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自分の英語力を他人と比べて落ち込んでしまう人へ

多くの日本人の英語学習者が悩んでいること。

それは、

「他の人と比べて、自分はスラスラ英語が話せない」
「自分より英語が上手な日本人の前では、英語を話したくない」

という、要するに「他人と自分を比べてしまう」ことによる悩みです。


帰国子女に囲まれて英語に自信をなくした女性


私たち夫婦の英語コミュニティのメンバーさんのお話。

その女性は、高校までは英語が得意だったのに、帰国子女が多い大学に入ってしまい、自信を失ったそうです。

確かに、いかに英語が日本の高校で得意だったからと言って、ペラペラの帰国子女には絶対かなわないですよね。

彼女は社会人になってからも、特に日本人が周りにいるところで英語を話すのが怖く、心理的なブロックが大きいと言っていました。


英語にかけた時間と労力=英語年齢

私は、彼女にこう言いました。

「英語にどれだけ時間と労力を注いできたかは、年齢のようなものです。言ってみれば、私はあなたと比べて、英語ではものすごい『おばあちゃん』なんですよ(笑)」

と。

私は、英語に関してたくさん経験をして、英語年齢を重ねたということです。


その女性は、幼いお子さんをお持ちの方でした。なので、彼女に私はこう言いました。

「あなたのお子さんが、2歳だとしましょう。

そのお子さんを、5歳の別の子供と比べて、『なんでうちの子は、あの子と比べてこんなにおしゃべりが下手なんだろう?』なんて思いますか? 

思わないですよね。それと英語も同じなんです。

『自分が英語にかけてきた時間と労力』が自分の英語年齢だとすると、その長さは人によって全然違います。

その違いは何から生まれたかというと、これまでの人生において英語の優先順位が高かったか、低かったか、ただただ、それだけなんです」


人生における英語の優先順位

今まさに育児まっただ中の人は、「英語なんてやってる場合じゃない」という毎日でしょう。

介護のために、いったん英語を脇に置かざるをえない人もいます。自分や家族の大きな病気のために、英語から離れた時期がある人もいるでしょう。

私たちの人生では、いろんな事情で英語の優先順位が下がる場合がありますよね。

そういう「英語を勉強していない時間」を、自分が「冷凍保存されている状態」と考えることを、私は提案したいと思います。


『パッセンジャー』っていう、ジェニファー・ローレンスとクリス・プラットが主演のSF映画があります。

環境汚染で住めなくなった地球から遠い星に移住するために、宇宙船にたくさんの人が乗って旅立つというストーリーです。


でも、移住先の星に到着するには120年かかります。普通に宇宙船に乗っていては、到着する頃にはみんな死んでしまいます。だから、搭乗者が一人ずつ冬眠カプセルの中に入って、その移動時間を加齢しないままに過ごすんです。

ところが、とある理由で途中で目覚めてしまった2人の男女がいて・・・というのが、この映画のストーリーです。


これまでの人生で大切だったものは?

あなたが、「自分は、あの人ほど英語ができない」と思って落ち込んでしまうなら、それは「あなたは冬眠カプセルの中に入ってたから」と考えてみたらどうでしょう。

あなたには、これまで育児や介護、病気、お仕事、趣味、ボランティア活動など、英語より重要なことがあったわけですよね?

つまり、その間、あなたは冷凍状態でした。一方で、他の人は英語時間を積み重ねていったというわけです。


帰国子女の方たちは、友達とのおしゃべりも学校の授業も英語だったのですから、英語の優先順位は当然高かったに決まってますよね。そして、彼らは日本語力を高めるために、きっと私たちよりずっと苦労したはずです。

私の場合は、子育てをしていませんし、今のところはまだ介護の必要もありません。英語をずっと仕事にしてきたし、夫もアメリカ人なので、私は人生において英語の優先順位が高かったんです。

これまでの人生において英語の優先順位が高かったか、そうでなかったか、ただそれだけの違い。

だから、人と比べても仕方ないんです。


年齢を比べても仕方ないのと同じ

「私は30歳だけど、あの人は40歳だ。30歳である自分が恥ずかしい」なんて、誰も思わないですよね?「私は30歳で、あの人は40歳」という、ただその事実があるだけです。

それと同じく、あの人とあなたとでは「英語年齢」が違うだけなのです。

帰国子女は大学で同級生かもしれませんが、その人は英語に時間も労力も、あなたよりずっとたくさん捧げたのです。土俵が違う人と自分を比べても、意味がありません。

大学の同級生だとしても、英語年齢は「ああ、あの人は私より年上なんだな。以上。」なのです。


もちろん、「もっとあの時、英語を頑張っておけばよかった」「やろうと思えば英語を勉強できたはずなのに、怠けてしまった」という後悔も、あるでしょう。

それは、誰にだってあります。もちろん、私にも。

でも、それも含めて、育児や介護、仕事や趣味が英語より優先だった時間も含めて、全てが、あなたの今までの人生じゃないですか。

だから、そこに「恥ずかしい」とか「自分なんてまだまだ」とか、そういう卑屈な思いは一切いらない。


「あの人は自分よりできる」とか「自分はあの人よりは上だ」とか、人と自分を比べるのをやめましょう。

昨日より英語年齢が少しでも上がるように、英語時間を増やしていきましょう。

いかがでしょうか?何か、少しでも今のあなたに気づきがあれば、うれしいです。


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