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近未来麻雀小説(23)番外編:セガNET麻雀MJ
東風戦・第一戦・東1局0本場
MJ十級の最弱雀士の無知倫理は一巡目で【中】を、二巡目で【白】牌を哭いていた。普通に考えたら、相手がどんなド素人雀士でもこの場で【發】は切れないところだ。無知倫理は【發】の裸単騎待ちで、ここは『自模るしかない』と自分の引きの強さに賭けていた。
ところが、同じくMJ十級の偽装出版が、コンビ打ちしている訳でもないのに、まるで差し込みとしか思えない五巡目のタイミングで、その事件は起こった。偽装出版が【發】を捨牌したのだ。
無知倫理は、一瞬『この流れなら大三元も狙える』と考えたが、『ロン!』と跳満で安上りし、『もう、CPU対局の十級程度では相手にならねえ。常にトップで一人勝ちのネット麻雀なんてつまらねぇ』と思い始めていたが、『九級に昇級したらもう少しましな雀士が登場するかも知れない…』とも考えていた。これがCPU相手のAI麻雀の限界かも知れないが、十級が相手なら、もう、二度と負ける気がしなかった。
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つづく…