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御用学者列伝:杉山大志@キヤノングローバル戦略研究所

 杉山大志(すぎやま たいし)は、日本の著名なエネルギー・環境研究者であり、キヤノングローバル戦略研究所の研究主幹を務めています。また、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の特任教授も兼任しているとWikipediaには書いてありますが、実際には在籍していないため、Wikipediaの情報が必ずしも正確ではないことを示す顕著な例と言えるでしょう。

#杉山大志 氏の専門分野は #地球温暖化問題 #エネルギー政策 であり、2004年から気候変動に関する政府間パネル( #IPCC )の報告書執筆者としても活躍しています。さらに、産業構造審議会や総合資源エネルギー調査会など、多くの政府機関の委員も務めています。

主な著書
 杉山氏は多くの著書を執筆しており、特に『地球温暖化のファクトフルネス』や『脱炭素のファクトフルネス』などが知られています。彼の著作は、地球温暖化に関する科学的なデータと政策的な視点を提供し、多くの読者に影響を与えているとされています。

 私の専門分野は彼の専門分野も含んでいるので、彼の書いた文章に目を通すことがありますが、私の判断基準では杉山氏の主張の半分は正解で半分は間違いです。つまり、彼の話を聞くくらいなら下駄を投げてみて、下駄が表なら地球は温暖化し、裏なら地球は氷河期に入る程度の信憑性しかありません。

研究活動と主張
 杉山氏は地球温暖化対策やエネルギー政策における現実的なアプローチを提唱しています。彼は特に #再生可能エネルギー の限界やコストに関する議論を積極的に行っており、 #グリーンバブル の危険性についても警鐘を鳴らしています。

杉山大志経歴
出身校: 東京大学理学部
主な役職:
#キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)報告書執筆者
産業構造審議会委員
総合資源エネルギー調査会委員

 キヤノングローバル戦略研究所の不思議なところは、研究主幹の杉山大志が上のような署名記事を書いているにも関わらず、同社のホームページの文末には『本サイトに掲載された論文・コラムなどの記事の内容や意見は執筆者個人の見解であり、当研究所またはそのスポンサーの見解を示すものではありません。』と書いてあることです。このような矛盾は、キヤノングローバル戦略研究所および杉山大志の双方が責任をもって情報を発信していないと言わざるを得ません。

 キヤノングローバル戦略研究所の杉山大志研究主幹の記事でありながら、個人の見解扱いとなっている上の記事には、多数の間違いが含まれていますので、以下にその一部を指摘します。

誤り1.世界は脱炭素に向かっていない

事実:米国: バイデン政権は『インフラ投資雇用法(Infrastructure Investment and Jobs Act)』を通じて、大規模なクリーンエネルギー投資を行っており、共和党の一部の反対があっても、実際には多くの脱炭素政策が進行中です。

中国:表向きの石炭火力発電投資に加え、再生可能エネルギーへの投資も急速に進めています。中国は世界最大の風力発電と太陽光発電の設置国であり、2030年までにCO2排出量をピークアウトする目標を掲げています。

誤り2. 気候変動が国際的な『問題』でなくなるという主張

事実:気候変動は依然として多くの国際機関や政府の主要な課題とされています。パリ協定を支持する国は引き続き多く、世界各国で気候変動対策が進行中です。IPCCの報告は、気候変動の深刻な影響を明確に示しており、国際的な取り組みが必要とされています。

誤り3. 日本のCO2削減が産業空洞化によるものという主張。

事実:日本のCO2排出量の減少は、エネルギー効率の向上や再生可能エネルギーの導入拡大など、多様な要因によるものです。経済産業省のデータによれば、省エネルギー技術や再生可能エネルギーの導入が進んでおり、産業空洞化だけが主な原因ではありません 。

誤り4. 脱炭素政策が経済に悪影響を与えるとする主張

事実:クリーンエネルギー産業は新たな雇用を創出し、経済成長の一部を担っています。再生可能エネルギーやエネルギー効率化技術への投資は、長期的には経済の安定性と持続可能性を向上させる可能性があります 。

誤り5. 欧州の産業が完全に空洞化しているとする主張

事実:欧州連合は、再生可能エネルギーへの転換を進めながらも、産業競争力を維持するための政策を実施しています。特にドイツは、再生可能エネルギーの先進国でありながら、製造業も強力な競争力を持ち続けています。

誤り6. アメリカの脱炭素政策の見通し( 次期米大統領がトランプ氏であると思い込み、脱炭素政策が180度変わるとする主張)

事実:アメリカの政治動向は予測が難しく、次期大統領が誰になるかは不確定です。また、仮に政権交代があったとしても、バイデン政権下で進められた脱炭素政策の一部は、すでに法制化されているため、完全に撤回されるとは限りません。

 このようにキヤノングローバル戦略研究所とは関係なく、何かの研究主幹の杉山大志個人の主張には多くの誤りや誤解があり、事実に基づいた正確な情報に基づいて議論することが重要です。

本サイトに掲載された論文・コラムなどの記事の内容や意見は執筆者個人の見解であり、当研究所またはそのスポンサーの見解を示すものではありません。

キヤノングローバル戦略研究所

武智倫太郎

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