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謎の役職、相談役。
企業勤めをしておりますと、「相談役」という役職者と出会うことが時々あります。おれの周りでは、社長の任を退いた方なんかがその座についていることが多いなというところでありますが、一般社員のおれなど接触する機会がほとんどなく、「実態はよく分かんないけど、たぶん偉いんだろうな」という印象がありますんで、すれ違ったら一旦立ち止まって普段よりも気持ち深めに頭を下げるようにしております。
この相談役というポストが偉いっぽいと思う理由としては元社長であるという肩書の他にも、専用の個室をお持ちであったり、秘書を引き連れて運転手つきの高そうな車に乗ってどこかに行かれるのを遠くで認めているからというのもあります。島耕作も会長職を退いてから相談役になってましたし。読んでないけど。
ものすごく偉いんだろうな、と思う一方で、役職名だけ見るとそんなに偉い感じがない。会長、社長は言わずもがな超偉いですよね。専務・常務も見るからに偉いっぽい!風神・雷神みたいな、ニコイチで会社を守っている感じがします。取締役、取り締まってるから偉い。部長、「長」がつくから偉い。相談役、相談役???字面だけ見ると何かあったら相談すべき人ってことですから、まあ頼りがいのある役なんだろうなと思いつつ、今一つ字面からは威厳が伝わってこない。響きだけだと専務・常務の方が偉そう。
ぶっちゃけ相談役がどんな仕事をしているのかもよく分かっていません。社長とかの相談に乗ること?その割にはゴルフとかめっちゃ行ってるし、だとすると、おれだって同僚の相談に乗ることもあるし、半休をとってバッティングセンターとかに行くことだってあるぜ。ということで、相談役が普段なにやってんのか調べてみます。
一般に、相談役の業務は3つだとGoogleは言っております。
1.企業経営における問題に対して第三者的な視点で助言をする
2.業界団体や財界での活動
3 顧客との取引関係の維持拡大
つまり、これまでの経験や実績の中で培ってきた経営ノウハウを活かして現行の経営者に対してアドバイスをしたり、これまでのつながり、コネクションを活かして会社を成長させるきっかけをつくってあげるのが主な仕事のようです。
企業にもよりますが、相談役は人事決定権を持っているケースもあれば、社長・会長職退任後の名誉職として、業務執行に関与せず決定権を持たないケースもあるとのこと。それから、気になる報酬は役員相当にあたるということで、大きな企業だと年間で数千万円にのぼるケースもあるんだとか。会社によっては、業務執行に関与せず決定権がない代わりにつまり責任もない、年収数千万円の役職な場合もあるのだそうです。これだけ見ると、一介のサラリーマンとしてはめちゃくちゃ羨ましいポストです。出世レース頑張っちゃおかなという気持ちにもなってきます。
一方、日本の会社法では別に相談役の設置が義務付けられているわけでもなく、当然役割も明記されておりませんから、近年「相談役」という職務が曖昧である点、またそれに対して異様に報酬が高い点、そして一線を退いた経営者が居座り続けることで会社の透明性や成長を阻害する要因になっている点などからその存在自体に批判も出ているそうです。
実際、相談役を排除するというか削減する動きが大企業の中でも起こっているようで、「もう相談役は設置しません!」としている会社もあるっぽいです。これはまずい。このままではおれが出世レースを頑張ったところで、シニアになる頃には相談役というポスト自体がこの国から消滅している可能性があります。おれだってみんなの相談に乗ってあげたい。活かせる経験があるのならば余すことなくシェアしていきたい。でも責任は取りたくないしいっぱいお金ほしい。だから考えます。相談役が生き残る道を。
まず、相談役を必要としているのが経営陣のみってところが良くない。私どものような一般社員にも目に見える形で手腕を発揮していく必要があると思うんです。つまり、一般社員の相談事にも乗って存在感を上げていかないといけないんじゃん?恋愛相談とかさ。実はおれ総務の泉さんのことが好きで、でも接点があんまりないからデートにも誘えなくて…みたいな。大事じゃないですか。会社を経営していくうえで一般社員の生活をより充実させること、泉さんとおれをどのように繋ぎ合わせるかってことはヒジョーに重要な経営判断になってきますですよ。シニア、なんでも相談乗っちゃうよ~!みたいな姿勢が重要です。
そのうえで、相談役は総務と距離が近いってのは相場で決まってますから、泉さんの好きな食べ物とか、休日の過ごし方とか、当然把握してるはずですから、そういったノウハウをですよ、シェアできると思うんです。それで泉さんとおれがどうにかなっちゃった暁には、おれは相談役のことを恋のキューピッドであると認識するでしょうから、相談役がいなかったら今のおれはないって思うはずなんです。
ただそれだけだといけない。個対個の相談に乗っているだけですと、大きな会社ですと影響力はごくごくわずか。人の数だけ悩みがありますから、もっと広く、いろんな人の相談をカバーしてあげないといけないわけです。そうなってくると必要なものは情報発信力。今はいろんな人に広く情報発信ができるプラットフォームが様々あるわけですから、ポッドキャストでもやったらいいんですよ。
概要としては、仕事の悩みから大きな声では言えないプライベートのお悩みまで、社用車の中で上司に相談するような感じで、あるいは同僚の相談事をこっそり聴いているような感じで楽しめる、相談役が上座からお届けするポッドキャスト番組です!みたいなね。番組名はもちろん「相談役の、ほう・れん・そう」で決まりでございます!いいですよね、芸人ラジオっぽくて。
「続いてのお悩みはラジオネーム、本名OK営業二課の高橋から。『最近営業成績が行き詰っていて、毎週の定例ミーティングが憂鬱です。そんな時、相談役だったらどうやってこの局面を乗り切りますか?』うーん、そういう時あるよね。そんな高橋君にピッタリの一曲をプレゼントするぜ!ウルフルズの、『ええねん』!
…著作権使用許諾申請を取っていないため、リクエスト曲は配信できません。」
日天ポッドキャストでよくあるやつ!そんな感じです。
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