【自己解説】そして誰も休めなくなった

　以下の記事は、日本の国防の要となる防衛省のシンクタンクである防衛研究所（NIDS）のHTTP接続問題をリアルタイムでノンフィクションとして書いたものです。

　ここでHTTP接続問題を復習しておきます。皆さんがご家庭でお使いのGoogle ChromeやMozilla Firefoxなどのブラウザーでさえ、HTTP:で始まるホームページにアクセスしようとすると以下のような怪奇現象が発生するはずです。

警告メッセージ：ブラウザーは通常、HTTP接続を試みると『この接続は安全ではありません』といった警告メッセージを表示します。具体的な文言はブラウザーによって異なりますが、安全でない通信として警告されます。一般企業や私のPCからは、態々セキュリティ機能を解除しなければ、HTTP://で始まるホームページは危険過ぎてアクセスすらできません。

接続の非推奨化：現代のブラウザーは、HTTP接続を使用した場合に通信が暗号化されず、データが平文（誰でも読めてしまう状態）で送信されるため、プライバシーやセキュリティのリスクが高まるとして、HTTP接続の使用を非推奨化しています。

HTTP接続を使用すると以下のような問題があります。

セキュリティ問題：HTTP接続ではデータが暗号化されずに送受信されるため、第三者が通信内容を傍受する可能性があります。特にパスワードや個人情報などの機密性の高いデータが送信される場合、セキュリティ上のリスクが大きくなります。

データ改竄リスク：HTTP接続では通信内容が暗号化されていないため、通信経路上でのデータの改竄が容易です。これにより、送信されたデータが改竄されてしまう可能性があります。

クッキーのセキュリティ問題：HTTP接続では、クッキーも暗号化されずに送受信されるため、クッキーを盗まれることで、セッションハイジャックや個人情報の不正利用のリスクがあります。

　以上のような理由から、現代のウェブセキュリティの観点からは、HTTP接続は避けるべきであり、代わりに暗号化された安全な通信のHTTPS接続を使用することが推奨されています。HTTPSとは『Hypertext Transfer Protocol Secure（ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル・セキュア）』の略で、SSL（暗号化通信）によってセキュリティを高めたHTTPのことです。最後のS（セキュア：安全）があるのとないのでは大違いなのです。

　本作『そして誰も休めなくなった』は、日本のAI研究の第一人者だと勘違いされている松尾豊教授のオフィシャルホームページが、いまだにHTTP接続を使っているという衝撃の事実を元にしたフィクション小説で、読者の皆さまから以下のようなコメントをいただきました。

鉱物太郎｜note

　鉱物太郎さんからは『暗号化してない理由がただただ気になります🤔』とのご意見をいただきました。それで、これはアガサ・クリスティ原作のミステリー小説として有名な『そして誰もいなくなった』のパロディーで、『そして誰も松尾豊に連絡できなくなった』というミステリー小説にすれば良かったかと思いました。

　ところが、『アヒルっ娘萌え普及委員会』の葛西さんから、『今の日本は、現実が面白いので、サイバーパンクなディストピア小説を書くのはちょっと難しいですね。』との日本の現実を指摘されてしまいました。

　実は私の作品は一見フィクション（虚構）のコメディ小説に見えますが、ノンフィクション（実話）を書いていることもあります。『事実は小説よりも奇なり』という言葉がありますが、日本の情報セキュリティの現実は、想像を絶する世界であり、葛西さんのご指摘通り、これ以上脚色する意味がありません。ニュースや、各省庁の説明資料や法案自体がギャグ漫画のようになっているのです。

　葛西さんからは、さらに『今、あえてHTTPを使うのは、暗号化なんてしないオープンな思想であることを表明する意味があります。』とのご指摘もいただきました。但し、松尾研がオープンソースの意味を理解できていなかったことは、以下の記事で明らかになっています。松尾豊は未だにオープンソースやオープンアーキテクチャの意味は理解できないでしょう。彼らは思想以前に言葉の意味が分かっていないのです。

　Suzzyさんからは、『AIは全人類の叡智を総和したレベルの少なくとも1万倍になる』という孫正義の説に関してコメントをいただきました。これは孫正義が2023年のソフトバンクＧの株主総会で発言した内容を、一語一句間違わずにタイプしたものです。この間違いに関しては、私が直接ソフトバンクに指摘しました。孫正義は2024年の株主総会では若干トーンダウンしていますが、同じようなことを言っています。

織原松治｜note

　国際情勢・経済、グローバルビジネス・マーケティング専門家の織原松治さんからは『さすがにhttpsは使わないと…😭』とのコメントをいただきました。織原さんのように世界標準でビジネスをされている方々には、日本がICT後進国であるという事実は、かなり辛いはずです。😭無しでは語れない現実です。

つづく…

武智倫太郎