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もう夫に安定した仕事と収入を期待しないと決意した日

私は、2015年に独立起業しました。今はフリーランスで翻訳や通訳をしながら、社会人や大学受験生に英語を指導したり、英語教材を作ったり、英語イベントを企画したりしています。

今日は、私がどうやってフルタイムで働きながら準備をして独立起業に至ったか、自己紹介を兼ねてそんな話をしたいと思います。

英検1級合格体験記を書き始める

私の独立起業の最初のきっかけになったのが、英検1級に合格し、ブログで合格体験記を書き始めたことです。

私が合格した2008年当時、ネット上にはまともな2次試験対策の情報が全然ありませんでした。「スピーチを30本書いて暗記しろ」とか「いや100本必要だ」とか、頭おかしい(苦笑)情報で溢れていたんです。

だから、「自分がこれから受験するとしたら、こういう情報欲しかったなぁ」と思うことを書いていました。


15年前に私が書いた英検1級体験記と対策ページは、多少は加筆修正しましたが、ほぼそのまま残っています。今読んでも懐かしい。

英検1級合格体験記!全6回受験(棄権含む)の記録


最初は誰にも読まれないブログでしたが、少しずつ記事を書いていきました。英検1級に限らず、英語学習全般のアドバイスや私自身の失敗談を書くようになり、英語の学習相談のメールが届くようになりました。

そして、最初は読者さんにお願いされて個別で有料で英語指導をするようになり、ワークショップやイベントをやるようになり、オリジナルの企画や教材を作りはじめました。


独立起業を目指してビジネスを構築する

理由は後で述べますが、私はビジネスではちゃんと結果を出して、副業の収入で生活していけるようになったら、通訳の仕事は辞めて独立起業するんだと強く決めていました。

今だからこそ言えることですが、通訳として働きはじめた一番最初から、「この仕事は一生やるつもりはないから、通訳スキルはそこそこでいい」と思っていました。まあ、「そこそこ」の通訳スキルを身につけるために何度泣いたかわからないし、死ぬほど大変だったんですけどね・・・(;・∀・)

「いつか、フリーランスで自由に仕事でもできたらいいな〜」とかいう、ふわっとした願望ではなく、「私は、絶対に会社員を辞めて独立して、もっと多くの英語学習者を助ける!」そう、(厚かましくも)思っていました。


だから、会社員時代の当時は毎日、朝4時半起きで最初に通訳トレーニングをやって、出勤ギリギリまで教材を作ったり、企画を作ったり、収入がきちんと得られる仕組みを作っていきました。

そして、夜に仕事から帰ってきて、ご飯を作って食べたら読者さんとスカイプしたり、メルマガ書いたり。で、また次の日は朝4時半起き・・・


あ、あと、実りませんでしたが、結構長い期間、不妊治療もしていました。フルタイムで働きながら、副業もしながら、不妊治療。

不妊治療の痛い注射をお尻に打ちに行ったある日、スカイプコンサルが入っていたのですが、お客様の女性もなんと不妊治療中の人でした。「え〜!実は私も治療中で、さっき注射してきましたよぉ。痛いですよね・・・」って2人でしみじみ話したことがあったなぁ。(もはや英語はそっちのけ。笑)

そんな感じで、フルタイムで働きながら、不妊治療もしながら、コツコツとブログを書き、メルマガを書き、コミュニティを育てていきました。


こうやって、私は独立起業に向けて少しずつ準備をして、ビジネスを構築して、会社員を辞めても生活していける収入の目処が立ったので、独立することができました。

夫婦でフリーランサーなおかげで、4月にイギリス旅行にも行けました。

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私が独立起業した「本当の理由」

でも、私が独立起業した「正直な」理由は、ただ単に好きな時に旅行したいとか、フリーランスで自由気ままに生活したいということではなかったんです。

そもそも、私の家は、父の家系も母の家系も公務員一族です。父は公務員、母は専業主婦。

そんな家庭で育った私だから、私も将来は普通に結婚して慎ましくも安定した家庭を築いて、子供も何人か産んで、普通に生きるんだろうなと思い込んでいました。だから私は、起業する気なんて全くありませんでした。


アメリカ人夫の仕事が不安定

私のアメリカ人の夫のマイクは、私と出会う前から日本に興味があって、日本のマンガやドラマ、音楽に親しんでいました。アメリカで見た、一番好きなドラマは「ロングバケーション」だそう。

夫はずっと、いつか日本に住みたいと思っていたそうです。そして、念願叶って英会話講師の資格を取って、日本の小さな英会話教室で働き始めました。

スコットランドのエディンバラにて。夫。

私たちが結婚したとき、夫は広島で大手の英会話学校に勤めていました。

でも、外国人が日本で仕事を得て、それをキープするのは本当に大変なことでした。英会話講師の仕事は、だいたい1年や2年契約。だから、契約期間が終わるたび、また最初から職探しをしなければいけませんでした。

今まで、いろんな英会話学校で働いたし、幼稚園にも行っていたし、専門学校でも教えていました。本当に、何度も何度も、職を転々としました。


これで困ったのが、子供の頃からの価値観で「旦那さんが外で稼いで、妻は家を守るもの」と思い込んでいた私です。

「旦那さん」の仕事が、不安定すぎる!!(;・∀・)


周りの日本人カップルにとってはごく普通の、「旦那さんの収入を中心に生活していく」ということが、私たち夫婦にはできませんでした。

国際結婚カップルでは、旦那さんの自国に住んでいる場合は、旦那さんの仕事や収入が安定することが多いと思います。でも、特殊な技術があるわけでもない外国人の夫が日本で職を安定させることは、すごく難しかったんです。


濡れ衣事件

そしてある時、決定的なことが起こります。詳細は書けませんが、夫が、職場でやってもいないことの濡れ衣を着せられ、契約終了になってしまったのです。

夫は、誠実に仕事をしていました。夫はちょっと天然ボケなところがあるし、不器用かもしれないけど、人を騙したり、悪知恵を働かせて人を陥れたり、そういうことはしない人です。その濡れ衣について、私は夫の潔白を信じることができたし、それは今も変わりません。

疑いを晴らすために戦うこともできたかもしれませんが、私も夫も、誤解が解けたとしても、その会社とそれ以上関わるのは嫌でした。今考えれば、何らかの事情で、夫の契約を早めに終了する理由が学校側に必要で、そのための濡れ衣だったのかもしれません。

そして、夫は次の職探しを始めたのですが、見つけた次の英会話講師の仕事が、九州でした。

これから、九州に引っ越さないといけないのか・・・でも、その契約が1年や2年で切れたら、次の仕事は一体どこになるのか・・・?


日本人の私が九州で仕事を見つけるのは、仕事を選ばなければ、夫ほど難しくはないでしょう。でも、また夫の契約が終わったら、私も仕事を辞めて一緒にまた別の仕事があるところに引っ越すの・・・?

契約が切れるたび、また夫が自力で一から数少ないフルタイム英会話講師の職探しを繰り返す・・・そんな生活に、将来が全く見えませんでした。

こんな働き方、いつまでも続けられない。

そう思いはじめました。

起こることにはすべて理由がある

その頃、私は自己啓発本のオーディオブックを たくさん聞き始めていて、 

"Everything happens for a reason."
(起こることにはすべて理由がある) 


という考え方を受け入れていて、「私たちにこんなことが起こっている理由は何なんだろう?」と考えました。 

夫のマイクは真面目に仕事をしているのに、 1年やそこらですぐに契約が終わるのは外国人だから仕方がないとしても、変な濡れ衣を着せられ、これは一体何なのか・・・

もしかしたら、「今のお前たちの進んでいる方向は、間違っているよ」と何かが知らせてくれているんでは?そう思いました。


私たち二人には、アメリカに住むという選択肢はありませんでした。夫はアメリカの現状に危機を感じていて、私もアメリカ生活への憧れは全くなく、二人とも日本に住み続けたいと思っていました。

じゃあ、この状況で私たちは日本でどうやって生きていけばいいのか?


そして、私は決めました。

マイクの収入を中心に生活を考えるんじゃなく、私の収入中心でいくしかない。

私たちは、九州には行かないことに決めました。

私も不安定な契約社員

でも、もう一つ問題がありました。実は私自身も、いつ辞めさせられるかわからない契約社員だったのです。

私が採用されたその通訳翻訳者のポストには、前任者の女性がいました。前任者の仕事ぶり(英語力)が会社の期待に満たないということで、彼女が契約を切られ、代わりに雇われたのが私でした。


つまり、私もいつそうなってもおかしくありませんでした。

マイクも非常勤講師だし、私の契約が終わったら、どうしよう?この仕事を辞めて、安定した正社員の仕事に転職するべきか・・・?

副業から独立起業へ

私は、通訳翻訳者の仕事をしながら、何とか収入を安定させる方法を探しはじめました。そして、見つけたのが「自分のホームページを持ち、情報発信をして収入を得る」という方法でした。

「私には、人に教えられることなんて何もない・・・」そう思いながら、何をテーマに記事を書くかいろいろ考えた結果、「私の英語力なんてたいしたことないけど、とにかく英検1級の合格体験記を書こう」と思ったのが始まりでした。


ビジネスセンスなんて全くない私は、ひたすら下手な文章をブログに書き続けましたが、2年間くらいは無収入でした。収入が発生するようになっても、最初は月収30円とかでした。

30万円じゃないですよ?
30円です。

でも、それでもいろいろ工夫しながら根気強く書き続けた結果、少しずつ読んでくださる読者さんが増え、相談をいただくことも増えました。スカイプで個別指導をしたり、自分オリジナルの教材を販売したりしながら、だんだんと収入が増えていきました。

最初は私一人でやっていましたが、「旦那さんと一緒にやればいい」と信頼する人にアドバイスをもらい、コーチングに夫のネイティブ英会話レッスンを組み込んだり、2人で英語オンリーのディナーやイベントを開催したりしました。

二人で一緒にビジネスをするなんて全く計画になかったことですが、一緒に仕事ができるようになったのは、私たちにとってはとても幸運なことでした。

その後、ビジネスは軌道に乗り、夫婦ふたりで会社を設立し、私も夫も会社員を辞めて独立しました。

夫が収入の安定しない外国人で良かった

今は、たくさんの素敵なコミュニティメンバーさんに囲まれ、毎日幸せにお仕事をさせていただいています。自分たちの好きな時に旅行ができる自由もあります。

これからの時代、日本人が英語で海外に日本文化や日本の精神性を発信していくために、英語の需要はますます高まると私は考えています。

これからの時代は、西洋の効率や物質、目に見える成果を重視する文化が限界を迎え、終わりに近づくにつれ、東洋の精神性や目に見えないものを大切にする文化が世界の中心となっていくべきだと思うからです。

私たち夫婦も、英語を学ぶ人たちのお役に立てるようにもっともっと頑張っていかないとな、と思っているところです。


そして今、私が何を思っているかというと、

マイクが外国人であるせいで、収入が安定しなくて本当に良かった。

マイクがあの時、濡れ衣を着せられて仕事を辞めさせられて、本当に良かった。

私が、いつ解雇されるかわからない契約社員で、本当に良かった。

ということです。心から、そう思っています。


まぁ、そうは言っても当時は、「なんで私ばっかりこんな大変な目に遭うの!?」って腹立ててましたし、将来が見えなくて不安でたまりませんでしたけど。もちろん。

私の使命

非常におこがましいのですが、私がこの世に生を受けた理由の一つは、周りの人に英語の勉強法を教えたり、私自身のいろんな経験や失敗談を通して誰かに勇気を与えたりして、草の根で世界にいい影響を広げていける日本人を増やすことなんではないかと思っています。

何の根拠もないけど、勝手にそうなんだろうと思っています。


でも、その私の使命は「普通に安定した仕事をして、安定した収入を得て、慎ましく普通に安定した人生を送りたい」という、私が元々持っていた「安全第一」「リスクは取らない」というメンタリティーでは、決して果たされなかったのです。

だって、普通に夫が安定した仕事をしていたなら、私は絶対にブログなんて書かなかったですし。


だからこそ

なぜか、収入が全く安定しないマイクという外国人が私のもとに夫としてやってきたし(アメリカ人と国際結婚なんて、興味も予定もなかったのに)、

その夫が、理不尽に仕事を辞めさせられることになったし、

私自身も契約社員というポジションで将来に不安を持ちながら働くことになったのです。


そういう運命だったんだと思っています。

リスクを取りたがらない私をお役目に導くために、こういったピンチ、いや、幸運が訪れたんだと思います。

さいごに

コロナ禍以降、環境が変化していく中、これからどう生きていくべきか先が見えず、不安に思っている人が多いと思います。

ずっと起業や副業をいつかしてみたいと考えていたけど、なんとなく後回しになっていた人も、きっと多いでしょう。

そのお気持ちは、よく分かります。

誰だって、自分の生活と仕事でいっぱいいっぱいだし、それに加えて副業や英語の勉強をやる気力は、なかなか出せないと思います。

私も、夫の濡れ衣事件と自分の契約社員という立場がなければ、きっとできなかったと思います。


だからこそ。

このコロナに振り回されたこの時間を、あなたの人生を大きく変える一つのきっかけにしてみてはどうかな?と思うのです。

「コロナがあったおかげで、このように大きく(いい方向に)人生が変わった」と。

よく言うことですが、人は、現状に満足している時には成長しません。成長するのは、ピンチの時です。

この人類のピンチに、「このままでは自分の将来はヤバいかもしれない!」そう思って、自分の価値を上げるために本気で英語を学ぶとか、あるいはオンラインで副収入を得るために真剣に動き出すとか、そういう決断ができる人にとっては、このピンチも大きなチャンスに変わると思います。

「みんなが勉強どころじゃない今のうちに、英語力を高めて、自分の市場価値を上げておきたい」

「コロナを取り巻く世界の状況を理解するために、海外の情報を英語で取れるようになりたい」

そう思って、自分の免疫力とやる気を高めて不安に流されず、やるべきことを淡々と頑張れる人の未来は、きっと明るいと思います。


というわけで、とても長くなりましたが、私が独立起業した理由をお話しさせていただきました。

どなたかの何らかの参考になれば、とても嬉しいです。


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英語が読めるようになるリーディング教材を夫と作りました
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ネイティブより速く英語が読める英語の達人、松本道弘先生から学んだ知恵を盛り込んだ英語教材を、夫のマイクと仲間たちと一緒に作りました。
 
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