AIの進化は早く、技術の変化は目まぐるしいですが、これに対する政策は追いついていません。最近のG7広島サミットで発表された『広島AIプロセス』は、その典型的な例です。一方で、我々の社会や経済、それ自体がデジタル化の波に揺さぶられている中、政策作りは常に遅れているという現状を直視する必要があります。
このG7広島サミットで議論された『広島AIプロセス』は、生成型AIと没入型技術のガバナンスを迅速に議論するというものです。しかし、AIの急速な発展と技術の深化を考えると、政策が追いつくのは困難でしょう。生成型AIについて議論し、その結果を本年中に報告するというのは、理論上は可能かもしれません。しかし、実際には、AI技術が日々進化する中で、議論が常に遅れてまるで意味をなさないアプローチです。
また、岸田総理は『人間中心の信頼できるAI』の構築と『信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)』の具体化を求めました。しかしながら、現実にはDFFTは2019年の提唱以来、具体的な成果を上げることができていません。データ流通を制御するための国際的な枠組みを求める声は多いですが、それを具現化するのは非常に困難な課題です。
全体として『広島AIプロセス』のアプローチは、AIの急速な発展と現実の課題に対して、追いつけていないと言えるでしょう。現状の技術進歩と、その速度を考慮すると、政策策定の方法そのものを見直す必要がありそうです。