近未来麻雀小説(30)俺覚醒
これまでのあらすじ
『麻雀のルールを知らずに麻雀小説が書けるか?』と自問自答していた作者の俺は、『あっ、麻雀のルールを知らなくても、近未来麻雀という架空の麻雀ルールなら書ける!』と気が付き、適当なルールの近未来麻雀小説を書いてみた。
ところが、あまりに無理があり過ぎて、読者にドン引きされてしまったので、『それなら子供でも知っているドンジャラ小説ならいける』と閃いた。しかし、作者の俺はドンジャラのルールも知らなかったので、麻邪羅という適当なドンジャラもどきのルールの小説を書いてみた物のさらに、支離滅裂な話になってしまったので、CD-ROMに入ったスタンド能力を使って、物語を強引に加速させ、一気に結末へと持って行くという強硬手段に出た。
ノンフィクション麻雀:セガNET麻雀MJ伝
今日、俺は運命を決する一歩を踏み出した。『 #セガNET麻雀MJ 』での初のFree対戦だ。これまで俺が練習してきたCPU対戦とは一線を画し、ネットの向こう側には実在する熟練の雀士たちが待ち構えている。未知の領域への一歩。実際の雀荘に足を踏み入れたことさえない俺にとって、ネット越しの対戦は、むしろその匿名性ゆえに、心臓が跳ねるような緊張に満ちていた。
俺の雀士名は『無知倫理』。麻雀界の新星、まだ十級。しかし、負けそうになるとゲームの中止ボタンを押す必勝技を駆使してきたので、CPU相手では無敗の雀士だった。だが今日、実力派プレイヤーたちとの対峙は、新たな試練へと変わった。
緊迫した空気の中、MJが選んだ対戦相手は格上ばかり。一級、二級、三級。十級の俺には圧倒的な不利。しかし、運命は不可解なもので、満貫、跳満、倍満と大勝連発。数時間の戦いの末、俺は一級に昇格していた。
しかし、勝利の甘美さはすぐに薄れ、俺の興味は麻雀の本筋を逸脱し、萬子の一気通貫を捨牌で狙う邪道へと走り出した。最初の一萬から始まり九萬まで、一気通貫の大成。それでも最終的には、またもや首位を獲得してしまった。
今、俺が狙っているのは邪道麻雀の究極形のトリプルロンへの振り込みだ。一、四、七や二、五、八や三、六、九は筋と呼ばれ、相手の雀士が待っている可能性が高い牌の番号だ。
一と九がなければ断么九の役が付くため、トリプルロンが出る可能性が高そうなのは二、五、八の牌だろう。他家の三人が聴牌と察したら、容赦なく当たりやすそうな牌を狙って二、五、八を切る。
それでもトリプルロンに振り込むことは極めて困難であることが分かったのが、今日の成果だ。と書いている間にこの記事にトリプルロンのコピペをしようと対局したら、また勝ってしまい、初段になってしまった…。
初段になると『覇王』とかが出てくるので名前でビビッてしまったが、全然楽勝だった。
つづく…