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英語と世界史で100倍楽しくなったトルコ旅

こんにちは。エバンス愛です。アメリカ人の夫と国際結婚し、社会人の方に夫婦で英語を教えています。

突然ですが、あなたは、歴史の勉強、好きですか?私は、学校の日本史の先生の授業がつまらなすぎて、嫌いでした。世界史に途中で選択を変更したものの、結局世界史も全然楽しくなくて、大学入試でも散々な結果で数十年それっきり・・・となってました。

でも、海外旅行で有名な歴史的建造物や遺跡を見るたび、「あー、やっぱり、学生時代に世界史をちゃんと勉強しとけばよかったなぁ・・・」といつも後悔していました。

深夜特急

そして、もう一つ、「世界史をやり直したい!」と、私が強烈に思ったきっかけ。それは、沢木耕太郎さんの『深夜特急』という本でした。

アジアからヨーロッパまで、安宿に泊まり現地の人と触れ合いながら、バスでバックパッカー旅をした思い出を綴った、有名な紀行エッセイです。オーディオブックのAudibleで、俳優の斎藤工さんの朗読でこの本を聞くことができるのですが、これがもう本当に最高。私の脳内では、旅人が斎藤工さんの姿で再生されてます(笑)

(朗読がかなりゆったりなので、私はaudibleのアプリで1.5倍速で聞いてます)

この中で、沢木さんが、トルコで出会った老人とこんなやりとりをするシーンがあります。

老人:「あの肖像画は誰か知っているか」

沢木:「ケマル・アタテュルクでしょう。日本の学校で習いました」

老人:「そうかそうか、学校で教わるのか。日本人はやっぱり私たちの仲間だ」

と老人は非常に喜び、親切にしてもらった・・・、というエピソードです。

ここを読んで、私は、「アタテュルク・・・?『日本の学校で習います』ったって、私は答えられない・・・」と残念な気持ちになりました。そして、こうやって世界史を「当たり前の教養」として身につけている人は羨ましいな、旅がもっともっと楽しいんだろうな、と心から感じたんです。

世界史の勉強をイチからやり直す

で、私は世界史の勉強をイチから(ゼロから?)やり直すことにしました。毎日30分(30分も取れない時もありましたが)コツコツと勉強を続け、3ヶ月くらいで世界史の基礎を一通りやり終えました。古代から現代まで。トルコのアタテュルクのことも、ちゃんと勉強しましたよ。

それによると、アタテュルクとは「父なるトルコ人」という意味で、オスマン帝国崩壊後、国の近代化に尽力したトルコ共和国の初代大統領です。それまでのアラビア文字にかわって、ローマ字表記を採用したのも彼で、トルコでは英雄と崇められています。

こんな感じで、トルコでは街の至るところにアタテュルクの肖像画がある

トルコのエフェソス遺跡へ

そして、私たちは先月クルーズ船でエーゲ海と地中海を旅して、トルコのエフェソス遺跡というところに行きました。

クシャダス(トルコ)の町並みと地中海

エフェソスには、保存状態の良い本当に美しい古代ローマ時代の遺跡があって、世界中から観光客が訪れる有名な場所です。

エフェソス遺跡

夫のマイクと私は、エフェソス遺跡に行くバスツアーを申し込みました。私以外の乗客は、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどから来た方たちで、全員英語ネイティブ。私たちのクルーズ船は、トルコのクシャダスという港に着き、そこからバスで1時間ほどかけて遺跡に向かいました。

地中海の色が最高にきれい

道中、女性のトルコ人ツアーガイドさんが英語でいろいろ説明してくれるんですが、すごく英語がお上手でした。

ガイドさんは40代くらい。訛りの少ないイギリス英語風の発音で、すごく聞き取りやすかった

女性ガイドさん:「皆さん、ご機嫌いかがですか?」

客:「元気ー!」

女性ガイドさん:「昨日はよく眠れましたか?」

客:「イエース!!」

って感じで、お客さんたちも、みんな気さくで陽気な英語ネイティブなので、バスの中は盛り上がっていました。

夾竹桃(多分)がきれいに咲いてました

そしてガイドさんが、車窓から見える建物の説明をしながら、トルコの歴史について語ってくれたんですが、突然、こう言い始めました。

「ところで皆さん。クシャダス港の丘の上に、像が立っているのを見ましたか?」

客:「見たー!」

女性ガイド:「じゃあ、あれが誰だか、ご存知の方はいらっしゃいますか?」

客:(しーん)

女性ガイド:「誰か?誰かいませんか?予想でもいいです」

客:(しーん・・・)


そういえば、船がクシャダス港に近づく様子を眺めていたとき、なんか像みたいなものがあるなーとは思ってたんです。

拡大図
うーん、やっぱり全然見えない

こんな程度にしか見えなかった像なので、私たちの誰もが「ああ、なんかあそこに金色の像あるな〜」くらいで気にも留めていませんでした。スケジュール的にも、誰もそこにわざわざ見に行く時間などなかったのです。

それなのに、「誰か?誰かいませんか?」というガイドさんの声には、飛行機で急病人が発生し、CAさんが、「この中に、お医者様はいらっしゃいませんか?」って言っている緊張感バリの「圧」が感じられました(苦笑)

誰か、何か言わないと、この沈黙は、き、気まずい・・・

車窓から見えた小さなモスク

その時、私の頭の中では、『深夜特急』の斎藤工さんの声が再生されていました。

・・・もしかして、わざわざ聞くってことは、あのトルコの英雄のことじゃないのか?トルコ人は、外国人に「あれは誰だか知ってるか?」って聞かずにいられないのでは?

トルコの英雄、ムスタファ・ケマル・アタテュルク

だから、違うかもしれないけど、静まり返るバスの中で、私はおどおどしながら言ってみました。

「ア・・・アタテュルク?」


そしたら。

女性ガイドさんの顔が、パァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜っと、満面の笑顔になりました。そして、言いました。

「私はこの仕事を20年以上やってますが、正解したのはあなたが初めてです!!」

そして、私の隣に座っている夫のマイクに向かって、言いました。

「あなたは、この女性が奥さんで、ご自分がどれほどラッキーかわかりますか?」

夫は、なんだかよくわからずにイエスと言っていました(笑)

エフェソス遺跡

トルコ建国の父ケマル・アタテュルクは、トルコ人にとっての英雄。深夜特急で書かれていたように、それを知っている外国人がいるというのは、本当に嬉しいことのようです。

この女性ガイドさんは、欧米人を相手に英語ツアーを長年やっているのだと思いますが、欧米人にはアタテュルクはあまり知られていないのかもしれません。日本では高校で習うのにね。っていうか、私もつい数ヶ月前まで知らんかったけど。

古代ギリシャの公衆トイレ。隣の人との距離感近すぎ!

この後、女性ガイドさんは、ツアーの休憩時間にわざわざ私のところに来て、「私たちトルコ人は、日本にとても親近感を持っていて、みんな日本が大好きなんです。知ってましたか?」と言ってくださいました。

そして、バスの中では、ガイドをしながら私に「あなたが私の一番のお気に入りです。アイラブユー」と言い続け、「あなたはこれから一生涯、トルコ旅行は無料です!」とも言われました(笑)

奥にあるのは図書館です

まあ、もちろんそれはジョークですが、英語でコミュニケーションが取れて、ほんの少しでも歴史を知っていれば、旅がもっともっと楽しめ、現地の人に喜んでもらえるということを本当に実感しました。

ところで、私たちのコミュニティでも、実はメンバーさんにすごく好評だったのは、夫のマイクの日本史の知識と教養です。「日本の歴史や文化について、マイクと英語で話すのが楽しいです!」と言ってくださった方が、何人もいます。

外国人が自分の国の歴史を知っているというのは、相手にとってはものすごく嬉しいこと。それだけで、コミュニケーションが一層はずむんですよね。

私が歴史の勉強をやり直した方法

「歴史の勉強をやりたいと前から思ってるけど、何を使って勉強したらいいかわからない」「すでに試したけど挫折した」という方は、実は多いのではないかと思います。

私も、

・書籍
・Youtube動画
・高校の歴史教科書

などいろいろ試した結果、上記は全部挫折しました。でも、一つだけ継続できて成果を感じられたのが、受験生向けの「スタディサプリ」でした。

スタディサプリというのは、小学生、中学生、大学受験生向けの通信講座です。「え、学生じゃないと受講できないんじゃないの?」と思ってましたが、大人でも受講して問題ないそうです。

私は、この本↓で佐藤優さんがスタディサプリを絶賛していて、知りました。

世の中には書籍や教材が溢れていますが、なんだかんだ言って、「学生用の教材」が一番質が良くてしかも安いです。私の英語コンサル生さんに教材をお勧めする時も、私はだいたい中学生用と高校生用の問題集をご紹介しています。必要な情報がちゃんと網羅されているし、そのうえ数百円とか、高くても千円台だし。

で、スタディサプリも、学生向けなので安価でめちゃくちゃ質が高いです。人気の予備校講師の授業ばかりなので、動画も楽しいし。

これからは、日本史と地理もやり直して、さらに外国人とのコミュニケーションや旅行を楽しみたいと思います!

私がスタディサプリを使ってどう勉強したかは、以下の記事に書いてます。あわせてどうぞ。

というわけで、今日は以上です。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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