ツンデレ童話(9):大草原の小さな家の癒し系のジュリア
これまでのあらすじ
片言のツンデレ語に加え、インチキ臭い関西弁、江戸弁、筑豊弁、米沢弁を交えたツンデレ童話シリーズを執筆している最中に、ツンデレ女神のジュリアさまが降臨し、『あなたならバブ語もできるんでしょう?』との御言葉をいただき、今回はバブ語でツンデレ童話を書くことになった。
大草原の小さな家に、癒し系ツンデレで、ちょっとサドデレなジュリアという狐娘が住んでいました。彼女は美しい髪と狐の耳と尻尾を持ち、人々を魅了していました。ジュリアはいつも大草原を駆け巡り、自由気ままな日々を送っていました。
ある日、ジュリアはいつものように大草原を走っていると、何時まで経っても大人になりきれない、バブ語しか話せない倫太郎を見つけました。倫太郎はどう見ても中年なのに、いつもバブ語を話して、草原の動物たちと遊んでいました。
気まぐれな癒し系のジュリアは、『たまには癒すだけじゃなくって、あやしてみ~よぅかなぁ♡』と思い、『🍼🤗ほ~ら、わたしを捕まえてみてちょうだい。あはは〜うふふ〜』と、楽しげに声を上げてみました。
倫太郎はジュリアのあやしに萌え♡てしまい、『むにゃむにゃ〜🍼、きゃっちゅ~できるかな〜? ぶぶ~っ!🤗 ぼくちん、がんばるもんね! ふふ〜ん、こっちおいでなのだ〜!』と言いながら、楽しそうにジュリアを追いかけ始めました。
ジュリアは倫太郎をからかうように、軽やかに草原を駆け回り始めました。彼女の黒髪が風になびき、狐の耳と尾が陽光を浴びて輝いていました。倫太郎は笑顔で追いかけましたが、狐娘のジュリアの素早い動きについていくのは一苦労でした。
『ふふ、追いつけるものなら追いついてみせなさいな!』と、ジュリアは挑発的に笑いながら叫んだので、倫太郎は『うん! ぼくちん、がんばるもん!』と元気よく応えました。
やがて、二人は古い木の下で休憩することにしました。ジュリアはそっと倫太郎の隣に座り、彼を見つめながら穏やかな笑顔を見せながら、『ねえ、倫太郎。本当は大人なのに、なぜいつもバブ語を話しているの?』と、いきなりマジな質問をしました。
倫太郎は少し恥ずかしそうにしながら、『ぼくちん、ほんとうは…こわがりだからなのだ。バブ語を話すと、なんだか安心するんだよ。ホントはジュリアたんが、バブ語ができるかって聞いただからだけどね!♡』と答えました。
ジュリアは倫太郎の手を優しく握り、『それでもいいのよ。あなたがあなたらしくいることが、一番大切なのだから♡』と癒しの言葉で優しく語りかけたので、倫太郎は堪らず萌え萌えキュン♡となってしまい『ぶぶ~。ジュリアたんのやさしさにぼくちん、とろけちゃうよ~』と言いました。ところが、この一言がジュリアのツンデレ魂に火を付いてしまい、『あ、あんた、わたしがちょっとあやしたからって、べ、別に好きとかそんなんじゃないからな! だからって嫌いなわけじゃないのよ♡』とツンデレました。
すると倫太郎は『ふふ~ん、ジュリアたん照れてるのかな~?』と答えてしまったので、今度は、ジュリアが心に秘めていたサドデレ心に火がついて『ふん、わたしが照れるわけないじゃない。でも、あなたってちょっと、かわいいけど、お仕置きが必要ね♡』といって、サドデレ言葉で倫太郎にお仕置きをしたので、倫太郎はマゾデレのデレデレになってしまいました。
倫太郎がマゾデレのデレデレになってしまったことで、ジュリアの内面にあったサドデレな一面が更に強くなりました。しかし、その中にも彼女の優しさが溶け込んでいて、倫太郎に対する彼女の深い愛情が透けて見えました。
『ほら、もう少し頑張って♡』と、ジュリアはやさしく倫太郎を励ました。倫太郎は彼女の言葉に応え、二人は一緒に草原を駆け回りました。ジュリアは時に厳しく、時に優しく、倫太郎をあやしました。
日が暮れる頃、二人は草原の中で息を切らして座り込みました。星空の下、倫太郎はジュリアに向かって『ありがとう、ジュリア。今日は本当に楽しかったよ』と感謝の気持ちを伝えました。
ジュリアは顔を赤らめながらも、少し照れくさそうに『べ、別に…あなたのためじゃないんだからね。ただ、一緒にいると楽しいから…♡ でも、物凄く楽しいとかそんなんじゃないからな!』とツンデレな返事をしました。
この日を境に、二人の関係は更に深まりました。ジュリアの癒し系ツンデレとサドデレの性格と、倫太郎の純真さとマゾデレ心は、奇妙ながらも完璧な調和を生み出しました。大草原の小さな家では、二人が互いに愛情を深め合いながら、楽しく過ごす日々が続きました。
そして、この物語は、『誰もが自分らしくいられる場所がある。しかも、好きな人となら、どこにいても楽しいものは楽しい』という童話ならではの教訓っぽい感じを残しました。
つづく…
武智倫太郎