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思いの繋がりを原動力に、留学生の就職を実践と理論で支援する。【アルムナイインタビュー第15弾】

2022年9月に開催されたアイセック・ジャパン60周年記念式典。
 
このシリーズでは、そのコンセプトである”a passionate story”にちなみ、60年分のリーダー達の熱い想いとストーリーを届けることをテーマにアイセックから社会へと羽ばたいた方々のお話をお届けします。
 
今回は、現在、外国人留学生のライフキャリア支援をされている尾本勝昭さんにお話を伺いました。

尾本勝昭さんプロフィール

1973年にアイセック広島委員会の準備委員会を設立。以後、委員会が正式に認められるまでの活動に尽力。広島商科大学(現在の広島修道大学)での学生時代は報道や社会的な活動に興味を持ち、学生運動や音楽のプロデュース、その他コンサートの設計などアクティブに活動。
大学3年次にアイセックに入会するまでは、音楽に限らず、東京や広島他、地域の学生と関わることに魅力を感じていた。
そのような時、広島大学の学生から「アイセックの活動をやってみないか?」と誘われたことがきっかけで、メンバーを集めアイセック広島委員会を設立し、国内のスタディーツアーにも参加した。


現在はどのような活動をされているのですか?


 広島修道大学を卒業(1974年)後、横浜国立大学大学院に進学(経営学専攻)、その後、30年間、商社で働いていました。

55歳の時、両親の看護、介護のため、早期退職。退職後、人材派遣会社に勤務していたこともあり、その時に取得したキャリアコンサルタントの資格やアイセックのインターンシップ事業の経験を生かして外国人留学生の就職支援、ライフキャリア教育に興味を持ち、広島県の外郭団体で15年間、主に留学生の就職を中心とした多文化共生事業に携わりました。

現在は、2020年に設立した一般社団法人 グローカル人財ネットワークを設立し、引き続き、(元)留学生を中心とした就職、転職、起業を中心に、外国人材のライフキャリア支援の実践と研究を行っています。

アイセックの活動が、今のキャリアにどのようにいきていると感じていますか?


私が現在、留学生のキャリア支援をしているのは、実は当時のアイセックでの活動が大いに関係しています。
 
大学卒業後、大学で遣り残したこととして、アイセックの理念であるグローバルな視野に立って活動する未練がありました。当時は準備委員会で、実践的なインターンシップ活動ができていません。そのため、私は留学を視野に大学院に進学することを決めました。しかし当時は今ほど、留学することが簡単でなくお金もかかります。そのため、留学は諦め、2ケ月間の語学留学を英国で経験し、商社に就職しました。商社勤務はそれなり頑張りましたが、45歳の時、神戸に移動となり、その時、阪神大震災を経験しました。

それ以来、新たな形で、第二の人生を始めたいなと思い、改めて広島大学の大学院に進学しました。大学院に通いながらも経済的には社会人院生として働きながら学ぶ姿勢を大切にしたいと考えていた時、人材会社のパソナが経産省の国家プロジェクトとして、広島で留学生の就職支援の担当者を探しているというお話を受けました。そして採用面接の結果、アイセックにおいて海外インターンシップ運営の活動経験があるということが決め手となり採用されました。
 
現役学生として、アイセックで活動していた頃のさまざまな人と意見交換ができるようなコミュニティや仲間が、自分のキャリア開発の原動力となっています。アイセックには地域を越えた世界的なコミュニティがあり、大きなビジョンを掲げ、同じ目標に向かって活動している仲間が全世界にいます。私は地域に限定されない、グローバルなフィールドで社会的な活動したいと考えており、その思いはこれまでの職業感や人生感が現在の活動にも強く繋がっています。

現在情熱を注いで取り組んでいるものはありますか?またどんなことが原動力となっていますか?

学生時代にアイセックで2年間ほど、国際的な活動をした経験が今ある自分の原動力です。また、その時に遣り残したことにもう一度挑戦しようと思ったきっかけが、広島地域での経産省主催に留学生の就職支援のプロジェクトです。そのプロジェクト名は「アジア人財資金構想」といいますが、留学生の人材育成として文科省と経産省が共同主催し、留学生の受け入れから勉学・生活支援、就職支援をするもので、その実施は広島県を中心に産学官の連携組織として作られました。実施期間は4年間でしたが、事業終了後は広島県を主体となって、産学官連携の組織(「広島県留学生活躍支援センター」)を設立し、現在はひろしま国際センターの中で管理、運営され、私が就職支援を担当しました。

また、もう一つの原動力として、留学生支援の実践的な活動だけでなく、理論的な研究も必要だと感じたため、再度、留学生教育をテーマにした大学院に進学し、留学生のキャリア教育や就職支援を実践的に学ぶことを決意しました。広島大学大学院(国際協力研究科)では留学生キャリア支援の論文を執筆し、修士を取得しました。また、その後、継続して学ぶ必要性を感じ、現在も大学院に通い研究をしています。
実際に自分で働きながら、留学生のキャリア支援を実践し、そこでの知見を活かし、理論と実践の融合、そして政策形成に役立得ることができる論文ができれば、私が生きた証になると考えています。

何事にも好奇心をもって、その結果、自分が何をどうしたいのかという問題意識が社会に繋がる、会社経験では経験できない社会活動がエネルギーになっています。学生時代にアイセックで経験したように、未知な領域に果敢にチャレンジするという精神が、とても重要な経験でした。
また、同じ心差しを持つ仲間も重要ですね。私は東京の社会人になって、二十数年間広島に戻っていませんでした。
確か、1990年代に一度広島に戻った時、創設メンバーの仲間が今もなお、アイセックのOBOGメンバーとして繋がっており、広島委員会自体も、以前より大きな組織になっていました。びっくりしました。広島委員会を創設したメンバーが、自分の思いを繋いで、組織を大きくしてくれているということが、新たなモチベーションになり、留学生支援の活動も頑張ろうという思いになることができました。
アイセック広島委員会が今も尚、組織として存続していることは、自分の子供たちがフェニックスのように羽ばたいているようなものなんですよ。だから現在の留学生支援に関しても、輩出した人材がどこかで、今の自分の思いを繋いでくれるかもしれない」そういう期待を持って活動しています。

この先のキャリアでどのようなことに取り組んでいきたいと考えていますか?

2022.3月末に公職を退き、現在は2020.2月に設立した一般社団法人グローカル人財ネットワークという団体で、引き続き、留学生の就職、転職、特に起業に力を入れたライフキャリアを伴走支援するという事業を継続しています。
将来の夢は広島県という地域に留学した留学生が母国と留学先の広島県を循環型で繋ぐ、多文化共生の人材育成のモデルとなるような事業を展開したいという夢を持っています。私は現在、71歳ですが、留学生支援の実践と理論の両方を大切にしながら、90歳まで現役で活動していきたいと思っています。

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最後まで読んでくださりありがとうございました!
これからの投稿も、ぜひ楽しみにしていてください。

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