもしれない。全部、中学英語の簡単な単語と簡単な文法で言えます。

「朝起きてそのまま来たのかも」
(Maybe he came straight out of his bed.)

でもいいし、あとは中学英語じゃないけど日常英語ではよく使う単語、"messy"を使って

「髪がぐちゃぐちゃだ」
(He has a messy hair.)

なんてのもOK。要するに、言い方は無限にあります。

ちなみに、「寝癖」にあたる「ドンピシャ英単語」は"bed hair"と言います。

He has bed hair.(彼の髪には寝癖がついている)

でも、こう言わなくても、いくらでも違う言い方ができると上でご理解いただけたと思います。

単語を知らない時は「それって要するに?」と考える

あらゆる分野の単語に精通して、出来る限り多くの「ドンピシャ英単語」を知っておけばもちろん役に立つでしょう。でも、現実問題として、それをやってたら、いくら覚えてもキリがない。

興味がある分野や、仕事の専門分野などについては「ドンピシャ英単語」を覚える必要があるでしょう。でも、それを「人生すべてに関係する英語」でやることはできないのです。

言いたいことの英語がわからないときは「それって要するに、何?」と考えて、言い換える。

英語が話せる人(ノンネイティブ)は、一人の例外もなく、これができる人なんです。

とっさに「言い換え」ができるようになりさえすれば、どんな場面であろうと、何でも言いたいことが言えるようになります。

私の本館ブログの

この記事にも書いているのですが、「輸出」という言葉がわからなかったら、最悪「輸入の反対」と言えば、それで通じるのです。

新しい単語を覚えることも、もちろん大事です。でも、英語を話せるようになりたければ、自分が知っている単語と文法を駆使して「言い換える」訓練が必要なんです。

これからは、言いたいことの英語がわからないとき、すぐに諦めてしまうのではなく「それって、要するにどういうこと?」という言い換えに挑戦してみてください!!

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