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クリスマスにすき焼きを

今朝がたのニュースで岡田将生と高畑充希が電撃結婚!っていう報道が飛び交っておりましてね、電撃結婚ってのはあれだろ、椅子に縛り付けられて電流を全身に流されて婚姻関係を迫られるあれでしょう?ビリビリビリ!あー!結婚!結婚でもなんでもしますから!言うことなんでも聞きますんで、お願いですからその電流を止めてください!!ってやつですよね。令和の時代にアクロバティックなプロポーズをする人もいるものですね。それはそれとして、あと一か月もすればクリスマスがやってまいりますよ。唐突だな!クリスマスと言えばケーキ!ケーキの予約なんかも各店舗スタートして、そろそろ準備を始めている人も多いんじゃないかなと思いますけれども。ケーキの予約もいいですが、おれはこの時期、クリスマスのごはんをどこで食べるか?をほんま真剣に考えるですよ。今のはバチェラージャパンの友永さんの真似です。


ここ数年、クリスマスには毎年すき焼きを食べると決めているんです。世間様では夜景の見えるレストランですとか七面鳥とかおケンタとかがクリスマスの定番といったところでしょうか。このあたりは敢えて避けて通ってきましたものですから、このあたりの解像度は異常に低く、みんなどこでクリスマスを過ごしているのかいまいちよくわかっていないんですがね。ただ、やはり浮かれたこの季節、普段アワとかヒエとか食べて暮らしているおれも多少ぜいたくをしたくなる時期ということで、おれの中でトップ・オブ・ぜいたくフードのひとつにございます、すき焼きを食べることにしているんです。


なのでこの時期はすき焼きをどこで食べるか?ということを真剣に考え続けているってことなんですけれども。最初期の頃は丸の内にあるすき焼き屋さんに通ってたんですが、東京にはかなり多くのすき焼き屋さんが軒を連ねているということに気が付いてから、この頃は年に一度の行事としてあちこち調べまわっては気になったところを食べに訪れているんです。


まず、東京のすき焼き屋さんはどこも老舗お店ばかりですから、お店自体が文化財になっているなんてところも探すと結構あるんです。文化財の中で食事をする時間も豊かだな、と思いますし、建築として面白いのでとても気に入っています。神田の鳥すきやき「ぼたん」がお気に入りです。

なによりすき焼き屋さんの面白いところは、女将さんが順番に客席を回りながら鍋の面倒を見てくれるところにあるんです。全部のお店がそうってわけではないんですけれど、各店舗のこだわりがこの女将さんの手さばきの中に現れるので、ビールなんかを飲みながらつい見入ってしまいます。まず、すき焼きの作り方は大別すると関東風と関西風に分かれまして、これはお店のルーツによって変わります。関東風は「煮」の文化が濃く、割下をぐつぐつ煮立たせてからお肉や野菜を投じるんですが、関西風は一旦お肉を焼いてから砂糖や醤油を入れて割下を作るという形が主です。「『すき焼き』というくらいですから、お肉をまず焼くのが本当のすき焼きですのよ」と関西風の女将さんの解説を聞くのも楽しく、また端々にお店の誇りを感じることもできる瞬間です。


それから、すき焼きといえばたまごをくぐらせてから食べるのが主ですが、このたまごの準備もお店によっては女将さんがしてくれる場合もあります。たまごを割っておはしで崩してくれるんですが、黄身と白身がよく混ざるようにしっかりかき混ぜてくれるんですけれども、この一連の所作もお店によって非常にカラーが出ると言いますか、なるだけ音を立てないように静かにかき混ぜてくれるお店もあれば、滝か?というくらいの高さまでもっていって一気に落とす豪快なお店もあり、これはおれの表現力が追いつかなくてたいへん申し訳ないんですが、これも見どころの一つと思っています。当然どこのお店のすき焼きもとてもおいしい!年に一度のぜいたくですから、これくらいは、味わってもバチはあたらないでしょう。


こうした雰囲気の良いお店にはついいつまでも居たくなりますが、あまり長居をするのは粋ではない!ということですき焼きを食べて、二・三会話をしたらさっとお店を後にするわけなんですが、良いお店に行きますと玄関先まで女将さんがお見送りをしてくれます。ぜいたくな時間だった…!という万感の思いとともにお店を出ます。外はもう年末の空気です。来年も良い一年になるような気がしてきます。


ただ、すき焼き屋さんに行く動機というのは先述のとおりたいへん陰気なものです。ご存知のとおりおれは自意識が他人よりも多少オーバードライブしやすい傾向にございますんで、クリスマスにおケンタに並ぼうものなら、「普段ケンタッキーに見向きもしない癖にクリスマスだからって浮かれて並びやがるんだな、お前みたいなモンは?」などと声なき声が聞こえてくるような気がしてしまって。本来もう少しPOPにお届けしたいところですが、一方、ここまですき焼き屋さんの楽しみについて書き綴っても尚、「出ました!お得意の逆張り!」という声が聞こえてきてしまう気がします。高畑か?高畑充希になればいいのか?今日、すき焼きにしない!?そんな感じです。

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さんし
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