送り出し事業のこれまでとこれから Vol.3
こんにちは。
アイセックは100以上の国と地域の仲間と共に、若者のリーダーシップを育む事業を行っている、学生による非営利組織です。私たちは、海外に渡航して、現地での社会課題に向き合いながら自分ができることを考え、解決に取り組むインターンシッププログラムを運営しています。
2023年度、ついにパンデミックの影響により停止していた海外インターンシップ事業が再開しました。アイセック・ジャパンで長く続く海外インターンシップ事業の変遷とこれからの可能性について、事業停止時の事務局次長兼送り出し事業統括を務めた小西快様をお招きし、2023年度事務局長高橋祐哉とともに語っていただきました。
今回は前回に続き、最終回となります。
最終回もぜひお楽しみください。
高橋:『今後の社会にとっての送り出し事業の価値は何か』という質問に快さんはどう答えますか?これは僕も気になりますね。
小西様:あまり流行りに流されない事業にして欲しいとは思っています。
当時やっている身だったら、それこそ今CMでもよく流れている地球温暖化等の環境問題とか、次は生物多様性がくる!じゃあ先取りしよう!みたいな話とか、Z世代として僕らに出来ることはなんだろう?とか考えると思います。でもそれってすごくもったいないことだと思うんです。
アイセックの良さって、NPOとしての顔と、学生団体としての顔と、サークルとしての顔がある点だと思うんですよね。例えば政府であれば、少子化対策のために若者を結婚させなきゃなど意図があって政策を実施するみたいな。でもアイセックって世界平和や異文化など崇高な理念を抱えつつ、それ以外はYouthにとっての団体な訳で。要はYouthである僕らがやりたいことというか、若者がやりたいことをとことん応援してあげる組織であるべきだと思うんですよ。となると、世の中で流行っていることとか、大人が僕らをZ世代と名付けて僕らに期待していることとかに合わせる必要は全くなくて、僕らの中でやりたいこととか、僕らの中で課題だなと感じることとか、僕らがここに行ってみたいというところとかに、行く機会を提供するのがアイセックの役目だと思うんですよね。
だからこそ究極は僕らみたいなOBOGがいうこととかよりも、この瞬間にみんな自身がやりたいことに思いをのせて、インターンシップを運営して欲しいなと思います。
ただ、その為には選択肢を沢山用意しておく必要はありますよね。それこそゆうやが言ってくれたように、特定の海外支部と信頼関係を作りつつも、「こういう支部もあるよ」とか「こういうプログラムもあるよ」などの選択肢を沢山用意しておいてあげることが自由にやる為には必要なことだと思います。
高橋:僕も、今国際本部のサポートチームに入っていて、来年の国際本部の方針が送り出し/受け入れ事業の運営拡大なんですね。
それには色々な背景があるんですけど、当然国際本部としてもただ成長するというよりかはサステイナブルに価値を広めていく為に、まだまだ運営拡大が必要ということで、それを一つのテーマとしています。これに対してはやはり最適化に向かっているなと感じていて、その重要性も分かるし、アイセック・ジャパンもより効率化であったり、より多くの人に渡航してもらうためにできる改善は多いと思います。でも、それを突き詰める一方で、全く違うこともやってほしいなと思うこともあります。アジア・太平洋地域でも基本的にはプログラムの需要と供給のバランスであったりとか、渡航者を増やしていくキャンペーンとかをやりつつ、全く違う新しいプログラムを作ってみるとか。一見今の方針に逆行するような面白い取り組みのようなものが一つか二つとか生まれてくると、またそれはそれで面白いんだろうなみたいなものは感じます。この矛盾をアイセック・ジャパンでもそうですし、アジア太平洋地域でもそうですし、どうにかしてグローバルレベルでも生み出せないかなっていうのが思っていることです。あとは、自分がやはり国際本部のサポートチームやアイセック国際本部に行くのは、半分迎合して半分アイセック・ジャパンの魂を受け継いでみたいなところも大切にしたいからというのが理由です。一見方針に逆行するようなそういう取り組みって、支部レベルからしか生まれないと思っているので、各支部のどこにユニークネスがあるのかをアンテナを張りつつ、ただアイセック・グローバル全体としてはちゃんと土台を積み重ねてしっかりとインパクトを拡大していくという部分に貢献できるのかというような、二つのスタンダードを両立しなければいけないんだろうなというのは、ジャパンにも求められていますし、自分自身が国際本部やグローバル全体で作りたい未来だなと思います。
小西:ゆうやとか、事務局がすべきことは基準を作ってあげることだと思います。今年の方針はある程度ちゃんと数を伸ばして、良い連鎖、数の連鎖を生み出していくことだから、最低限守るべき基準を示すことは事務局が、ゆうやが絶対にやるべきことなんですよ。
一方で委員会側は半分迎合しつつ、もう半分はプラスアルファ新しいことをやってみるのもいいと思います。ゆうやが言ったこと全部に対して委員会メンバーが迎合する必要はなくて、「いや、でもこれもやりましょうよ」とか反対勢力があって初めて新しいことが生まれるんですよ。僕らのときの反省として、コロナ禍で事務局が全部リーダーシップを取らなければいけなくて、悪い言い方で言うと反対勢力をどんどん潰すという風潮にあったんですけどね。難局を乗り越えるために強力なリーダーシップが必要であったからなんですが、自分が委員会メンバーだった時はアンチ事務局メンバーだったので、委員会はどんどん事務局につってかかって良いと思うし、リーダーにつってかかって良いと思います。そこから新しいものが生まれたりとか、基準が少し変わったことをしてみることで、新しいものができたりすると思うので、例えば受け入れ国と協働して新しいプログラム作っても良いじゃんとか、オンラインとオフライン掛け合わせてこういうプログラムを作ってみよう、みたいな柔軟な議論を上げていくと本当に新しくて面白い送り出し事業が生まれると思います。OBOGとしても、毎年毎年同じ報告じゃつまらないので、今年の送り出し事業は面白いね、みたいな報告が聞けると支援したくもなるし、人も集まってくると思うし、期待しているので、ぜひみなさん頑張ってください。
高橋:ありがとうございます。
やはり、僕もかいさんも自分が渡航して、かつアイセックを色々やった末に思うこととかあったりするので、絶対数を増やしたいなと思うのもやはり自分が思っていることですね。まずは実際に自分で事業に参加をして色々課題を感じて、社会をみる中でアイセックってもっとこれできるじゃん!というところに面白みを感じる人が増えると、実際組織も良くなっていくと思います。そういう意味でも自分が事務局長を2年やってよかったなと思えるには多分2年後とか3年後にそういう人がまたリーダーとなってそのストーリーを聞ける時なんじゃないかなと思いました。
小西様:OBOG視点での協働やサポートについて何ですけど、どの国に行ってみたいかとかっていうのをOBOGに相談して見るのは面白いのではないかと思います。
例えば知り合いでインドに行ったことがあるOBとか、他にもイタリア、インドネシア、ベトナム、ガーナ、ギリシャの渡航経験がある人とか色々います。
まだ現役生で渡航経験が少ない人からすると、行きたいところは実際行った人からの口コミで決まったりもすると思うので、渡航者の顔を渡航した国に貼る、地図のリストのような現役生が行きたい国の渡航経験者に気軽にアクセスできて面白いんじゃないかなと思います。世界地図見ただけでアイセッカーってこれだけの国に行ったことがあるんだと実感できるからテンションも上がりそうですよね。というのは今アイデアベースで思ったので適当に流してくださいって思いますけれども。
高橋:面白いですね!
年間200人ということは、5年で1,000人くらいは参加している人がいるはずだけど、今頼れている人数って、そんなにいないと思うんですよね。もし可能であれば、興味ある人に対して広報を行う段階で協力していただけるとありがたいです。また、行くと決まった段階においても、経験者から話を聞けるのは渡航者にとって大いに助けになります。僕もガーナに行く前、、アイセック内外問わず少なくとも10人くらい事業に参加した人に話を聞きましたが、そういう機会が今は少ないと思うので、特に送り出し事業に参加したというOBOGの方はぜひ現役のメンバーにご自身の渡航体験談を共有して頂きたいです。少しでも話していただけるだけで行きたいと思ってくれる人は増えると思いますし、行く人もたくさん学びを得られると思うので、リストを作成するのは現役の努力があってこそですが、お声がけした際は是非協力していただけるとありがたいです。
小西様:OBOGという立場からすると、全く知らないVlogerの渡航記でもみちゃうくらいだから、アイセックの現役生が渡航先で今どんなことをしているのかというのはめちゃめちゃ興味が惹かれるコンテンツだし、そういうのを見ると応援したいな!って思いますよね。
高橋:ありがとうございます。
では、以上で本日は対談を終わりにさせて頂きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。!
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