イランのヘリコプター墜落が世界経済に与える影響(8)
故ホセイン・アミール・アブドラヒアン外相
ホセイン・アミール・アブドラヒアンは、 #東アゼルバイジャン州 ヘリコプター墜落で、同乗していた故 #ライシ大統領 と一緒に亡くなったイランの外交官であり、2021年から外務大臣を務めていました。故 #アブドラヒアン外相 は、 #中東・北アフリカ ( #MENA )政策の専門家として知られ、 #イラン の国際関係強化に多大なる成果を上げた政治家として、生前から高く評価されていました。彼は国際関係学の博士号を持ち、イランの外交政策における重要な役割を果たしてきました。
*私の記事よりも虹子さんの説明の方が詳しいので、アブドラヒアン外相の業績については、こちらを読まれた方が良いと思います。
業績
ロシアとの関係強化
アブドラヒアン外相は、イランと #ロシア の関係を深めるための主要な役割を果たしました。彼の指導の下で、イランはロシアとの経済的および軍事的協力を強化し、地域の安全保障における協力関係を深めました。
BRICS加盟の実現
イランの #BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)への加盟を実現するための実務を取り仕切りました。彼の外交努力により、イランはこの重要な国際経済グループの一員となり、経済的および政治的な影響力を拡大しました。
中国との関係強化
アブドラヒアン外相は、中国との関係を深め、中国の仲介によって2023年にイランと #サウジアラビア の外交関係正常化を果たしました。これは地域の安定と協力を促進するための重要な一歩となりました。
ヒズボラとの関係強化
#レバノン の #ヒズボラ との関係を強化し、 #イスラム 革命防衛隊と連携して支援連携を推進しました。アブドラヒアン外相は、 #革命防衛隊 とイラン政権をつなぐ連絡役として、イランの『抵抗戦線』支援連携に積極的に関与しました。
アブドラヒアン外相の死亡がBRICSの動向に与える影響
日本の政治においては、外務大臣を含む多くの大臣の役職や所轄省庁が頻繁に変化し、専門分野と大臣の役職が一致しないことが多いです。しかし、海外の多くの閣僚は担当する省庁に関連する専門分野の博士号や同等以上の専門知識を有していることが多いです。例えば、日本の経済産業大臣や環境大臣が変更になっても、政策が大きく変わることは殆どありません。
2019年に環境大臣に任命され、現在は #岸田文雄 首相の次の首相候補として名前が挙がっている #小泉進次郎 衆議院議員は、国連の #温暖化対策サミット に出席した際に、参加国の首脳から環境問題に関して尋ねられた質問に一つも答えることができませんでした。彼は『先週就任したばかり』であるため環境のことを知らないのは当然だと主張し、世界中を驚かせました。しかし、所轄省庁の重要事項について知らないのであれば大臣には就任すべきではありません。それにも関わらず、日本では多くの大臣が専門分野外で任命されることが珍しくありません。
一方で、イランのアブドラヒアン外相は、テヘラン大学の国際関係学で博士号を取得後、外交官や外務副大臣などを経て、外務大臣に就任した外交の実務に精通した専門家です。そのため、彼の死去はイランおよびBRICS全体に重要な影響を及ぼす可能性があります。この点が、日本と一般的な海外との大きな違いです。
外交政策の一時的な混乱
アブドラヒアン外相の突然の死去により、イランの外交政策に一時的な混乱が生じる可能性があります。彼の後任者が実力不足の場合は、外交交渉や国際協力の継続に支障をきたす可能性があります。
BRICS内でのイランの影響力低下
アブドラヒアン外相は、イランのBRICS加盟の立役者であり、彼の死去により、イランのBRICS内での影響力が一時的に低下する可能性があります。新たな外相がBRICS諸国との関係を再構築するのに時間がかかることが予想されます。
ロシア・中国との関係への影響
アブドラヒアン外相が築いたロシアおよび中国との強固な関係は、彼の死去により影響を受ける可能性があります。新たな外相が同様の関係を維持し、発展させるためには、信頼と協力関係の再構築が必要です。
地域の安定に対する影響
イランとサウジアラビアの外交関係正常化やヒズボラとの関係強化など、アブドラヒアン外相が果たした役割は地域の安定に貢献していました。彼の死去により、これらの取り組みが世界経済に与える影響は極めて大きいと言えます。イランの次期外務大臣の人事は、 #中東和平 並びにBRICSから派生する #世界経済 の動向に対して非常に大きな影響を持っているため、世界が注視すべきなのは、イランの次期大統領だけでなく、外務大臣の人事も極めて重要だと言えます。
つづく…
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