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笑顔は世界共通。ガーナで目の前の人と向き合い続けた6週間-海外インターンシップ体験記-
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はじめまして。東京外国語大学国際社会学部フランス語専攻の高橋祐哉です。
この夏にアイセック慶應大学湘南藤沢委員会で海外インターンシップに参加しました。
今回はこの経験を通して感じたことや、学んだことを共有します!
どんなインターンシップ?
僕が参加したプログラムは、『EN』というガーナの農村に6週間ほど滞在しながらコミュニティ開発を行うインターンシップです。僕は主に先生として小学校6年生に教えたり、病院のお手伝いをしたりしていました。
正直ガーナの農村といってもいまいちピンとこないですよね....。僕もそんな状態で出発しました。
僕がお世話になったのはボソ村という場所で、首都から4時間ほどガーナのバス(通称トロトロ)で走ったところにあります。
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気候は思ったより暑くなく、日本の夏より過ごしやすかったです。
また物価は驚くほど安く、日本でいう1000円札を出すとおつりがないからやめてくれと断られるほどで、5円でカップケーキのようなものが買えました。
電波はとても悪く常に通信制限がかかってる状態でした!
はじめてぶつかった壁
全く慣れない環境で6週間過ごすのは、もちろん大変で辛いことや苦しいこともありました。
そんな1つ1つの試練を乗り越えるたび、少しずつ成長を感じられた気がします。
その中でも一番 “壁” だと感じた出来事について綴りたいと思います。
村で先生になるにあたって、模擬授業を行うことがありました。
僕はいままで先生をやった経験はないし、英語がペラペラではなかったので、その時はもう緊張と不安で押しつぶされそうになっていました。
案の情、僕の授業はグダグダ。メンタルもボロボロになりました。そしてさらに追い打ちをかけたのがほかのインターン生の授業の様子。自信をもって堂々と授業している姿と、周りの人たちが楽しそうな姿を見るたびに、自分と比較してしまい悔しくて泣きそうでした。
今まで、“人よりできない”という現実を突きつけられたことがあまりなかったのでこの時はショックが大きく、本当に落ち込みました。
でもそんな自分が嫌で、変わりたいと本気で思いました。このままできない自分が許せなかったです。
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次の日から自分ができなかったところ、ほかの人が良かったところを参考にしながら改善のために全力を尽くしました。その結果、NGOの人から驚かれるくらい自信をもって授業を行うことができるようになりました。
振り返ってみると、この経験はインターン中最大の失敗経験であり、大切な成功体験だったと思います!
子どもとのエピソード
村で生活する中で、子供と過ごす時間が一番長かったように感じます。
目の前の子どもと時間も忘れて向き合った経験は僕の中での宝物です。
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感動するエピソードから面白いエピソードまでたくさんあるので、いくつか紹介したいと思います。
ナターニエル君
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隣の家に住んでいる4歳の男の子です。彼との最初の出会いは、村についた初日でした。隣の家が村の高校の学長の方が住んでいらっしゃる場所でした。あいさつに行くと、彼がとことこ歩いてきて小さな声で“What’s your name?”と聞いたくれたのがはじまりです。
彼のかわいいところは、僕が全く理解できない現地語でひたすら話しかけてくれることです。ただただ反復して返すだけなのに、嬉しそうににっこりしてくれました(笑)
使える英語も限られていて、お気に入りは“Like this”でした。
彼の成長を見たい、と心から思います....。
町で行き交う日本語
授業の中では、日本語も教えました。
彼らはとても日本語に興味を持ってくれて、たくさん使おうとしてくれました。授業をやり始めて一週間も経つと、村を歩いていると「こんにちは~」「ありがとう~」「かわいい~」「好きだよ~」という声が子供達から聞こえたり。
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「この村に僕が来なければ知らないことだよな~」なんて考えたりもしました。
日本語を教えて使ってくれることはとてもうれしかったです。そして、僕も現地を頑張って覚えて、お互い使いあうことも楽しかったです。
子供の悲しそうな表情を見たこと
僕が子供達の悲しそうな表情をみるのは2回ほどありました。1つ目は帰国するの時。
スーツケースに入れていってほしいと何人の子どもからも頼まれ、自分を忘れないでほしいと手紙ももらいました。彼らに出会えてよかったなと素直に思った瞬間です。
もう1つは僕が髪を切ると彼らに伝えたときです。
「いや、それそんなときかい」と思うかもしれないんですが、本当に悲しそうな表情をされて全力で止められました(笑)
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実際切って恐ろしい髪型になり、めちゃめちゃ後悔したのですが、あれだけとめていた彼らからの評判はかなり良かったです。
フットボール×国際協力
村での思い出を語る上でフットボールは外せません。
何より楽しかったことは間違いないのですが、国際協力という観点から考えたときに、フットボールは大きな可能性を秘めてると感じました。
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ボソ村でフットボールはとても人気で、子供から大人までたくさんの人と一緒にプレーをしました。
コミュニティとして定期で試合が開催されていることが羨ましかったです。
村の大人の方と一緒にやった試合では、僕の髪を切った方が相手チームのFWにいたこともありました!
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そんな中で、ボール1つで言葉なしに通じ合えることの楽しさや、フットボールの持つ「人を巻きこむ力」を学ぶことができました。
そして僕自身も、押し付けではない、お互い純粋に楽しいと思える国際協力のアプローチ方法が理想だなと実感しました。
最後に
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この夏の経験は、自分の人生における1つの節目になりました。
挑戦することを決めた自分に礼を言うとともに、これからも挑戦を続けていきたいと思います。