AI倫理関連映画紹介(1)
以下に挙げた作品は、AIやアンドロイドのディストピアやアンチユートピアを描いた作品の極一部で、比較的有名な映画のみです。作品に関する解説に関しては、筆者のバイアスの掛かった感想や、シニカルなジョークが含まれていることを、ご理解の上読み進んでください。
『メトロポリス』(1927年)(原題:Metropolis)
監督:フリッツ・ラング
この映画は、巨大な都市で労働者階級と支配階級の間に広がる階級格差を描いています。労働者階級を鎮圧するために、アンドロイドが登場し、反乱を引き起こします。
『2001年宇宙の旅』(1968年)(原題:2001:A Space Odyssey)
監督:スタンリー・キューブリック
原作:アーサー・C・クラーク
この映画では、AI搭載コンピュータHAL 9000が人間の宇宙飛行士たちと対立し、最終的に彼らの命を脅かすようになります。
ここではGPTの機能拡張の問題点を検討することを目的として、以下のシーンについて解説します。この映画の主人公は、デイブなのか、ディスカバリー号を制御しているAIのHAL 9000なのか、モノリスなのかは、観方によって異なりますが、船長のデイブと搭乗員のプールが、HALに聴かれては困る話を、音が遮断されたスペースポッド内で話しているのを、音が聞こえない状態であるにも拘らず、HALが読唇術で、二人の会話の内容を、読み取ってしまったことからHALの暴走が始まります。
この映画の続編には、カプリコン・1(1977年)(原題:Capricorn One)のピーター・ハイアムズ監督が手掛けた『2010年』(1984年)(原題: 2010: The Year We Make Contact)がありますが、こちらのガッカリ感に関する解説は差し控えます。
アーサー・C・クラークは宇宙の旅シリーズで、以下の四作を執筆しているので、2010年以降は、こちらを読んだ方が、より作品に対する理解を深められるでしょう。
『2001年宇宙の旅』 2001: A Space Odyssey(1968年)
『2010年宇宙の旅』 2010: Odyssey Two(1982年)
『2061年宇宙の旅』 2061: Odyssey Three(1987年)
『3001年終局への旅』 3001: The Final Odyssey(1997年)
『ウェストワールド』(1973年)(原題:Westworld)
監督:マイケル・クライトン
ユル・ブリンナーが演じるアンドロイドがいる体験型遊園地で、アンドロイドたちが予期せぬ誤作動を始める様子が描かれています。ウェストワールドは続編の『未来世界』他、テレビドラマシリーズやリメイク版などがあります。半世紀前からアンドロイドの反乱をテーマにした作品は多数あり、それだけこのテーマに関する関心の高さが窺えます。
『未来世界』(1976年)(原題:Future World)
監督:リチャード・T・ヘフロン
ウェストワールドの続編。
『ブレードランナー』(1982年)(原題:Blade Runner)
監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
この映画はフィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を基にしており、人間と見分けがつかないほど進化したレプリカント(人造人間)と人類との対立が描かれています。
『ウォー・ゲーム』(1983年)(原題:WarGames)
監督:ジョン・バダム
主人公が偶然ハッキングしたAIシステムが、米ソ間の核戦争を引き起こす危険性に直面する物語です。この作品はAIの性質を理解する上での重要な観点を示している作品です。ストーリー自体は非常にシンプルであり、あらすじを四行も書いてしまうと、完全なネタバレになってしまうので、解説は差し控えますが、AIシステムの進化は、この映画のようなエンディングとなる可能性と、ならない可能性の両方があり得ます。
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