ステルス値上げから消費者を守る! 私たちの対抗宣言
ステルス値上げの正式用語は『シュリンク・フレーション(Shrink-flation)』です。これは、商品の内容量やサイズを減らしながら価格を据え置く手法を指します。見た目には値上げが行われていないように見える一方で、実際には消費者が受け取る価値が目減りするため、『隠れた値上げ』とも呼ばれ、世界中で問題視されています。日本でもこのシュリンク・フレーションの波が押し寄せ、多くの消費者が日々その影響を受けています。
このステルス値上げに対し、マスメディアはその功罪を議論したり、発生の仕組みを説明しています。証券会社は『値上げ幅よりも投資で儲ければいい』といった自己都合の宣伝をし、メガバンクは『円が弱いなら外貨預金を』と勧めつつ、銀行の利益のために高額な手数料を課し、為替リスクを預金者に押し付けています。このように、銀行や証券会社は自身の利益のみを追求しているのが現状です。
つまり、日本ではステルス値上げに対して、消費者を助けてくれる存在がほとんどいないのです。そこで、私はnoteの力を信じて、ここにか弱い日本の消費者の意見を取りまとめ、ステルス値上げ反対運動を展開しようと考えています。また、卑劣な便乗値上げや、銀行や証券の自己中心的なビジネスを批判し、消費者の声を届ける運動を始めます。
ステルス値上げ対抗宣言
私たちは、noteのコミュニティを通じて『ステルス値上げ』に対抗する運動を立ち上げます。消費者が正しい情報を得て、適正な価格と品質の商品を選ぶ権利を守るため、以下の行動を宣言します。
透明性の追求
私たちは、商品の内容量や品質が隠されることなく明示される社会を目指します。ステルス値上げに対しては、その事実を正しく共有し、広く周知します。
コミュニティでの知識共有
シュリンク・フレーションの実態を互いに報告し合い、消費者同士が助け合う場をnoteを通じて提供します。情報の共有こそ、消費者の力を強くする道です。
選択の自由を守る
私たちは、企業に対して正直な表示と誠実なビジネスのあり方を求めます。そして、消費者が正しい選択をする自由を守るため、アクションを起こします。
声を上げよう
シュリンク・フレーションが消費者に与える影響を軽視させないため、私たちは社会に向けて声を上げ続けます。企業への働きかけやSNSでの拡散を通じ、透明な市場を目指します。
私たちのコミュニティは、皆でこの問題を解決し、消費者の権利を守るためのプラットフォームとなります。共に声を上げ、賢く選び、未来のために行動しましょう!
ステルス値上げ反対活動を始めるに至った経緯
私はnoteのフォロワーの皆さんの記事をすべて読んでいますが、最近ではステルス値上げについて嘆く方が非常に多くなっています。ところが、幾らnoteに愚痴を書いても、残念ながら消費者庁や総理大臣が皆さんの記事を読んで、『ステルス値上げをなんとかしよう』とは思わないものです。
そんなことを思案しながらビクトリー焼きそばを作っていたところ、『ゆーしんけんさん』から『何とかならないものでしょうか?』というコメントをいただきました。コメントをいただいてしまった以上、何らかのアクションを起こすのが私のnoteでの基本姿勢です。それで、私は『もう、これはステルス値上げ反対運動をするしかない!』と決意しました。
以下に、『ゆーしんけんさん』のコメントをもとに、ステルス値上げとは何かについて考えてみたいと思います。
ところで、noteで市民運動を盛り上げるための鍵は、インパクトのあるハッシュタグを作れるかどうかにかかっています。そのため、以下のようなハッシュタグで、ネーミングを募集するのが第一歩かも知れません。
#ステルス値上げ反対運動ハッシュタグ募集
次に重要なのは、noteのクリエイターの皆さんが日本各地で目撃したステルス値上げの情報を収集することです。ステルス値上げの実態を集めることが非常に大切です。
#ステルス値上げ情報
集めた情報をもとに、あからさまな便乗値上げを行っているメーカー、小売店、地域の情報をデータ解析し、それぞれの商品やサービスに対する抗議文を作成します。その後、 #ステルス値上げ反対 のハッシュタグをつけてSNSで拡散します。特に悪質なステルス値上げに対しては、さらに #ボイコット のハッシュタグも併用すると、より効果的かも知れません。
ステルス値上げとは何かを考えるコーナー
『ゆーしんけんさん』のコメントは、【ゆ】で、武智倫太郎は【武】です。
【ゆ】ステルス値上げにあたるのかは断言できませんが、チョコやインスタントコーヒー、お菓子など気づいたら「しれっと」内容量が減ってたりしますね。
【武】その『しれっと』内容量が減っているのが、まさにステルス値上げです。例えば、ビクトリー焼きそばの袋麺が5個入りから3個入りになっていたら、さすがに私でも気が付きます。私がこれまで気が付かなかったのは、インスタント麺売り場には行かなかったからです。
そこで昨日、ビクトリー焼きそばの値段が変わっていないか市場調査に出かけたところ、なんと袋麺が5個入りから3個入りに減り、さらには1個ずつのバラ売りになっていました。これが、観測するまで何が起こっているかわからない、まるで『シュレーディンガーのビクトリー袋麺』状態です。
一方、私は納豆をよく食べるので、納豆の変化にはすぐに気が付きました。納豆パックの内容量は50gから45gに減り、現在では40gが納豆の標準的な重量になっているようです。しかも、以前は50gが3パックで98円(税抜き)だったのが、いつの間にか40gが2パックで98円になっています。
ステルス値上げは、まるで『1984』のチョコレート配給の話のような現象であり、日本がディストピアにまっしぐらに進んでいるような感覚さえ覚えます。
【1984】この二月に豊富省は一九八四年の間はチョコレートの配給が減ることはないと約束していた(『絶対的な公約』が公式な表現だった)。ウィンストンも知っている通り実際には今週末からチョコレートの配給は三十グラムから二十グラムに減らされる。
【ゆ】原材料の値上げを理由に、商品価格も高騰しています。
【武】原材料の中でも、特にオレンジ、カカオ、銅といった供給制約がかかるコモディティ(商品)は、そのスポット価格の影響が大きいです。たとえば、カカオが原料のチョコレートは供給不足により価格上昇に繋がることがありますが、『1984』では価格ではなく、チョコレートの配給量をごまかすシーンが登場します。このシーンは、消費者にとって、単なる値上げ以上に混乱や不信感を引き起こす現象を象徴的に表現していると言えます。
また、消費者物価指数(CPI)に先立って動くコモディティとして、原油価格の高騰もさまざまな商品価格の上昇に直接影響を与えています。原油価格は世界経済に大きな影響を与えますが、パンデミックや戦争のような世界的なイベントが石油価格に多大な影響を与えることもあります。以下のチャートからもその動向が確認できます。
さらに、国際的な海上輸送の動向を示すバルチック海運指数の上昇は、物流コストの増加を引き起こし、それが商品価格に波及しています。
この他にも価格動向を理解するために重要なのが、CRB指数(Commodity Research Bureau Index)やLME金属価格、米ドル指数です。例えば、原油や金属の価格変動は、エネルギーや製造業を中心に広範な業界に影響を及ぼし、米ドルの強弱は輸入コストに直接関わってきます。
また、食料品に関してはFAO食料価格指数が注目すべき指標です。食料価格が上昇すると、消費者への負担が大きくなり、商品全般に影響を与えます。加えて、生産者物価指数(PPI)は、生産者のコスト変動を把握するために役立ち、その変動が最終的に消費者物価にどのように反映されるかを予測することができます。
これらすべての要因が、グローバルなサプライチェーンに依存する現代の経済において、原材料から消費者に至る全ての段階に影響を与え、価格高騰を加速させています。特に、日本のような資源輸入国では、これらのインデックスを注視することで、輸入コストがどのように商品価格に反映されるかを見極めることが重要です。
このような経済の基礎知識をもとに、妥当な値上げ幅を経済的要因を踏まえて計算し、その基準から大きく乖離しているものを便乗値上げと認定することが重要です。根拠なしにただ値上げに反対するだけでは、価格が転嫁できない企業が破綻したり、必要な賃上げが行われず、健全な経済活動とは言えません。重要なのは、適切なインフレと、それを若干上回る賃金の上昇です。
武智倫太郎
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